二宮和也主演映画『TANG タング
』の三木孝浩監督×劇団四季『ロボッ
ト・イン・ザ・ガーデン』の演出 小
山ゆうなが特別対談

イギリスのデボラ・インストールによる小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を原作とした、二宮和也主演の映画『TANGタング』が2022年8月11日(木・祝)に公開される。ゲーム三昧で妻に家を追い出されたダメ男・春日井健(二宮和也)が、記憶をなくした迷子のロボット・タングと出会い、壮大な冒険を繰り広げる中で、人生の宝物を見つけていくというストーリーだ。
今回、SPICEでは映画『TANG タング』の三木孝浩監督と、2020年10月に開幕した劇団四季のミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を演出した小山ゆうなによる特別対談を取材。原作は同じでありながら、映画と演劇の表現の違いや創作の過程での工夫を語ってもらった。また、実は大学の同じ演劇サークル出身という共通点を持つ2人。互いの印象やこれからのクリエイターとしての夢なども聞いた。
同じ小説を原作とした映画と舞台。創作の工夫や苦労とは?
――三木監督は劇団四季の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』をご覧になったそうですが、感想を教えていただけますか。
三木孝浩(以下、三木):すごく素敵な舞台でした。気持ちを歌にしたり、外国人の設定であってもそのまま日本人が演じたり、ミュージカルはいろいろなことをデフォルメするメディアだと思っているのですが、僕も今回『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を映画化する上で、寓話的というか、少しデフォルメされた世界観を表現したかったんですよね。デフォルメの仕方を参考にしたいなと思って、観ていました。
特に面白かったのは、タングの動かし方。「こういう動きをしたら観客は笑うんだ」ということが分かって、タングの首が伸びるシーンは映画の中でも参考にさせてもらいました。舞台版では2人の演者がタングを動かしますが、そこに意外と意味があると思います。1人が動かしてしまうと、その1人の感情が乗っかりすぎてしまうけれど、2人だからこそ、そのどちらでもないタングというキャラクターが浮き立つ。動かしている2人のことを意識せずに見られる。そこが舞台版の面白さだなと思いました。
劇団四季オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(撮影=阿部章仁)
――小山さんもいち早く映画『TANG タング』をご覧になったそうですが、いかがですか。
小山ゆうな(以下、小山):私、三木さんの『僕等がいた』(2012)が大好きで、何回も見ているんです。三木さんが映画を撮っていると知ってから、割と追いかけて見ていたので、そういう楽しみがまずあって。それから私たちのサークルの同期である、小手伸也君も『TANGタング』に出ていて……。
三木:そうそう、小手君も同期なんですよ(笑)。
小山:新人公演を一緒にやったんです。それに『TANG』という題字を担当している映像作家さんも、私も舞台で映像を一緒にやっている方なんですけど、同じサークルの人。いろいろなことでドキドキしました。
三木:なかなか普通の気持ちで見られないよね(笑)。
小山:いろいろ嬉しすぎる!と思いながら見始めて、だんだん引き込まれていきました。同じ原作なのに、違う作品でしたね。特にタングの表現は映像ならではだと思いました。舞台版の演出をした際も、例えば目を光らせることができないかなと検討したことがあるんです。でも舞台上だと光っていることがいまいち分からないし、光らせるためにパペットが重くなってしまうんですよね。パペットを重くするに値する効果があるのかなど、いろいろ議論になったんですが、映画ではそういう事もすごく効果的に実現できていて映像の良さを感じました。
映画版では設定を日本に置き換えていましたが、そこでの発見もあって。日本に置き換えてもできるんだ、すごいなと思いながら観ていました。
映画『TANG タング』

映画『TANG タング』

>(NEXT)舞台と映画、それぞれのタング
――それぞれ原作をお読みになったときの印象などを教えてください。
小山:ロボットが出てくるものの、夫婦の関係がリアルに描かれているなと思いました。ミュージカルにするときには、日本人には分かりづらいと思い、そこまで生かしていないこともあるんですけど、イギリス人独特のユーモアがある。そもそも『ロボット・イン・ザ・ガーデン』って、ロボットがイギリス特有のガーデンにいること自体がユーモアですしね。
(原作者の)デボラさんに子どもが生まれて、ご自身の子育ての経験の中から生み出された作品ということも影響していると思うんですけど、そのリアリティと、ロボットというものを使っている遊び心のバランスが絶妙で面白い作品だなと思いました。
三木:デボラさん自身、日本がお好きな方なんですよね。ロボットのキャラクターと主人公との友情みたいなものは、特に日本人的に違和感なく受け入れられました。鉄腕アトムだったり、ドラえもんだったり、日本人ならではのシンパシーを感じて。海外の原作ということで構えていたんですけど、スッと入れた部分ではありますね。
そして僕も小山さんと同じように思ったのは、ロボットがメインキャラクターとしているけど、タングはある種の狂言回しの役回りで、結局はベンの成長物語。いろいろなところを旅するけど、描く世界はすごく狭くて、身近な人と人との関係性の話に終着するところが素敵だなと思いました。
劇団四季オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』
――それぞれ舞台化、映像化をするにあたって苦労したところや工夫した点を教えてください。
小山:演劇ってみんなで作るもので、行き詰まっても誰かが解決してくれることがある。そういった意味での苦労はなかったですけど……ミュージカルだから歌うじゃないですか。ミュージカルの歌って、基本的に自分の隠された気持ちを吐露するときに歌うわけですが、タングにはそんなに隠されているものはなくて、歌うのか?歌うとしたらいつなんだ?という議論は最初の頃からしていました。
結果、あんまりタング自身は歌っていなくて、周りの人たちが歌うんですけどね。基本的にタングとベンの物語だけれど、そこをどうミュージカルとして成立させていくのか。それは稽古の段階から試行錯誤しましたね。
――やはりタングに歌わせるのは難しかったのですか。
 
小山:そんなに歌う理由がないですから。でもタングが歌うと、お客様もドキっとするはず。歌うとしたら、それはどこのタイミングなんだろう……と、結構時間をかけて決めていったかなと思います。
――映画化にあたってはどうですか。
三木:タング自体は3DCGなので撮影現場にはいないんですね。だから役者もカメラマンも、そこにいるであろうタングをみんなで想像しながら撮っていく。一応声は事前録音したものを出すんですけど、タングがどういう動きや表情をするのか、いないタングに対してどうお芝居していくのか。足並みを揃えていくのがすごく大変でした。普段はあまりしないんですが、今回はアニメのように、全カット絵コンテを描きました。
小山:特に二宮さんの演技、すごいなと思いました。実際には撮影現場にはいないんですね?
三木:そう、いないところに向かって演技をしてもらっていました。
>(NEXT)タングは「何もできないから愛おしい」
タングは「何もできないから愛おしい」
映画版のタング(左)と舞台版のタング
――映画版と舞台版それぞれビジュアルから異なるタングが生まれましたが、工夫したポイントなどを教えて下さい。
三木:タングの大きさに悩みましたね。舞台版を見た時、客席ではちょうどいいサイズ感だったのですが、実際に近寄ってみると、リアルは結構デカいですよね。舞台版ではタングのサイズはどうやって決めたんですか?
小山:デザイナーさんがいくつかパターンを出してくれて、小道具さんがそれを簡単に切り抜いたものを作ってくれたので、実際の劇場で人と並べるという検証を何回かやりましたね。程よいサイズ感はどれぐらいなのか、そして実際どこまで見えるのか。目の動きがキャッチできるのかまで検証しました。
三木:なるほど、映画だとそこはクローズアップできるけども。
小山:映画のタングは、もっとずっと小さいですよね。
――目の表現や色など、雰囲気の違うタングが出来上がりましたよね。
三木:タングの感情をどこまで見せるのかも悩みました。こういうキャラクターって、能の面というか、観客が想像する楽しみもあるなと思って。人ならざるものなので、観客が「どう思っているんだろう?」とか「何をするんだろう?」とか想像する方が楽しいなと思っていたので、あんまり感情を出しすぎても……でも出さなさすぎても可愛くないし。だから、特に目の色の変化など、タングの感情が動いたときに、何がどう動くのかみたいな設定はすごく苦労しましたね。
小山:分かります。いろいろなアイディアがあったんですが、何をどこまで動かすかという調整は必須でしたね。
――映画版のとてとて歩く感じ、とても可愛かったです。
三木:そうですね。ふたりで並んで歩くシーンでも、どれぐらいのスピードで歩くのか考えました。最終的にタングの身長や歩き方のたどたどしさは、6、7歳ぐらいの男の子をイメージしました。
小山:舞台版では3歳か4歳ぐらい。大きさはその年齢の子どもよりも大きいんですけど、イメージとしては。
>(NEXT)それぞれにインスピレーションをうけたところは?
――先ほど首が伸びる部分は舞台版からインスピレーションを受けた旨をお話しされていましたが、そのほか映画に生かしたいと思ったところはありますか。
三木:舞台版を観て好きだったのは、東京のシーン。日本を舞台にしているんだけど、海外の人が見た東京というか、ちょっとオリエンタルでデフォルメされた世界観がすごくいいなと思いました。映画では、日本を舞台に置き換えて、日本人キャストでやるんですけど、リアルな日本のドメスティックな空気感でやるのではなくて、逆にちょっとアメリカンでレトロなアンティーク感があって、それでいて近い未来の話……という世界観をうまくデフォルメして表現したくて。なので、デフォルメの仕方は、結構参考にさせてもらいました。
――反対に、映画のここは面白いなと思ったポイントや、この先ミュージカルをブラッシュアップさせていくにあたってインスピレーション受けたところはありましたか?
小山:映像でしかできないことにすごいなと思ったことが大きいですね。舞台では生かせないんだけど、私がすごく好きだったのはタングがコーヒーを買ってくれるシーン。あれは映像でしか表現できないんじゃないかな。あのシーンは一番最初に二人の関係がよく分かるシーンだし、いいシーンでしたね。
三木:ありがとうございます!
小山:それから、最後のボリンジャーのところも映画ならではで、すごくドキドキしたし、面白かったですね。あとは、小手くんの役がとても魅力的でした。原作とかなり変わっていた部分の一つですよね。
――改めてタングというキャラクターのどこに魅力を感じますか?
三木:何もできないところですかね(笑)。何もできないから、すごく愛おしいんです。いろいろ助ける道具を出してくれるわけじゃないし、ただそばにいてくれるだけ。それこそペットの犬や猫に話かけていると、なんとなく自分と対話しているような感じになるじゃないですか。それと似ていて、タングを見つめることが自分を見つめることにつながる気がします。
小山:舞台版のタングはゆっくりしたことしかできないし、できることも少ない。人間なら一瞬なのに、舞台上をはけるのも時間かかるんですよ(笑)。だから、最初はどうしよう!と思いました。お客さんはこの時間を待たないといけないのか、と。でも、いや、待てよ、その価値観があっているのかな、このゆっくりというところにあわせてみたときに何が見えるのかなと考え始めたんです。
タングが最後に「ようこそ。この世界へ。」というんですね。旅をしてきて「この世界ってめちゃめちゃ素敵なんだよ!」ということを伝えてくれる。それに私は毎回感動するんです。生きていると嫌な事も沢山あって、なかなか、世界のささやかな素晴らしさや美しさに目が行かなくなるけれど、タングは真っ直ぐにその事を教えてくれる。タングには、原作でも映画でも、すごくシンプルなことに立ち返らせてくれる力があると思います。
劇団四季オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(撮影=阿部章仁)
>(NEXT)作品を魅力的にした、二宮和也の演技力と劇団四季の底力
作品を魅力的にした、二宮和也の演技力と劇団四季の底力
――映画版では、設定を日本に置き換えたということで、健の職業などいろいろ違いがありましたよね。なぜ変えたのでしょう。理由を教えてください。
三木:イギリスの夫婦観を日本に置き換えると、ウェットになりすぎる感じがしたので、日本人の観客が見ても違和感ないように、健と絵美の関係性はすごく意識したかもしれないですね。
また、原作でもいろいろな場所を旅しますけど、その場所の中で何かを得ていくというよりは、タングとの関係がどう変化していくかというところにフォーカスを当てていたので、場所選びもそんなに苦労はしなかったです。日本でやるなら、どこを旅したらお客さんがその場所場所の変化にワクワクできるかなというのを考えながら選びました。
『TANG タング』ポスタービジュアル
――健の職業については。
三木:映画では特に、傷ついて前に進めなくなった人間が、タングと出会うことで、自分を見つめ直すきっかけを与えてもらって、それで一歩進むことを物語の核にしたいなと思ったんです。なので、彼のバックボーンというか、何を彼が問題視していて、何を乗り越えたいかと思っているかということをより強化するために、そういう設定にしてみました。
小山:お父さんとのシーンの関わり方が直接的になっていましたよね。
――それぞれ映画の見どころ、舞台の見どころ教えていただきますか。
三木:自分の作品で言うと、いろいろな場所場所で変な人が出てくるんですけど、それぞれのキャラクターたちにクセがあって。一番は健とタングのやりとりなんですけど、サブキャラたちがとても彩り豊かなので、そこをぜひ見ていただきたいなと思います。
小山:舞台は限られた人数でやっているので、一人の俳優がいろいろなことをやっているという点が楽しいかな。どこを見るかはお客様の自由なので、そこを楽しんでいただけたらなぁと思います。
映画『TANG タング』
映画『TANG タング』
――キャスティングをする際に大切にされたことはありますか。
三木:こういうファンタジーだからこそ、演技力が問われるんじゃないかなと思っていました。特に健と絵美の2人は、CGキャラクター相手にお芝居をしなくてはいけない。普通の映画だったら、相手のお芝居を受けて、キャッチボールをすることで、お芝居ができるわけですけど、今回はそれができない作品。芝居の技量が問われるので、キャストに負荷がかかると思ったんですけど……最初に二宮くんにこの話を持って行った時に、印象的だったことがあります。
彼は、タングは実際にはいないけど、いないことで、映し鏡のように、タングに自分を反射させて、自分のお芝居を見つめ直すきっかけになるのではないかな。それが今回のチャレンジであり、僕が面白いと思っているところだ、というようなことを言っていて。ああ、そういう意識でいてもらえるなら、この物語は健が自分を見つめ直す物語になっていくので、マインドがシンクロするなと。二宮さんにお願いしてよかったなと思いましたね。
小山:劇団四季の方たちは、歌やダンスはお出来になるので、その上で、外から来た私は、台本を担当した長田育恵さんとも話して、その俳優さんの人生がお芝居を通して透けて見えてくる方がいいなと思っていたんです。
例えば、ベンをやってくださった田邊真也さんは、オーディションも素晴らしかったんですけど、ご自身の順番を待っている時に、紙で作られた仮のタングを他の方が動かしている様子をニコニコしながら見ていらっしゃった。その姿が温かくて、美しくてチャーミングで、「この人ベンだ!」と思ったんです。タングとどういう風に関わってくれるかというのはすごく気にしましたね。
劇団四季オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(撮影=阿部章仁)
――撮影のエピソードを伺いたいです。二宮さんとのやりとりのなかで印象的だったことは?
三木:タングがいない現場で撮影しなくてはいけないので、悩むかなと思ったら、割とスッと悩まずにやっていました。二宮くんが一番タングと近いところにいるので、二宮くんがお芝居しているところをみて、周りも「こういうことなのね」と理解していく感じがあって。ある種、座長感がありました。言葉でなくて、この映画の世界の空気を示していくという感じがすごく素敵でした。背中で語るタイプでしたね。
――劇団四季とクリエイションをしてきた小山さん。その過程で感じた劇団四季の底力や印象的だったことは?
小山:日本の演劇界は、純粋に作品を作ること以外に考えないといけない事が多いこともよくあるのですが、劇団四季はすごく特殊で、本当に作品至上主義を貫いていらっしゃるんです。俳優さんたちもその思いでいるから、クリエイション自体がとても丁寧。作品をどういう風にしたら魅力的に立ち上げられるかということにみんなが向かっているんです。それがとても印象的で、劇団四季のすごいところだなと思いました。
――脚本の長田さんとはどのようなやりとりを重ねたのでしょう。作品を作る上で大切にしようと思ったことは。
小山:長田さんの中にはすごく明確なビジョンがあって、オーディションをしてからも、この人が演じるからこういう風にしようというアイディアがかなり脚本の中に盛り込まれていますね。稽古もこまめに見にきてくださって、本当に細かいセリフの修正も重ねました。作品を作る上で、大切にすることは、ベンとタングなど、人と人との関係性をどう見せていくか。そこに尽きると思います。
>(NEXT)実は、早稲田大の演劇サークル同期という縁も……
実は、早稲田大の演劇サークル同期という縁も……
――さて、お二人は大学のサークルで同期だったそうですね。当時のことを伺っても良いですか。
三木:25年前の話だからね。だいぶ記憶が……(笑)。
小山:私もそんなに記憶が……(笑)。三木さんはもともと映画の人だったじゃない。なぜ演劇のサークルに?
三木:そう、最初は映画サークルに入っていて、自分の映画に出てくれるキャストを探すため、そして自分の経験値をあげるために、演劇に片足突っ込んだみたいなところがあるんですけど、入ったら演劇がすごく楽しくて!自分で作・演出をしたり、役者をやったりしたこともあるんですけど、それが結果生きてきたなと思います。つながりもできたので、ありがたかったね。
小山:私も早稲田の映像のサークルにもちょっといたんですけど、タルコフスキーについて語れないとダメとか、分かりやすいものが好きなだけではやっていけない緊張感の中にいた(笑)。でも三木さんは意外とそうではなくて、「難解なものを好き」と言わなくても話せた。映画の方なのに安心感がありましたね。
――映画と演劇というそれぞれの畑で一線で活躍されているわけですが、お互いをどう見ているのですか?
三木:同志ですよね。それこそ小手くんもそうだし、映像美術をやってもらっているスタッフさんもそうですが、同じ出自の人たちがなんとなく近いところにいて、活躍しているのは嬉しいです。そういう意味では「自分も負けないように」と、ライバル心ではないですけど、発奮する材料になりますよね。
小山:うん、嬉しいですよね。ときどき活躍しているのを見て、「すごく面白かったよ」と言い合うぐらいの関係なんですけど、困ったときは助け合うし、みんなで頑張ろうねという感じですね。
>(NEXT)ぜひ映画→舞台をはしごして、見比べて
ぜひ映画→舞台をはしごして、見比べて
――これからのクリエイターとしての夢や希望を教えてください。
三木:いつも日本を舞台にした日本人たちの物語を作ってきました。今回もそういう設定ではあるんですけど、原作が海外の小説ということもあって、自分が昔見た海外映画のオマージュを盛り込めたんですね。自分が映画に対して抱いていた憧れや、非日常的空間に入りたいと思って映画館に通っていたことを、映画をつくりながら思い出させてくれることが多かった。なので、もちろん自分が住んでいる日本を舞台にした作品もいっぱい作りたいんですが、海外の役者さんと海外を舞台にした映画にもチャレンジしたいです。自分がかつてみた映画のように、ワクワクする映画が撮れるんじゃないかなと思っています。
小山:目の前の作品に全力で取り組んでいるので、なぜ演劇をやろうと思ったか、という原点をしょっちゅう見失いそうになってしまうのですが、そこをより大切に作品を作っていければなと思います。
三木:え、なぜ演劇をやろうと思ったんですか。
小山:人と人との関係の間にあるものを想像できて楽しいから。映画もそうなんだけど、それを誰にも邪魔されずに、それを感じられる時間だから。すごくシンプルなことだと思うんだけどね、仕事としてやるとなると、やらなくてはいけないことも増えていくから……その原点をちゃんとお客様に渡せているかなと振り返っていきたいと思います。
――最後に、映画はこれから公開になりますし、舞台はまだまだ全国ツアーが続きます。ファンの皆様や観客の皆様に一言お願いします!
三木:原作も大好きなんですけど、大人も楽しめる……むしろ大人のための寓話なので、ぜひ!もちろんロボットが出てくるデフォルメされた世界観ではあるんですけど、大人の皆さんにも見て欲しい作品です。
小山:せっかく夏に映画も公開されるから、舞台と見比べてもらったりして。
三木:昼は映画、夜は舞台ではしごできるね!(笑)
小山:そういう楽しみ方も楽しいんじゃないかなと思います!
取材・文=五月女菜穂

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