2022年7月3日 at飛行船シアター

2022年7月3日 at飛行船シアター

【Lyrical Lily 舞台レポート】
『舞台 Lyrical Lily
「千リ!の道も一歩から」』
2022年7月3日 at 飛行船シアター

2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
2022年7月3日 at飛行船シアター
 Lyrical Lily(以下:リリリリ)が6月28日から東京・飛行船シアターにてスタートさせた『舞台 Lyrical Lily「千リ!の道も一歩から」』は千秋楽公演を7月3日に開催した。

 DJをテーマに、アニメ・ゲーム・声優によるライヴなどを展開するブシロードのメディアミックスプロジェクト『D4DJ』。同作に登場するお嬢様ユニットとして、反田葉月(桜田美夢役)、 進藤あまね(春日春奈役)、 深川瑠華(白鳥胡桃役)、 渡瀬結月(竹下みいこ役)の4名で構成されるのが、本舞台で主演を務めたリリリリである。

 まずは、あらすじを紹介しよう。本舞台で描かれるのはユニット結成後、みいこの父親のサポートにより、“音楽のオリンピック”として名高い国際音楽祭『IMF』に彼女たちが招待にて出演するまでの道のりだ。そのステージに立った者は一流ミュージシャンの称号が得られるとまで謳われる大舞台だからこそ、美夢と春奈は“リリリリの音楽が世界で受け入れられるのか?”“私たちの歌、私の歌でいいのか?”といった悩みを抱えてしまう。一時は、出演辞退すら頭を過ったほどだ。

 そこで手助けをするのが、加藤里保菜(青柳 椿役/燐舞曲)、葉月ひまり(日高さおり役/Merm4id)、根岸愛(松山ダリア役/Merm4id)、岩田陽葵(花巻乙和役/Photon Maiden)といった、他ユニットの先輩メンバーである。彼女たちの協力で徐々に自信や気合を育み、同時に音楽を楽しむ想いを周囲に伝播させていくリリリリ。このあたり、『D4DJ』の根幹にある、DJでの曲と曲のように音楽をもって人と人とを“つなぐ”というメッセージや、作品内における後輩ユニットのポジションがうまく反映されていたように思う。

 とは言え『D4DJ』史上初の舞台にもかかわらず、リリリリには舞台未経験のメンバーもいただけに、本企画は青天の霹靂だったとのこと。そんなキャスト陣の戸惑いをはじめ、未知のフィールドに飛び込み、そこで出会った緊張感すら次第に楽しんでしまえるようになる過程さえ、キャラクターらが織りなすストーリーへの当て書きのようにも感じられた。

 彼女たちの演技について触れる前に、本公演で特に印象的だったのが舞台セットである。これといった大道具を設置するわけでもなく、中央に置かれたDJデッキだけが一般的な舞台と比べて物珍しげに映ったホワイトを基調とする空間。実はステージをほとんどまっさらにしていたのには理由があった。

 後方の中央と左右の3面にわたる壁に、映像を投影するためである。特に、先輩メンバーらの登場時には各画面で異なるライヴ映像を流すなど、キャラクター×声優のメディアミックスらしい面白い演出のほか、VJ的な性質でDJカルチャーへのリスペクトの精神を感じさせたり、舞台にも関わらずゴリゴリのレーザーを焚いていたりしたのも観どころだった。また、大道具を映像に代えることで、場面転換が瞬時に叶うのもこの機能によるメリットだろう。そのほか、普段のライヴとは異なり、メンバーの足音や進藤がDJのPLAY/PAUSEボタンをクリックする音さえもが、マイクを通さずにリアルに届いてきたのも新鮮だったと付け加えておきたい。

 何より、大好きな椿に褒められて、幼心をポロッとこぼす演技にナチュラルさを光らせた反田、時には他メンバーのミスをアドリブでフォローするなど、舞台未経験とは思えぬ頼もしさを示した進藤、かなりの核心を突く発言をしながら、そうとは感じさせぬあどけなさを披露した深川、お辞儀をする際には絶対に手を後ろにぴんと伸ばし、誰よりも役柄に忠実だった渡瀬と、メンバーの演技にはそれぞれの担うお嬢様が“降りていた”。

 全体を通して、とにかく一挙手一投足がコミカルなキャラクターそのものだった彼女たち。要所ごとでの“みなさん、準備はよろしくて?”“よろしくってよ!”と、ユニットの決め台詞がいい意味で様式美的に繰り返されるたび、毎度のごとく自然とテンションを上げられてしまった。

 さらに、千秋楽の上演後にはリリリリによるライヴパートやアフタートークも。ライヴパートでは本舞台のための書き下ろし曲「千リ一リ物語」をフルサイズで披露すると、続けて1コーラスハーフ尺にて、「汚れっちまった悲しみの色」などのアッパーチューンを4曲連続で畳みかける。曲間に小休止を挟まぬストロングスタイルのパフォーマンスは、普段のライヴのみならず舞台の場でも健在なようだ。

 そこからのDJタイムではブレイクビーツのトラックにまたがり、リリリリの“リ!”のコールのヴォイスサンプルを使いこなす進藤の姿が。例えるならば、女性声優界のSTUTS。パッドを操る手つきは力強く、同時にリリリリらしいお嬢様らしさも感じさせる。日頃から練習しているというスクラッチ技術もまたいっそうに磨きがかかったようだ。

 この日、ライヴパートでもっとも客席を湧かせたのは、前述のDJプレイ後の「ねむり姫」。ハイハットが鳴りまくりのKawaiiフューチャーベースの上で歌われる乙女の恋心は、上品で、ポップで、どこかドリーミーさもある。何より、先ほどまで彼女たちの演技や物語を間近で目撃していたからこそ、メンバーが見せる笑顔の意味やキャスト×キャラクターの重なり具合も、普段とは違った角度からとらえられたのではないだろうか。

 アフタートークでは『D4DJ』初舞台を託されたこと、そして千秋楽を終えたばかりの想いとして、渡瀬が“なんで私たちなんだろうっていう若干の心配もあった”、深川が“やっぱり千秋楽の公演が一番良かった”と順に振り返る。

 そんな中、進藤は開幕直後からウルウルな瞳で“もうさぁ〜、泣き虫なんだよねぇ〜”と大号泣。“初めての舞台だったからさぁ〜、うん”と言葉の節々で感極まり、途中からは可愛くも“咽び泣く”という表現が似合うくらいに。最後には“このメンバーで良かった”と自身の言葉をきっかけに涙し、気づけば深川までもがもらい泣き。途中には“お配りいたします”という“ティッシュのお恵み”で笑いをさらいつつ、反田に導かれながら“感謝でぇす”の言葉で感無量な想いを締め括った。

 加えて、舞台期間中の思い出として、渡瀬は反田とのエピソードを披露。何気なく“ケータリングにお味噌汁があれば”とこぼしたところ、それを聞いたスタッフが翌日の稽古時、インスタント味噌汁を早くも用意し、さらにはタワーのように積み上げてくれていたとのことだった。

 すると今度は進藤から、彼女の“じゃあ、みんなでご飯行けばいいんじゃない?”というツンデレ気味な提案により、リリリリ全員揃って初めて外食をしたとも明かされる。行き先は串カツ。反田が豚バラとエリンギ、進藤がホタテとレバー、渡瀬がしいたけを楽しむ中、深川はまさかのバウムクーヘンを選ぶなど、プライベートまでリリリリな一面を覗かせていたようだ。当人ら曰く、リリリリは食に関するエピソードが豊富とのこと。

 舞台初日を終えた際には、全員で翌日に“癖の強いTシャツ”を着てくることを約束。だが、翌日に蓋を開けてみると、最後に現場入りした深川が件の約束を忘れており、まさかのおしゃれなワンピースで登場したことも暴露された。もちろん他メンバー全員から即座に詰められたほか、翌日には所有する中でもっともダサい“生きてるだけでほめられたい。”とプリントされたTシャツを着てくる禊を果たしたとのこと。この話については、禊ぐ必要がないにもかかわらず、進藤がなぜか“ドムドムハンバーガー”のTシャツを着ていたなど、勝手に禊いでいたというオチまで含めて完璧だった。

 このあたりで、まさかの想定していた質問数の半分も消化しないままアフタートークが終了。最後までリリリリらしさに笑い倒してばかりだった、コミカルでエモーショナルな千秋楽公演。進藤の号泣然り、舞台本編を締め括る際の、反田による“着替えなかったら(この舞台も)終わらないのか”というパンチライン然り、本当に想いの丈がこもった6日間、全9公演だったのだろう。総括するに、“次の舞台が待ち遠しい”と期待感を抱かせられる素晴らしいステージだった。

撮影:福岡諒祠(GEKKO)、 池上夢貢(GEKKO)/取材:一条皓太

『舞台 Lyrical Lily「千リ!の道も一歩から」』配信チケット

■試聴チケット購入はこちら
https://eplus.jp/lyricallily-stage/st/
※アーカイブ:〜2022年7月31日(日)23:59


ライヴパート セットリスト

  1. 01. 千リ一リ物語
  2. 02. 汚れっちまった悲しみの色
  3. 03. 我輩よ猫であれ
  4. 04. 月に萌える
  5. 05. 銀河鉄道の夜に
  6. DJTIME(進藤あまね)
  7. 06. ねむり姫
  8. 07. プティプランス
Lyrical Lily プロフィール

リリカルリリィ:DJをテーマにしたメディアミックスプロジェクト『D4DJ』の劇中ユニット。略称は“リリリリ”。メンバーは反田葉月(桜田美夢役)、進藤あまね(春日春奈役)、深川瑠華(白鳥胡桃役)、渡瀬結月(竹下みいこ役)の有栖川学院高等部の1年生4名で構成。学校で見つけたアナログDJ機材をきっかけに結成し、2020年にオリジナル楽曲「汚れっちまった悲しみの色」でデビュー。その後、「吾輩よ猫であれ」「プティプランス」「冒険王!」のシングル3枚をリリースした。21年には2回のワンマン公演を成功させ、22年6月に待望の1stアルバム『Lyrical Anthology』を発売する。同月から『舞台 Lyrical Lily「千リ!の道も一歩から」』も開催するなど、活動の幅を広げている。Lyrical Lily ブシロードミュージック アーティストページ

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」

新着