カノエラナ

カノエラナ

【カノエラナ インタビュー】
“アニソンを歌いたいです!”という
自己紹介盤みたいなものにもなった

お腹が減った時に作ったので
猟奇的なものに仕上がった

どの曲も映像や物語が浮かびます。例えば「思春期中二話症候群」は中2病を拗らせている女性主人公の物語ですよね?

はい。私自身も中2病を拗らせていて、今も延長戦で現在進行形です(笑)。この曲ももととなっているアニメがあって、“この世界観、分かるわぁ”と思いながら作りました。“変な難しい漢字ばっかり机に落書きしていたなぁ”とか、スクールカーストをアニメを観ながら思い出しつつ、それを自分の中で置き換えながら作っていきました。

“中二話”を“なかにわ”と読んで“中庭”をモチーフとしているのも印象的です。中2病の疎外感と中庭って、なんとなくイメージが重なりますからね。《散々増えてった 絶望の中庭》って、すごく中2病っぽい描写だと思いました。

そういう言葉遊びがたくさん入った曲になりましたね。

劣等感と表裏一体の“自分は他とは違うんだ!”という選民意識が伝わってきますし、こういう感覚は何歳になってもあるんだと思います。

そうですね。私も未だに“異世界に行けないかな?”とか想像しますから。そういうものが私みたいな人に伝わったら面白いと思っています。黒歴史みたいな部分もいっぱい入っている曲なので、ぜひ聴きながら恥ずかしくなっていただきたい(笑)。

(笑)。チャイムっぽい要素を盛り込んでいるのも面白いです。

“明るいけど、ちょっと怖かったり古かったりする雰囲気もある”っていう学校のイメージを出したかったので、イントロはアレンジャーさんとじっくりやりとりをしながら作っていきました。

大人になってから気づいたんですけど、学校ってなかなか恐ろしい場所ですよね? だって、登校したら基本的には外に出てはいけないんですから。

集団行動を強制される場所ですからね。でも、大人になってから思うと、“それも良かったなぁ”って感じたりもします。

《キンコンカンコンと 遮断機は降り立って》は、学校に結界が張られて外に出られなくなるさまが生々しくイメージできます。

外界から隔絶されていますね(笑)。

(笑)。「ラブレターヤブレタ」は明るい雰囲気ですね。ラブコメが浮かびました。

完全にラブコメですね。“うわあ~!”ってなりながら書きました(笑)。私の曲は歌うのが難しいっていつも言われるので、これは難しくないように作りました。

“遅刻! 遅刻!”って言って食パンをくわえながら走って、カッコ良い男子とぶつかって転ぶ女の子が出てきそうです。

そんな感じですね。一通のラブレターから始まる事件、三角関係みたいなドキドキ感は経験したことがないので、アニメから引っ張ってきてこの曲を書きました。

主人公の女の子はなかなか自分の気持ちに正直になれないんでしょうね。

はい。強い娘だけど、気持ちは伝えられないっていう。

カノエさんの頭の中にはキャラクターの絵柄とかのイメージも明確にあるんじゃないですか?

ありますね。“~っぽい絵柄”みたいなことも含めて。

「グラトニック・ラヴ」も恋愛系だとは思いますが、「ラブレターヤブレタ」とはかなり路線が違いますね。もう少し大人な雰囲気で、ちょっと怖い感じもあるというか。

「グラトニック・ラヴ」はお腹が減った時に作ったので、猟奇的なものに仕上がりましたね。

MVがなかなか恐ろしかったです。

“お腹がすいた時に作った曲です”とお伝えしたら、あのMVになったので“マジか!”と(笑)。この曲は尖りまくっているから、リリースしたあとに“カノエさんって怖い人なんだ!?”っていう印象が強くなったみたいです。

《ねぇダーリンダーリン お隣の芝生が/そんなに青いなら 庭師にでもなってきやがれ》っていいですね。ぜひ、実生活で使いたいフレーズです。

もともとそういう感じのことを書きたかったんです。《つまらないものは詰まってないから要らないわ》とか、昔から私がなんとなくずっと思っていたことなので。

ジャジーなサウンドも気持ち良いです。

こういうのが一番好きな感じなんですよ。

ジャズではあるけど日本的というか、昭和な雰囲気もあるジャズテイストはカノエさんの十八番という印象があります。

私はもともとEGO-WRAPPIN'さんの「くちばしにチェリー」を歌ってこの世界に入ったというのがあるので、そういうテイストの曲は今後もご縁があればいいなと思っています。

「天高く響け 青嵐の様に」も日本的なジャズを感じる曲ですね。

「グラトニック・ラヴ」がアルバムに収録されることが決まっていたので、この曲の架け橋になるようなサウンドが欲しくて作りました。

何らかの運命で結びついているふたりの主要キャラクターが登場する物語が想像できます。

そうなんです。そして、完全にバチバチに戦っている感じです。“正義とは、本当に正義なのか?”って悪役にも感情移入できる作品をもとにしたので、頭の中で戦いをイメージしながら作っていきました。

カノエさんは巻き舌を絶妙なポイントで繰り出しますよね?この曲の《青嵐の様に》の巻き舌が素敵です。

めっちゃ巻き舌で歌っていますよね(笑)。巻き舌、楽しいんですよ。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着