【岡咲美保 インタビュー】
希望をたくさん叶えていただいた
アルバムになった
せっかくのアルバムなので何かしら
つながりを感じさせる並びにしたかった
他に希望が叶った曲はどのへんでしょう?
バラードはすごくやりたかったので、8曲目の「Rainy Smiley」と11曲目の「フリージア」ですね。「フリージア」はレーベルの先輩でもあるsajiのヨシダタクミさんに“sajiさん節全開で書いてください!”ってお願いしたんですよ。なので、この曲が届いた時は“あぁ、バラードを歌えるんだ!”っていう喜びが大きかったですね。これまでのシングルからすると、この曲もあんまり想像できない歌い方をしているんじゃないかな?
かなりエモーショナルなロックバラードですが、ヴォーカルが作り込んでなくて、とても素っぽいとは感じました。
私の声ってシャープというよりはフラット的な響きなので、カラオケでも切ない曲を歌うと、昔から褒めてもらえることが多かったんです。なので、いつかみなさんに聴いてもらいたいと思っていました。この曲は大人になろうとしている女の子を主人公にしたリアルな恋愛曲なので、ずっとモノローグで語っているような歌い方をさせていただいたところはあります。フリージアという黄色いお花がタイトルになっているのは、もしかしたらヨシダさんが“岡咲美保”をイメージしてくださったのかなと思うと、すごく嬉しかったです。
岡咲さんのイメージカラーと言えば黄色ですからね。「Rainy Smiley」もアコースティック寄りでとても切なくて。
この曲、初めてデモを聴いた時に泣いてしまって…。曲を書いてくださった40mPさんはすごく好きなボカロPさんで、中でも切ない曲が特に好きなんですけど、歌詞や曲調のオーダーはまったくせずに自由に書いていただいたんです。そしたら、こんな理想どおりの曲が上がってきたので、なぜなのか気になって仕方なくて! レコーディングの日にご本人にうかがったら“MVとかを拝見したら笑顔が素敵だったから、笑顔が素敵な人はこういうところがあるのかなと思いました”とおっしゃられて、鳥肌が止まらなかったですね。
笑顔が素敵だからこそ、その裏には隠された涙があるはずだと。
そうだったみたいです。私自身、幸せな日々を送らせていただいていることに間違いはないのですが、《太陽みたいな花になりたい/だけど上手に笑えないそんな日もあるよ》という歌詞を見た時、“えっ、どこまで私を見透かしているんですか!?”って驚いて、本当に言葉が出なかったですね。それに私の気持ちだけじゃなく、聴いてくださるみなさんにもフィットする曲になるんじゃないかとも感じているんですよ。みんな、どこかに弱さって抱えているものだと思うので。でも、そんな自分を認めてあげるっていう、とても大切で大事にしていきたいメッセージを、この曲から教えていただけたように思います。
しかも、流れ的にボカロPの一二三さんによる応援歌「ワラウカドニハ!」と、ポジティブな「ハピネス」に挟まれているおかげで、その切ない曲世界の旨味が際立っている気がするんですよ。
続けて聴くとこの3曲は物語みたいになってるなって感じます。「ワラウカドニハ!」で夢を抱いて上京して、一歩踏み出してみたけれど、夢がリアルになったところで晴れの日だけじゃなかったというのが「Rainy Smiley」だとすれば、だけどやっぱり前を向きたいと歌ってるのが「ハピネス」で。一回谷があったからこそ、また登れるわけで、その谷の大事な深みを「Rainy Smiley」が出してくれているんですよ。「ハピネス」も単に明るいだけじゃなく、“10年後の自分からのお手紙”をイメージしている曲ですし、アルバムというひとつの作品なので何かしらつながりを感じさせるような並びにしたかったんです。
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