L→R Koto(Dr)、野田択也(Vo&Gu)、鮨朗(Gu)、松井友哉(Ba)

L→R Koto(Dr)、野田択也(Vo&Gu)、鮨朗(Gu)、松井友哉(Ba)

【peeto インタビュー】
メンバー全員が伝えたいメッセージを
しっかりと持てている

僕は友達が好きだから
バンドをやっている

続いて、「Remember me」は最近のpeetoっぽいと言える楽曲だと思います。こちらも仲間に向けた一曲になっていますが、テーマとしてはどんなことを掲げられたのでしょうか?

この曲の歌詞を書くにあたって、書きたいと思える出来事があったんですよ。昔にめっちゃお世話になった先輩と酒を飲む機会があって、先輩がボケをかました時に“そのボケ、5年前もしていたよな”と思い出す瞬間があったんです。その時、懐かしさだけでなく、先輩の性格や人柄が変わっていなかったことに嬉しさも感じて。それで、“仲間と過ごす時間を大切にしよう”と思えたことを書いたんです。

“僕を覚えていて”という意味のタイトルと歌詞には“僕と一緒にいて”という意味の《stay with me》が入っているので、聴いていて青春時代を感じられたのですが、それはその出来事があったからなのかもしれないですね。

確かに“Remember me”の意味はそうなんですけど、僕的な意味をつけるなら“俺がいるから大丈夫だよ”という想いをこの言葉に込めました。

この曲も演奏面がとてもシンプルですよね。

そうですね。Bメロ以外はほとんど同じ進行でできています。

シンプルなドラムと裏拍を意識したジャジーなベースラインが心地良くていいです。

たぶん僕たちはこのリズムが好きなんでしょうね(笑)。メンバーもこんな曲をやりたいと思っていたので、今回やっとかたちにできました。

ビートに意識を置いた曲もpeetoでは珍しい印象がありました。

最近は特にビートを重視した曲はなかったですね。

インストで聴くとクラブで流れていてもおかしくはない感じがして。

確かにそうですよね(笑)。

なので、サウンドアレンジにこだわりを感じたのですが、完成まではスムーズにいきましたか?

ギター以外はスムーズにいっていたんすけど、レコーディングの1週間前くらいに僕が作っていたフレーズが何か気に入らなくて、鮨朗に“全部変えてくれない?”とお願いしたんです(笑)。そして、スタジオで新しいフレーズを作っていきました。

鮨朗さんも大変だったでしょうね。

“えっ…”って言っていましたよ(笑)。思いきった判断ではあったんですけど、歌詞を乗せていく間にイメージが変わることはよくありますが、もとのギターフレーズだと夏感が少なかったんですよ。でも、僕が作っていたフレーズを鮨朗が弾いてくれていたから、変えるためには任せるしかなくて。そのおかげで夏を感じられるアレンジになりましたね。

確かに夕陽が沈むイメージが浮かんできます。この曲のサウンドの広がり具合はギターが肝だと思いましたし、バイオリンやキーボードなどを入れても良かったと思うんです。でも、あえて4人の音で作り上げたことがすごいですよ。

4人で演奏できる範囲でアレンジをすることにはこだわりましたね。ライヴで演奏する時のことを考えていたし、他に音を入れるとしても“アコギを入れたらいいかな?”と基本的に4人でできる楽器で話しをしながら作っていったんです。

作詞もスムーズに進みましたか?

そうですね。「STREET」は時間がかかりましたけど、「Remember me」はタイトルが決まってからはスラっと書けました。最近、作詞をする時にいろんなテーマを持って書いているんですよ。僕は友達が好きだからバンドをやっていて、出会うみんなと友達になりたくてバンドをやっているという気持ちの部分が大きいんだと気づいたんです。だからこそ、尖っていた頃の僕とは違って、やさしい気持ちを持って作詞ができています。リスナーのみんなへメッセージを届けるために、嫌なことや悩みなんかを書くとしてもやさしく消化して伝えたい。だから、思ったことをそのまま書くことはなく、ソッと届けてあげるみたいな。“こうしろ!”とかは言いたくないし、受け止め方はそれぞれでいいんだけど、伝え方は今のほうが言葉を噛み砕いて、リスナーが食べやすいというか消化しやすくしていますね。それに気づいてからは歌詞を書くのもスムーズになりました。

『Virgin』の時から野田さんの歌詞に変化が出ているとは思っていましたが、その考えに辿り着いたからなのですね。では、新しいことに挑戦した「STREET」と今のpeetoが楽しめる「Remember me」のリリースを経て、これからのpeetoについても教えてください。

僕個人だけでなく、バンドとしてもみんなに伝えたいメッセージを音楽に詰め込んでしっかりとアプローチしていきたいと思っています。メンバー全員がそのフェーズに移っているんです。リズムひとつでも明るいか明るくないかについて話し合うこともあるし、ギターのフレーズで感じる季節感、細かなことも大切にしていて。一曲ごとに登場人物の背景、季節、時間などもみんなで同じイメージを共有してから曲作りをするようになったから、目指している場所が一緒なんですよ。だから、メンバー全員が曲を通りして伝えたいメッセージをしっかりと持てていると思っています。

とてもいい変化だと思います。そして、9月からはリリース記念の東名阪企画ライヴ『THIS SUMMER WITH PEETO』がスタートします。直球なタイトルになっていますが、どんなライヴになりそうですか?

自分たちの企画ライヴって対バンとかの数十分とは違って、より自由にライヴができるからセットリストもメンバー全員のモチベーションも全然違うんです。それは対バンがどうとかではなく、自由だからこそ観せられるステージがあるし、いつも以上に楽しんでもらえる自信があります! ぜひ、足を運んでみてほしいですね。

取材:岩田知大

配信シングル「STREET」2022年7月6日配信 No Big Deal Records
    • ※詳細はオフィシャルHPをチェック
配信シングル「Remember me」2022年8月10日配信 No Big Deal Records
    • ※詳細はオフィシャルHPをチェック

ライヴ情報

『THIS SUMMER WITH PEETO』
9/16(金) 東京・下北沢MOSAiC
9/26(月) 愛知・新栄RAD SEVEN
9/27(日) 大阪・寺田町Fireloop
※全公演対バン有

peeto プロフィール

ピート:2017年に結成された千葉県柏発のカルチャーロックバンド。ブラックミュージックやシティポップ、R&Bなどさまざまなジャンルを織り交ぜた独自の音楽を発信している。20年に開催された『No Big Deal Records Audition 2020』でグランプリを獲得。21年7月に2ndアルバム『GAL』を発表し、23年8月には配信シングル「HaHa!!」をリリースし、9月に東阪にて自主企画イベントを開催。 https://peeto.jp/peeto オフィシャルHP

「STREET」MV

OKMusic編集部

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