めいちゃん「俺たちめいふぁみは、い
つか東京ドームに立ちましょう」 サ
プライズや堂々の決意表明も飛び出し
た初の武道館公演をレポート

めいちゃんワンマンライブ『幕明け』<昼公演>

2022.8.13 日本武道館
初の日本武道館公演はチケット即完売につき昼公演が追加され、それも完売。2年5か月ぶりにリリースしたアルバム『Humor』は、8月15日付オリコン週間アルバムランキングで2位を獲得。飛ぶ鳥を落として食べてしまうほどの勢いを見せるその人は、めいちゃんだ。
2022年8月13日に『幕明け』と題して開催された、昼夜2公演の日本武道館単独公演。ズバ抜けた歌唱力とお茶目なキャラクター、反則級なギャップで大観衆を惹きつけるさまは、とにもかくにも“最強”だった。ここでは、まさかのサプライズに堂々の決意表明も飛び出した昼公演の模様をお伝えする。
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
めいちゃんは“嵐を呼ぶ男”でもあるのか、台風8号が関東に接近しつつある中。賑やかな祭囃子が鳴り始めてドキドキが止まらないめいふぁみ(めいちゃんファンの呼称)の耳を一瞬で虜にしたのは、『Humor』の1曲目である「ラナ」の歌い出しだ。ステージを覆っていた赤い幕が左右にゆっくり割れると、ピアノ伴奏のみで美声を響かせるめいちゃんの姿が。この単独公演のキービジュアルそのままのいなせな和装といい、めいちゃんをぐるりと囲む円形の透過スクリーンに映し出される浮世絵風のイラストといい、『幕明け』の幕開け、だいぶインパクトがある。疾走感あふれるバンドサウンドが重なって透過スクリーンが上昇すると、ステージ中央の張り出し舞台へと駆けるめいちゃん。生で聴く「会いたかったよ!」という言葉、<僕ら最強だ>というフレーズにも胸が高鳴る。
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
「いこうぜ、武道館!」と呼びかけたのは「パンダヒーロー」。拡声器をマイクに、広いステージの端から端まで足を運んで、客席を指さしながら歌うめいちゃん。イメージカラーであるオレンジのペンライトが客席でよりいっそう大きく揺れて、壮観だ。
「日本武道館! 「ラナ」の最初は隠れてたからよかったけど、そうじゃなかったら泣くところだったよ。台風の中、たくさん来てくれて本当にありがとうございます! 武道館は、僕の大学の入学式が行われた思い出の場所。その場所で歌えるなんて、感慨深いです」
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
笑顔を見せ、「ここでバラードを聴いてください」と艶っぽいフェイクで導いたのは……なんと「トスリーマの祟り」。民族音楽的なリズムの上で<このイノティ・カラーダ><カッスィーの意味なんてそんなのティキトゥさ>とたたみかけ、<そんなことよりエビをくわせろ>とエビ愛を炸裂させて、それだけではすまずに混沌へといざない、クールなラップまでねじ込んでしまうナンバーだ。ジャングルの中にそびえるマヤの階段ピラミッド、踊るエビ。映像も謎すぎる。ゴーゴーダンスで歌いながら、「いいのか俺ここに立って」と思わず笑ってしまうめいちゃん。その姿に、こちらも笑いを禁じ得ない。
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
めいちゃんライブといえば、高所恐怖症なのにスカイダイビングをしたり、わざわざロシアまでプレゼントを買いに行ったり、パロディ映像でコミカルな演技を披露したりと、幕間映像も楽しみのひとつ。今回はオリンピアンのレスリング選手・浜口京子をトレーナーに迎え、武道館に相応しい男になるため心技体を磨くことに。さらには“霊長類最強女子”の異名を持つ吉田沙保里もコーチに加わり、今回も全力で身体を張っためいちゃんである。
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
モノトーンコーデにチェンジして、ファンキーな「絶望さん」ではしなやかな歌声で<おいで>と心の暗がりに手招き。絶望をさん付けして一緒に踊ってしまおうとは、めいちゃんらしい。
また、「Bouquet」の<あなた>へのありったけの愛と感謝を込めた歌声、ステージに舞い降りる花びらに見立てた紙吹雪は、本当に美しかった。それなのに、歌い終わって「最後紙吹雪が口に入っちゃったよ、ムードどうしてくれるんだよ!(笑)」と明かしてしまうめいちゃん。武道館だからといって力むことなく、いつも通りだ。
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
勢いよくタイトルコールしたものの、思わぬハプニングで曲が始まらなければ、「なんで始まらないの! これも台風の影響でしょうか(笑)」と機転を利かせたトークでつなぐあたりもさすが。
そして、<傍にいてくれて ありがとう><僕達ならまだまだやれるのだ><笑いかけてくれて ありがとう>と、客席を見渡しながら愛おしそうに歌った「今に見てろよ!」。めいちゃんとめいふぁみは、強く結ばれている。どうしたってグっときてしまうではないか。
それにしても、「ラナ」「トスリーマの祟り」「絶望さん」「今に見てろよ!」はじめ自ら作詞・作曲を手がけたナンバーを『Humor』に収め、コンポーザーとしても次々に新しい扉を開け才能を開花させているめいちゃん、恐るべしだ。オリジナル曲であれカバー曲であれ、高音から低音まで、繊細なファルセットやビブラート、大胆ながなりや巻き舌など巧みに操り、楽曲それぞれの世界観に染まっていく変幻自在ぶりも見事。その底力を思い知るめいちゃんのライブは病みつきになる。
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
めいちゃんのマスコットキャラクターである“めいたま”の登場でほっこりムードに包まれたアンコール。願いがうという「タマネギタマネギホーイホイ」という呪文をめいふぁみが唱え、天の声が「出でよ、おてんば魔法使い!」と呼ぶと……魔法使いのちゃめぷんが元気よく登場。「おジャ魔女カーニバル!!」をこんなにかわいく歌える男子、ほかにいるのか。途中、「出でよ、最強の魔法使いたちよ!」とちゃめぷんが召喚すると、ステージ下からポップアップで現れたのは浜口京子&吉田沙保里。キュートに振り切って歌って踊る3人の姿、目撃できためいふぁみは超絶ラッキーだ。
カジュアルコーデに着替えて、スタッフからプレゼントされた祝・初日本武道館ワンマンのケーキに満面の笑顔のめいちゃん。
「まさか日本武道館で歌えるなんて思ってもみなかったし、未だに実感が湧かないですけど……本当にありがとうございます。これまで僕は、敢えて目標を定めてこなかったんですね。なぜかというと、その目標を達成したら、そこで終わっちゃいそうな気がしたから。でも、ここから先は、目標と強い意志が必要だと思う。ここで宣言します。俺たちめいふぁみは、いつか東京ドームに立ちましょう。絶対にやってのけるので、よろしくお願いします!」
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』
力強く宣言して、最後に届けたのは銀&オレンジテープがステージ両脇から派手に放たれた「小悪魔だってかまわない!」。めいちゃんの歌声に<バッキューン>と撃ち抜かれる人は、これからも増え続けていく。歌が大好きで、かっこよくて、かわいくて、ユーモラスで、頼もしくて、めいふぁみを大事に想うめいちゃん。さらなる大舞台を目指すにあたり、上々の『幕明け』だった。
なお、9月11日にはこの日のライブ映像が配信されるとのこと。詳報をお楽しみに。
めいちゃんワンマンライブ『幕明け』

文=杉江優花
撮影=Sotaro Goto、Kohei Suzuki、岡田裕介、KEIKO TANABE

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