【この2.5次元がすごい】バトル、歌
、ダンス…見どころしかない舞台「呪
術廻戦」

(c) 芥見下々/集英社(c) 芥見下々/集英社・舞台「呪術廻戦」製作委員会 舞台化が発表された時から大きな話題を集めていたのが舞台「呪術廻戦」。芥見下々氏による漫画「呪術廻戦」は、テレビアニメ第2期の放送が2023年に決定している大人気作品です。舞台化決定の発表から楽しみにしていた人も多いと思いますが、私もそのひとり。呪術を用いて、呪霊を祓う呪術師たちはどのように描かれているのでしょうか。
キャラクターの魅力を引き出す舞台ならではの楽しみ
 主人公の虎杖悠仁は明るく優しい性格で、自分の弱さを受け入れ周囲の人のために戦える高校生です。そんなまさに主人公! というキャラクターを演じるのは佐藤流司さん。人並みはずれた身体能力をもつ虎杖を演じるために体力作りをしっかりして臨みたい、と製作発表で話していた通りパワフルに演じてくれます。まっすぐに人や命の価値に向き合う虎杖の姿も印象的で、佐藤さんの表情で物語の空気が変わる瞬間が何度もありました。
(c) 芥見下々/集英社(c) 芥見下々/集英社・舞台「呪術廻戦」製作委員会 そしてキャラクターとしても人気が高く、物語でもキーになるのが最強の呪術師であり虎杖を呪術高専へと導いた教師でもある五条悟。三浦涼介さんが演じる五条は動けば動くほど五条悟という感じで、目が離せません。漫画のような抜群のスタイルで、立ち姿だけでもスタイリッシュなのに、ギャグシーンでは頭身が変わったかのようなキュートさも見せてくれました。いくつもの表情を持つのが魅力のひとつ。ふざけていたかと思うと、生徒や自分の夢のために感情的に声を荒げる場面もあり、掴み所がなさそうですごく人間的な様子が舞台でうまく表現されていました。
 舞台「呪術廻戦」では「これだけの歌える人が揃っているのだから」と製作発表で演出の小林顕作さんが話していた通り、歌やダンスの要素も散りばめられています。太田基裕さんが演じる真人をはじめとした呪霊たちは、その妖しい企みをキャッチーなキーワードで歌い上げていました。真人の妖しさと、たまに見せる子どものような仕草も見どころです。太田さんは真人との共通点を聞かれたときに「似ているところがあったら危ない」と笑っていましたが、太田さんだからこその真人ではないでしょうか。
 舞台の良さには、原作のキャラクターの魅力を舞台ならではの方法で引き出せるという点があると思います。今作ではどのキャラクターもそこがうまく描かれていたように感じました。
映像と人力、どちらも活用することで描ける「呪術廻戦」の世界
(c) 芥見下々/集英社(c) 芥見下々/集英社・舞台「呪術廻戦」製作委員会 今作では、映像や光の演出はもちろんのこと、舞台らしいデフォルメされた小道具や人力でのアクションも多く演出に取りいれられています。呪霊とのバトルシーンでは、呪術を活用しての攻撃にはプロジェクションマッピングが効果的に使われていましたが、真人が七海を追い詰めるシーンなどでは人が重なり合うような演出もありました。デジタルとアナログの両方があるからこそ、かっこいいだけでなく人間味のある「呪術廻戦」の世界が成立しているのでしょう。
 五条の劇場全体に領域展開をするような戦い方も、真人に向き合う虎杖と七海健人の激しいバトルシーンもどちらも圧巻。特に、七海が鉈を使う様子はアクションに定評のある和田雅成さんだからこその迫力あるシーンでした。
 優しく純粋な虎杖が、強い覚悟を持って自分の宿命に向き合っている「呪術廻戦」。ラストも虎杖の強い視線に心を動かされ、大満足の作品でした。楽しいだけでなく、強い気持ちにさせてくれる舞台「呪術廻戦」は7月31日まで東京・天王洲 銀河劇場で、その後は大阪に場所を移しメルパルクホール大阪に帳を降ろします。

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