ベリヲタ歴10年の塚本舞とBerryz工房
無期限活動休止の衝撃

 まことさんが「Berryz工房からご報告があります。」と言い、神妙な面持ちで清水佐紀ちゃんが一歩前に出た時の会場の空気、きっと忘れられない。いつもちょっと緊張が顔に出るキャプだけど、その顔は、これまでのそれとは明らかに違っていて。不穏な予感がふと浮かんだのもつかの間、先の発表がありました。

 目の前が真っ暗になり、世界が遠くぼんやりと感じた。これは悪い冗談で、どっきりで、きっと夢に違いない。何が現実で何が何なのかわからないまま、当たり前のように次の曲が始まって、客席はサイリウムを振って、目の前に広がる世界は全くリアルじゃかった。Berryz工房がいなくなる世界なんて、受け入れられなかった。

 アイドルって、人生において一番美しいキラメキの時間を、とっても大切な時間を、私たちに魅せてくれる、本当に奇跡みたいな存在なんです。とても儚いから、例えどんな未来が待っていても受け入れられるよう、悔いのないように愛して、覚悟もしていたつもりです。

 だけどBerryz工房は、10年というあまりにも長い時間、あまりにも美しい日々を、たくさんの幸せをくれたから、なんだかこの奇跡がずっとずっと続く気がしちゃってた。結婚したりお母さんになったり、お酒を飲んでくだ巻いたり、ちょっとおばさんっぽい愚痴なんか言っちゃったり(笑)そんなベリーズをこれからも見守っていけるような、ずっとそこにあるような、そんな気がしていたんです。

 ハロー!プロジェクトキッズオーディションで須藤茉麻ちゃんに一目惚れをし、Berryz工房が誕生し、Berryz工房の楽曲を聴き、Berryz工房を応援し、ベリーズと一緒に大人になってきた私にとって、Berryz工房は青春そのものなんです。

 ベリーズが本当に大好き。ベリーズの楽しい「和」が大好きで、ベリーズのふざける時とことんふざけるところが大好きで、ベリーズのバシッと決めるとき決めちゃうカッコ良さが大好きで。これからも大好きなみんながきゃっきゃしてるのを見てニヤニヤしたり、ヘアメイクに一喜一憂したり、新曲のMV見て何やかんや言ったり、そんな時間がこれからも続くんだって思っていたんです。


 だってベリのいない世界なんて、楽しくなさすぎる。


 でも、ももちは言いました。「『解散』という言葉にしてしまうと、(Berryz工房の)存在そのものがなくなってしまうんじゃないかって思いました。なくなってほしくないので、『解散』という言葉ではなく、『活動停止』という言葉を選ばせていただきました」

 まだまだ全然理解なんてできないし、想像もつかない。でも、Berryz工房は、青春は、大切なものは永遠にはなくなったりなんかしない。それだけは、真実で、今は本当にその言葉だけが唯一の救いです。だってBerryz工房が永遠にあるのなら、永遠にベリヲタでいられるでしょ。あの時かけられた魔法は一生解けないんだから。

 そう、きっと何も変わらない。私も、Berryz工房も。

 だから今日も私は言うのです、「ベリヲタでよかった」って。塚本 舞(つかもと・まい)
1990年9月6日生まれ。聖心女子大学文学部哲学科卒。#グラドル自画撮り部書記。
テレビ東京「ゴッドタン」、ハロショ秋葉原店にて行われたトークショー「ハロショ・デラックス」に出演、「HELLO! PROJECT COMPLETE SINGLE BOOK ~ハロー! プロジェクトの全シングルを完全掲載した決定版~ 」に寄稿するなど、ハロプロ研究家としても活動。ニコニコ生放送『塚本舞のアイなま!~アイドルのアイドルによるアイドルのためのニコ生。~』隔週放送中。
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