【DIALOGUE+ インタビュー】
曲調はすごくポップだけど、
切なくて切実な心情がある
ライヴ披露を想像すると
不安しかない
MVはダンスシーンあり、疑似デート風のシーンもありで観どころ満載ですね。
宮原
私は村上まなつの振り向いているシーンが好きです。デート中の1シーンですけど、このMVの村上は髪型とメイクにすごく“少女み”があって。あと、普通のカメラと…“8ミリ”って言うんですか? カラカラ回して撮るカメラでも撮っていて、完成を観たらデートシーンはちょっとレトロな雰囲気で、すごく味があっていいなと思いました。
鷹村
Dメロあたりで、ふたりがひと組になって寄り添っていたりするところがあって。私ときょん(守屋亨香の愛称)は背中合わせになって手をつないでいるんですけど、他のメンバーは振り返ったりうなずき合ったり、それぞれの関係性の違いが出ていて面白いし、可愛いな〜って。そこが結構お気に入りですね。
守屋
MVのダンスシーンの撮影でめちゃめちゃ面白かったのが、カメラマンさんが自転車に乗って踊っている私たちの周りをぐるぐる回っていたことですね。撮影中は“どういうふうに映っているんだろう?”と思っていたんですけど、完成したものを観たらいろんな角度から撮られていて、いつもは観られないようなアングルだったりして、ダンスシーンはすごくダイナミックな映像になっていて! 自転車の籠にカメラをセットして何周も回っていて、めちゃめちゃ大変そうでしたが(笑)。
振り付けのポイントは、やはり《デネブとスピカの平行線》のところですか?
鷹村
そうです! 私、ハッと気づいてダンスのカナミ先生に聞いたら“そうだよ”と言っていたので公式だと思うんですけど、《デネブとスピカ》の歌詞の部分のポーズはデネブの白鳥座とスピカの乙女座を表現しているんです。それに気づいた時、“うわっ、すごい!”と思って。
宮原
彼女はこう話していますけど、彼女以外の7人は全員知っていました。初期にそういう説明を受けていたのに、2カ月後くらいになって“私、気づいたんですけど!”と興奮気味に話していて(笑)。
鷹村
たぶん説明した時、私いなかったんだと思う(笑)。あと、自分たちの生まれ月の星座を表した振りもあるので、見つけてもらえたら嬉しいです。
ちなみに鷹村さんは何座ですか?
鷹村
私は水瓶座なので、記号だとギザギザなんです。だから、全身でギザギザを表現しています。
守屋
私は双子座なんですけど、記号は何なのか分らなくて。なんか棒みたいな…
宮原
双子座はローマ数字のIIみたいな記号だよ。
守屋
あー! そういう縦長を表現しているみたいです(笑)。
宮原
私は蠍座なんですが、都合でMVとライヴでポーズが違うんです。蠍座のMみたいな記号をやっているのがMVで、ライヴだと蠍の尻尾を表現しています。8人全員見事に星座が違うからこそ成立した振り付けですね。
カップリングの「シャーベットマーメイド」はクールでカッコ良い楽曲ですね。
守屋
私はこういったどちらかと言うと落ち着いた感じというかボソボソと歌うような、力を入れすぎずラフに歌う感じ曲を、アイドルさんの曲でよく聴いていて、自分も歌ってみたいと思っていたジャンルだったので、“私たちもついにこういう曲を歌えるんだ!”とすごく嬉しくなりました。ただ、いつもは溌剌と元気にライヴをやっているので、ライヴで歌う姿がまったく想像できなかったです。歌い方としては、みんな違った感じにチャレンジできたと思います。
サビは爽快だけど、ABメロはダウナーな感じになるんですよね。
守屋
はい。台詞っぽく歌うところもあったりします。
鷹村
新しいですね。DIALOGUE+で今まで歌ったことがないタイプの曲なので、すごく新鮮な気持ちです。レコーディングの時に田淵さんが言っていたのは、サビ以外の部分はほの暗い内面で、サビは仮面をつけて“私は表ではこうなの”って歌うみたいな感じだと。“ABメロではこう思っているけど、表向きはこうなのよ。スタスタ歩いていくわ!”みたいな感じで歌ってほしいと言われて。だから、サビ以外は本当にボソボソとして無感情で、抑揚もつけず。田淵さんからは“目も死んだ魚のように”ということだったので、マイクの編み目の奥をジ~ッと見つめるみたいな感じで歌いました(笑)。
宮原
私もこういう曲に憧れがあって、聴くのは好きだったんですけど、こういう曲って歌い手が少しでもミスると一気にダサくなってしまうじゃないですか。かと言って、曲に酔いすぎてもダサいし、すごく難しいポイントを突かないといけなくて。だから、私は“8人で歌えるのかな?”という不安のほうが大きかったです。でも、完成したものを聴くと8人バラバラの声質なんですが、テンション感がすごく揃えられていたし、“このメンバーってこういう歌い方や表現ができるんだ!?”という発見があって、メンバーの知らなかった歌い方も知ることができ、個人的には面白い曲になったなって。ただ、今後これをライヴで披露することを想像すると不安とプレッシャーしかないですけど(笑)。
振り付けがどういう感じになるのか想像つかないですね。
宮原
流れるような感じになりそうです。マーメイドをイメージしたかのような振り付けですね。ずっと漂っているような感じというか。
鷹村
タイトルが“シャーベットマーメイド”なので、溶けるような表現の振り付けもあります。この曲はシャーベットの溶けちゃう脆さを心に例えて表現していると思うんですよ。凍り付いている時と溶けた時の心の変化とか。
宮原
おとぎ話の人魚姫が泡になって消えることとも重ねている感じがしますね。
守屋
確かに! そういう儚い感じだよね。
『DIALOGUE+ LIVE 2022 puzzle』で聴くのが楽しみですね。
守屋
まだやるかどうかは何とも(笑)。企画を含まないワンマンライヴは久しぶりで、今年は3月にアイドルさんとのスリーマンライヴをやらせていただいたり、いろんなライヴを経験した上でのワンマンになるので、ここまでで得てきたものをしっかり活かせたらと思っています。ここ半年の成長を楽しみにしていてほしいです。
鷹村
4月から2カ月ごとにシングルをリリースして、その全部が今まで歌ったことのないスタイルを開拓した、DIALOGUE+にとっての新しい世界観を持った楽曲でした。いろんな顔が見えるというか、いろんなピースが生まれて…つまり、それを組み合わせたパズルが、このライヴになるんだと思います!
宮原
今回は大阪と東京の2カ所だけで、1カ月以上期間が空くんですね。両方観てもめちゃくちゃ違いがあって面白いと言ってもらえるライヴにしたいです!
取材:榑林史章