【タケヤキ翔 インタビュー】
人に接する時は大人で、
でも尖った部分も忘れない
インストを聴くだけでも
価値があるCDになった
カップリング曲「1/30000日の人生[タケヤキ翔ver.]」はもともとABEMA『Sla/shers presented by SBI証券』という番組の主題歌として制作されたもので、PENGUIN RESEARCHのヴォーカルであり声優の生田鷹司さんとふたりで歌っていたものをタケヤキさんのソロとして収録されていますが、改めて歌ってみてどうでしたか？
「未来のヒーローたちへ」はキーが高くて大変だったとお話しましたけど、この曲はさらに高かったです。生田さんと歌った時も、MV撮影の現場で生田さんが僕にかけてくれた第一声が“この曲、めちゃくちゃキーが高いよね”だったくらいで（笑）。もともと高い声が出る生田さんが“高い”と言っているくらいだから、僕はかなりキツかったです。でも、それによってまたひとつヴォーカリストとして成長できたと思うので、僕がひとりで歌っているバージョンもぜひ聴いていただきたいですね。
「1/30000日の人生」の歌詞もメッセージ性がありますね。
学生さんに向けたメッセージなのかなと思いましたね。それこそ自分がYouTubeを始めた時の気持ちを思い出させてくれるような感じがあって。
《生きて生きて》と連呼するところはパッションを感じました。
がむしゃら感っていうか…今もがむしゃらですけど、YouTubeを始めた当時は右も左も分からない状況だったし、“ここで売れてやるぞ！”と思っていたので、その気持ちを思い出しながら歌い上げました。
ちなみに一番キーが高かったのはどのへんですか？
初っぱなの《今を生きて 生き抜いて》から最後の《楽しくやろうぜ》の《ぜ》が一番高かったです。一番高くもありロングトーンで伸ばさなきゃいけないから、ここはすごく大変でしたね。もしカラオケなどで歌う機会があった時は、がむしゃらに頑張って歌ってもらえたらと思います！（笑）
人生のさまざまなことが歌詞になっていますが、タケヤキさんが人生で大切にしているのはどんなことですか？
さっきもお話したとおり、最近は周りにやさしくしたいと心がけていて。やっぱり自分がやったことは、最後には自分に返ってくると思うので。それにYouTuberも僕が始めた当時はまだ若い人が多くて、尖っている印象が強かったけど、僕が変わったように周りも年齢を重ねるに連れて柔らかくなった印象がありますね。単純に大人になったんだと思いますけど。でも、すごく難しいのは、YouTuberって大人になりすぎてもダメな職業なんですよ。だから、人に接する時は大人で、でも尖った部分も忘れない…そういうバランスをうまくコントロールできるようになりたいし、大切にしたいと思っています。
どちらの曲もアニメや声優の楽曲を数多く手がけているANCHORさんが作詞作曲編曲で、参加ミュージシャンも「未来のヒーローたちへ」にはヒトリエのメンバーやギタリストの東山智有さん、「1/30000日の人生」には9mm Parabellum Bulletの滝 善充さん、MY FIRST STORYのNobさん、凛として時雨のピエール中野さんと、バンド／ロック好きとしては嬉しい面子ですね。
僕が聴いてきたバンドの方ばかりなので、めちゃめちゃ光栄でした! みなさんの演奏に負けないように歌ったつもりですけど、改めて聴くとやっぱり本当にすごくて。みなさんのお力を借りながら、一緒に曲を作れて良かったです。CDには2曲のインストも収録されているので、それを聴くだけでも価値があると思いますね。いつかライヴでこの曲を披露する時、みなさんに演奏していただけたらきっとすごいだろうなぁ…って想像しちゃいます（笑）。
しかも、CDジャケットは原作者のつきや先生描き下ろしによるタケヤキさんのイラストで。めちゃめちゃ似ていますね。
もう光栄すぎて言葉になりません！ イラストのタッチも『組長娘と世話係』の雰囲気のまま、桜樹組にいてもおかしくない感じで描いてくださっていて。しかも、普段僕がつけているアクセサリーも描いてくださって、一発で僕だって分かる絵になっているし…これは本当に家宝です！ イラストが送られてきた時も嬉しくて、とりあえず携帯に画像保存しました（笑）。
タケヤキさんはラトゥラトゥの活動も行なっていますが、ソロとラトゥラトゥでは活動として違いはありますか？
ラトゥラトゥは音楽性として少しニッチな部分を狙っているというか、ボカロとロックを融合した音楽性に和の要素を加えているので、好きな人は好きという感じがあるんですが、タケヤキ翔名義でのソロは聴く人を限定しない王道の音楽なのかなと。タケヤキ翔ソロは音楽ジャンルを限定せず、ラトゥラトゥではできないことをどんどんやっていけたらと。また、ラトゥラトゥでは作詞もやっているのですが、タケヤキ翔としてはもっと幅広い詞をボーカリストとして表現してみたいし、どちらかと言うと分かりやすくメッセージ性のあるものも歌っていきたいですね。
取材：榑林史章
