新国立劇場、壮麗・洒脱なバロック・
オペラの華『ジュリオ・チェーザレ』
を上演

2022年10月2日(日)~10月10日(月・祝)新国立劇場オペラパレス にて、2022/2023シーズンオペラ『ジュリオ・チェーザレ』が上演される。
新国立劇場のバロック・オペラシリーズ第1弾として企画され、2020年3月にリハーサルが無念の中断、公演中止となった『ジュリオ・チェーザレ』(ジュリアス・シーザー)が、2年半の時を経て、ついにオペラパレスへ登場する。
『ジュリオ・チェーザレ』パリ・オペラ座公演より  Photo: Agathe Poupeney
凝った仕掛けを多用し、歌手が次々技巧を披露する一大エンターテインメントとして隆盛を極めたバロック・オペラ、その中でも大作曲家ヘンデルの最高傑作にして絢爛たる歴史スペクタクルと称されるのが本作で、今回はロラン・ペリー演出版で上演する。2011年パリ・オペラ座ガルニエで初演されたペリー版は、現代のエジプトの博物館のバックヤードを舞台に設定、巨大な彫像や絵画が次々に現れるユーモアいっぱいの演出。装飾に満ちたバロック的価値観と壮大な歴史劇という作品背景を逆手に取った、大胆かつ秀逸な演出で、21世紀の“バロック祭り”を楽しむことができる。
『ジュリオ・チェーザレ』パリ・オペラ座公演より  Photo: Agathe Poupeney
物語は、古代ローマのジュリアス・シーザーと古代エジプトの美貌の女王クレオパトラの有名な史実を描いている。野心家でリーダーシップに溢れる一方で情にも色香にも弱いチェーザレ(シーザー)、聡明で勝気、体を張って政局を乗り切りながら一途な恋心も見せるクレオパトラ、クレオパトラと一進一退の争いを続ける策略家の弟トロメーオ(プトレマイオス)、それにトロメーオの側近の剛勇アキッラ(アキレス)といった歴史上の有名人が次々登場する。
『ジュリオ・チェーザレ』出演者
チェーザレにはバロックで特に評価されるノルウェーのメゾ、マリアンネ・ベアーテ・キーランド、クレオパトラにはメトロポリタン歌劇場をはじめ世界の歌劇場で活躍する日本人ソプラノ、森谷真理が出演。トロメーオを歌うのは、カウンターテナーとして世界的に活躍する、藤木大地。ストーリーの鍵を握るポンペーオの妻コルネーリアとその息子セストには加納悦子、金子美香と日本を代表するメゾ二人の豪華コンビ。剛勇アキッラ役は『夜鳴きうぐいす』『イオランタ』で好評を博したバリトン、ヴィタリ・ユシュマノフ。クレオパトラの小姓ニレーノを演じるカウンターテナーの村松稔之は新国立劇場に初登場。
指揮:リナルド・アレッサンドリーニ
また、指揮にはバロック音楽の世界的第一人者であるリナルド・アレッサンドリーニが務める。
<ものがたり>
【第1幕】
ローマの将軍チェーザレは、政敵ポンペーオを追ってエジプトへ来る。エジプトの将軍アキッラがトロメーオ王からと言い、ポンペーオの首を差し出す。悲嘆にくれるポンペーオの妻コルネーリア。息子セストは復讐を誓い、チェーザレも暴挙に憤る。その頃クレオパトラは弟トロメーオから王座を奪うべく、チェーザレへの接近を図っていた。アキッラはトロメーオにチェーザレ暗殺を唆し、報酬にコルネーリアを要求する。クレオパトラが侍女リディアと身を偽ってチェーザレを訪れると、彼はまんまと魅了され、クレオパトラは狂喜する。トロメーオは宴にチェーザレを招く。そこへ忍び込んだコルネーリアとセストは捕えられる。
【第2幕】
クレオパトラのもとを従者ニレーノの手引きでチェーザレが訪れる。アキッラはコルネーリアに愛を迫るが拒否される。トロメーオもコルネーリアを口説くが拒絶される。コルネーリアは誇り高く自害しようとするが、ニレーノに導かれたセストが現れ、命を取り留める。クレオパトラとチェーザレが愛を交わしているとトロメーオのチェーザレ暗殺の動きが知らされ、チェーザレは出陣する。
【第3幕】
アキッラはクレオパトラへ寝返る決心をする。クレオパトラはトロメーオに捕らえられ、絶望している。追い詰められ海へ飛び込んだチェーザレが生還。瀕死の傷を負ったアキッラは、自らがポンペーオ殺害を唆し、コルネーリアを得るべくチェーザレ暗殺を諮ったことをセストに告白する。死を覚悟したクレオパトラの前へチェーザレが現れ助け出す。なおもコルネーリアに言い寄るトロメーオの前にセストが現れ、ついに復讐を果たす。クレオパトラとチェーザレ、コルネーリア、セストを人々が讃え、幕となる。

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