May'n

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【May'n インタビュー】
楽しい楽曲をタイアップのシングルで
ずっと出してみたかった

余裕で歌う良さもあれば、
ギリギリで食らいつく良さもある

2曲目の「蒼の鼓動」はテレビ愛知『10チャンベースボール』のテーマソングなのですが、中日ドラゴンズを応援する楽曲を担当するというのは名古屋出身のMay'nさんとしては喜ばしいものだったのでは?

もちろんです! 名古屋にいればドラゴンズはずーっと身近にあるものなので、我が家でもタオルはほぼドラゴンズなんですよ! キーホルダーとかもあったし、家がナゴヤドーム(現バンテリンドーム ナゴヤ)に近いので、体力作りをしていた時はドームの外周を走っていました。もともとは作詞作曲をされた草野華余子さんが“ドラゴンズの曲を歌える名古屋出身の歌手の人”ということで、私の名前を出してくださったそうなんですね。華余子さんとは共通の友人もいて、ずっとご一緒したいと思っていたから、めちゃくちゃ嬉しい出会いになりました。

歌詞に登場する英語はドラゴンズの歴代のスローガンだそうですね。

華余子さんがとにかく野球が好きな方なので、いろいろドラゴンズのことも調べられたみたいなんです。新たに立浪和義さんが監督になった今年は“All for Victory”というスローガンなんですけど、これって過去にあった“Road to Victory”からきているものらしいんですよ。そういったドラゴンズの歴史やストーリーも大事にして作られているので、ドラゴンズファンの方からも“これだけ過去のスローガンを踏まえた上で今のスローガンを歌っている曲はない!”という声をいただいています。

それにしても「蒼の鼓動」はアツい! レコーディングの時は汗だくになったというのも納得です。

汗で飛沫が飛んだのは初めてですね! それくらいライヴ感のあるナンバーというか、中途半端な気持ちじゃ歌いきれない曲なんですよ。特に今はレコーディングの時以上にドラゴンズにハマりまくっているので、ライヴで歌っていても選手だったりファンだったり、いろんな想いが乗ってしまうんです。“ドラゴンズ以外のユニフォームは着ないと決めていた”って公言される立浪さんが監督になったという、またファンが一段とアツくなるタイミングだったし、試行錯誤をしながらがむしゃらに勝ちを求めてチャレンジし続ける姿勢にもグッとくるんですね。今は最下位ですけど(取材は6月末)、この曲でも“弱さと向き合って強くなれる”って歌ってますから。選手が固定されないからこそ、いろんな選手がチャンスをもらえるわけだし、“レギュラー摑むぞ!”っていう気持ちで打席に立っている選手たちを見ると未来を感じるんです。

なるほど。そういった想いが歌にこもるんですね。

ただ、チームに対する想いを前提にしつつも、そこにMay’nの今まで歩んできたドラマだったり、ファンに伝えたい想いを重ねられる楽曲にしたいというところは華余子さんもこだわってくださって。サビに“Stand hard with BLUE”という歌詞があって、これは過去のスローガンなんですけど、このワードを見て私はドン底で悩んでいた時に「BLUE」(2009年1月発表のミニアルバム『メイン☆ストリート』収録曲)という曲を作ったことを思い出したんです。“あの時、つらい想いを抱えながらも頑張っていたんだから、どんなことがあっても私はやれる!”という気持ちで歌えているので、May’nが今まで歩んできた音楽人生も重ねられる楽曲でもあるし、みんなの背中も押してあげられるような曲になったら嬉しいです。

そういったメッセージ性はMay’nさんの根っこに変わらずあるものですよね。そして、3曲目がCygamesコーポレートアニメーションムービータイアップ曲の「Follow Your Fantasy」。前半は幻想的なのにサビで突然ガツンとくるという構成なのですが、歌う際に気持ちを切り替えるのが難しいのでは?

レコーディングでは久々に苦労しましたね。前半は民謡みたいな歌い方を求められる部分が多くて、リズム感も絶妙で。ただ、ミュージカルに出演させていただいているおかげで、歌い方だったり使う声の幅がすごく増えたんですよ。なので、ミュージカルで新たに作った引き出しを、ようやくポップスで使えた感もありますし、自分の歩んできた別のキャリアがつながってありがたかったです。あと、実は私の希望で原曲からキーをひとつ上げているんですよ。

ただでさえ難易度の高い曲なのになぜ!?

原曲をいただいた時に“このキーでちょうどいいと思います”って言われたんですけど、ちょうど良すぎてなんだか違う気がしたんです。キーってすごく大事だし、もちろん余裕で歌う良さもあるけど、ギリギリで食らいついていく良さっていうのも確実にあるんですよ。この曲は絶対に上げたほうがいいと確信したので、家で宅録して“こっちのほうが良くないですか?”って持ち込んだら、みなさん納得してくださったんです。

その食らいついていく感が、渋谷を舞台にした疾走感のあるアニメーション映像とうまくマッチしていますよね。出来上がったムービーを観ていかがでした?

めちゃくちゃ感動しました! 最初に女子高生たちが取り出した携帯から始まって、どんどんゲームのキャラクターたちが街に出てくるのが、これぞCygamesだなって。移動中とかにゲームをしていると、現実との境界が曖昧になるというか、ゲームの中に入り込んでしまうような瞬間ってあるじゃないですか。日常がゲームとリンクしていく、その感じがしっかり映像化されていてワクワクしました。すごくカッコ良い曲で“魅せる”と“ブチ上がる”の両方を楽しめるので、ライヴでもすごく盛り上がるんですよ! レコーディングでは苦労しましたけど、実際に歌ってみるとリハーサルでもこの曲で喉が開くというか、調整できるところがあって、今は歌いやすくなってますね。こうやって日々、成長していくんだなと(笑)。

それは今後のライヴが楽しみですね。

まだまだ一緒に楽しんでいただける機会がありますよ。表題曲では今までになくポップでハッピーなタイアップをいただいたり、今回この一枚だけでもバラエティー豊かなナンバーに挑戦させてもらいましたけど、今後まだまだいろんな楽曲を皆さんに聴いていただけると思うので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

取材:清水素子

シングル「あはっててっぺんっ」2022年8月17日発売 Digital Double
    • 【CD+Blu-ray】
    • XNDD-00008/B 
    • ¥2,640(税込)
    • 【CD】
    • XNDD-00009
    • ¥1,540(税込)
May'n プロフィール

メイン:ジャンルに縛られない圧倒的な歌唱力と伸びのあるハイトーンヴォイスで国内外のリスナーを魅了する実力派女性シンガー。2005年に弱冠15歳でメジャーデビューを果たし、これまで担当してきたアニメ、映画、ゲームなどの主題歌がチャート入りを果たすなど人気を不動のものにしている。ライヴも活発に行っており、日本武道館や横浜アリーナ等の国内の会場をはじめ、海外でのツアーやフェスへの出演など世界中にその歌声を届けている。さらに、近年ではミュージカルにも活躍のフィールドを広げ、21年12月には週刊少年ジャンプの伝説的コミック『北斗の拳』のミュージカル化作品『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』でヒロイン・ユリアを演じた。May'n オフィシャルHP

「あはっててっぺんっ」MV

【あはっててっぺんっ】
May'n&きつねからコメント到着!
【パオ!!!】

蒼の鼓動

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