笑いと胸キュンの甘辛ミックス!人気
声優の”妄想力”が爆発した『ようこ
そ妄想営業部へ❤Season4』夜の部レ
ポート

2022.6.26(Sun)ようこそ妄想営業部へ❤Season4 @日経ホール
2022年6月26日(日)に東京都 日経ホールにて『ようこそ妄想営業部へ❤Season4』が開催された。同イベントは都内某所にある総合商社”イケボ商事”を舞台に、人気声優たちが観客からの投票結果によって内容が変化する即興劇を演じていく、という参加型スタイルで人気沸騰中のイベントとなっている。今回のSeason4には伊東健人、西山宏太朗、駒田航、榊原優希、寺島惇太、神尾晋一郎、仲村宗悟、 白井悠介、濱健人高塚智人、吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)ら11名が出演。笑いと胸キュンの波状攻撃でドキドキさせられっぱなしの2時間弱をお届けする。

2019年に初開催された『ようこそ妄想営業部へ❤』も今回で5回目の開催を迎え、回を重ねるごとに出演者も増え、それに合わせて、人気も高まっていった。今回のチケットは全席即日完売ということで、これまで以上に注目を集めていることを表している。改めて同イベントについて説明しておくと、舞台となる”イケボ商事”にはいくつかの部署が存在し、そこには人気声優と同姓同名の”似て非なるエリート社員たち”が属している。推しの声優たちのスーツ姿を見られることがまず眼福なのだが、そんな彼らの日常……もとい業務を描いたオリジナルストーリーがステージ上で展開され、観客席やTwitter上での投票を用いて選ばれた、ファンが観たいストーリーを人気声優らが目の前で全力のアドリブ演技で応えていく、というなんとも贅沢なイベントになっているのだ。1人、あるいは2人、ないし複数名での絡みとなっていくと、その難易度もグンと上がっていく。アドリブならではの緊張感や思いがけないハプニングが本イベントの醍醐味だろう。
上演前の会場では伊東健人や神尾晋一郎らによる開演前のアナウンスが響き渡っていた。舞台が暗転から明けるとまずは妄想営業部から伊東ケント役の伊東健人、西山コータロー役の西山宏太朗が姿を現す。続いて経理部から駒田ワタル役の駒田航、榊原ユウキ役の榊原優希、寺島ジュンタ役の寺島惇太が登場し、三角関係のある絡みでまずはキュンポイントを見せつける。研究開発部のシンイチロー・神尾役の神尾晋一郎と、仲村シューゴ役の仲村宗悟はどの部署よりもノビノビとアドリブ入れまくりで登場すると、最後に広報部から高塚トモヒト役の高塚智人と、人事部から異動になった濱ケント役の濱健人、そして今回のSeason4から初登場となる広報部リーダーの白井ユースケ役、白井悠介ら10名の人気声優が勢揃いした。
今回のSeason4は広報部が”とある案件”のために各部署を呼び出すところから物語は始まった。イケボ商事の企業イメージアップのためのコマーシャル制作をする事になった広報部。リーダー白井の妄想力が爆発した、各部署を紹介するための絵コンテだったが、やたらふんどし姿をゴリ押しする白井の企画案には「ふんどしよりもネクタイを締めろ!」と各部署の反応もイマイチ。そこで妄想営業部部長の吉田ヒサノリ役、吉田尚記から「各部署の特色を活かしたアイデアをみんなで揉み直そう!」と鶴の一声が。
まずは妄想営業部の紹介カットから。「ふんどし一丁で海を渡り、世界を目指す。」日本企業らしいサムライ営業をアピールする…というのが元の案だったが、”妄想力で夢をえよう!”という原点に立ち返り「(1)タイムスリップしてみたい」「(2)石油王と結婚したい」「(3)守護霊に会ってみたい」「(4)バーで”あちらのお客様からです”されてみたい」の4つ提案が上がった。白井の独断と偏見で西山、寺島、仲村、高塚の4名が選ばれ、各々がその場で選ばれたシチュエーションに沿って己の妄想力を駆使した即興劇を演じることに。「(3)守護霊に会ってみたい」が選ばれた西山は、もはや守護できていないただ見てるだけの背後霊だったし、「(2)石油王と結婚したい」を演じた寺島は「ふわぁ~…石油出た……」と大きな伸びをしながらの切り返しでまずは会場を沸かすと、最終的には「石油は枯渇しちゃうけど、愛は永遠だからさ。結婚しよう?」とキメに来た。続く仲村は「ろび太くんと離れて3年、未来からも追い出されて行く所がない……」と某ネコ型ロボットのイメージを破壊するヒモえもん的解釈の「(1)タイムスリップしてみたい」でお笑い方面に全振りのエチュードを披露すると、最後の高塚は「(4)バーで”あちらのお客様からです”されてみたい」を「あんまりお酒は飲めないんだけど、今日はキミに酔ってみようかな?」とストレートな演技を見せてくれた。
続いてはシーン2へ。これはイケボ商事の社員の結束の強さをアピールするカットということで「手を繋いで(ふんどし姿で)スカイダイビングをする」という提案だったが、「チームワークをアピールするならこんなのはいかがでしょうか?」と経理部が”3ワード即興ドラマ”を再提案する。意味の遠い3つの言葉を駆使してエチュードを演じきるといった趣旨となっており、お題は「(1)ネクタイ・お願い・落ち着いて」「(2)ケーキ・スケッチ・ひざまずく」「(3)ボタン・ドーン・イケボ」「(4)ベッド・捧げる・妄想」の4つをツーマンセルで繰り広げることに。まずは経理部から駒田・榊原ペアが「(2)ケーキ・スケッチ・ひざまずく」を演じることに。アクリル板越しにそれぞれが全く違う動きをしていて、初速は躓いた感があったものの、駒田がケーキの神様になり、榊原に新作ケーキのアイデアスケッチを描かせ、最後は祈りを捧げてひざまずくという方向で落ち着いた。
続く妄想営業部は「お願いお願いお願いお願い!!!」と開始直後にいきなり拝み倒す西山の演技に少々面食らいつつも「ちょっと、いいから!落ち着いて!」と伊東も食らいつき、開始5秒で2ワードを回収する豪腕っぷりに爆笑。その後、どうしてもネクタイを交換して欲しい西山に優しく応じることで「(1)ネクタイ・お願い・落ち着いて」を無事に回収。個性がぶつかり合う研究開発部は「(3)ボタン・ドーン・イケボ」が選ばれると、直前の西山に感化された仲村が「ドーン!ドーン!」とコミカルな動きで神尾に斬りかかるが「なんか…この部屋からすごい音がする……」とソフトに着地させていくのは流石だった。最後に広報部は白井・濱ペアが「(4)ベッド・捧げる・妄想」をしたのだが、「私はベッドです」といきなり倒れこみ、まさかのベッドの形態模写で会場を恐怖と混乱の渦に巻き込む白井。「最近、ボクの夢はこうやって始まる……」と臆せず悪夢設定で乗っかりナイスファイトを見せた濱は、なんとか終えた後に大きな拍手で称えられた。
3つ目のカットは「月面で宇宙人と出会うイケボ商事の社員」が元の提案。”宇宙規模で世界を変えちゃうイケボ商事”というイメージのようだが、さすがに現実味がなさすぎるということで、研究開発部から”世界を変える発明品”が4点提供された。「(1)使った人の言うことをなんでも聞いちゃう”意のまマイク”」「(2)着用した人には逆らえない”王さマンと”」「(3)異世界転生できちゃう指輪”なろうリング”」「(4)付けたら動物になっちゃうカチューシャ”ケモーシャ”」だ。十分すごすぎる発明ではあるが、再び白井の独断と偏見で伊東・寺島・神尾・白井の4名が選出され、それぞれが好きなメンバーを好きなだけ選んで登場させて良いということになった。ここからはTwitter投票の結果、まず伊東が「(1)意のまマイク」を使うことに。相手に選んだ高塚へ「メンバー全員のいい所を1つずつ言ってくれ」と無茶ぶりを投げつけるが、やはり後半になってくると段々と言葉が詰まってくる(笑)。最後に回された伊東には「ベースをずっと貸してくれています」と、もはや褒めているのか懺悔なのか分からないほどだったが、なんとか終えることができた。
2番手の寺島は神尾と西山と駒田を相手に選び「(3)なろうリング」でエチュードを開始。使用者でありながらこちらから無茶ぶりするのではなく相手に全乗っかりというスタイルが斬新だったが、マッチョ王国のマッスル駒田氏や、ダンサーのミキさんと出会いボックスステップを授けられた果てに待ち受ける神尾の「キミは少々寄り道をしすぎたようだ……」というラスボス感ある怒涛の展開とたっぷりのボリューム感に大満足した。「(2)王さマント」を使った神尾は濱と高塚を呼びつけると向かい合わせ「こんな妄想営業部は嫌だ」と大喜利対決をさせる。いくつも回答が飛び交うも、なかなか満足のいかない様子の神尾。最終的に高塚の「堀江瞬のいない妄想営業部は嫌だ!」の叫びに1本が出て、負けてしまった濱に土佐弁で愛の告白の罰ゲームが下った。最後に再び「(1)意のまマイク」を握った白井が榊原と仲村を呼び出すと、まさかのマイクを仲村に預けてしまう。仲村の語りで「ここは深い海の底…」と始まると2人はカニになったり、1980年代の村へ転生したりと大忙し。最後はなぜか仲村のボイスパーカッションで無理矢理締めると流石に吉田から「あなたたち昨日そういうイベント出てたでしょ!」とツッコミが入り、配信でも「ペンや剣より意のまマイク」とコメントが入る。
最後の4カット目は「頼もしい先輩たちについてこい!一緒に行くぞ明るい未来へ!」というイメージなのだが、赤いふんどし一丁の男たちがやはり不評とのこと。高塚トモヒトに優しい言葉をかけてもらって「コイツに着いていこう!」と思ったという濱ケントのエピソードから、言葉であなたを救いたいと題して「(1)仕事で大失敗」「(2)大失恋をした」「(3)またダイエットに失敗した」「(4)イベントのチケットが取れなかった」という人たちにかける言葉で即興劇を行うことに。まずは広報部の「(4)イベントのチケットが取れなかった」から。高塚の「その気持ちスゲー分かるよ。〇〇〇〇カラーズのチケット、オレも取れなかったし……」と思わず本音が漏れる(笑)。研究開発部のお題は「(3)またダイエットに失敗した」だったが、神尾の「大丈夫、このドリンクを飲めば痩せられるから」という不敵な笑みに対して「そんなことを言っていた彼は、もういません……」と仲村。「(2)大失恋をした」が選ばれた経理部は全員キュンに全振り。特に榊原くんの「えっ、別れちゃったんですか……。それじゃあ先輩の隅から隅まで、全部ボクのものですね」という後輩ムーブは声が艶やかすぎて悶えそうになった。最後の妄想営業部も再び「(4)イベントのチケットが取れなかった」ということで、西山の「それじゃあ、キミの家でもう一回やる。1対1のボクの妄想営業、聞いてください!」は笑いとキュンの甘辛ミックスだったし、伊東の「まあ、抽選は運だから今回は残念。でも次回は絶対に来てくれよな!」はキュンを狙いに行っているんだけど「〇〇先生の次回作に期待!」感が出ているという周りのガヤで一気におもしろ方向へと傾いてしまったのが面白かった(笑)。
とかくするうちに、無事に企画会議も終了。各部署からの刺激を受け、インスピレーションを得た広報部はさらにブラッシュアップした企画書を仕上げるべく、解散していったのだった……。というオチがついた所でSeason4は終幕。各演者からの挨拶があると、そのままアフタートークへ突入するのも即興ドラマバラエティ企画ならではだ。寺島からは「なろうリングは本当はハーレムものにしたかったんですけど、気付いたら駒ちゃんのマッスル王国に迷い込んでましたね…」と本音が漏れたりと即興ならではの難しさを知れたり、振り返りで答え合わせが出来るのもありがたい。
さらに加えて、終演後に今回のメンバーから西山宏太朗、駒田航、寺島惇太、仲村宗悟、 白井悠介の5名にお集まり頂き、特別に話を伺うことが出来たので、こちらのショートインタビューも合わせて楽しんでいただきたい。
――まずは今日のイベントの感想をお願いします。
西山:今日は大所帯だったので1人あたりの負担は少ないのかな?って勝手に思ってたんですけど、全然そんな事はなく(笑)。特に今回が初登場だった白井さんが非常に場をかき乱してくれていたので、今後にも期待してます!
駒田:毎度のことながら、お客さんの色々な反応や、機微がマスク越しでも見えてきて面白いなって思います。本当に白井さんは前から居たんじゃないかってくらいすごく馴染んでて、かなり助けられたシーンもありましたね。
寺島:自分は前回、色々あって参加できなかったので、今回非常に楽しみでしたし、宏太朗くんの言う通り大所帯だったので、出番が少ないと巻き返せる機会も減っちゃうから、手応えなく終わるかもしれないという恐怖はありましたね(笑)
仲村:多分みんなもそうなんじゃないかって思うんですけど、自分でもやっていて段々とキュンと笑いの境界が分からなくなってきたんですよね…(笑)。でも本当に即興劇ならではの何が起こるかやってみるまで分からないっていうのが1番面白い所ですよね。
白井:ちょっと暴れすぎて左腕が若干痛いんですけど(笑)。いや、でもみんなに言ってもらって色々思い返すと確かに今回あまり人間をやってないな…って思いました。完全に無意識ですね(笑)。
――改めてやっぱり皆さんの”妄想力”の高さを感じたのですが、それと同時に色んなベクトルの”妄想力”があるなとも思いまして、皆さんの思う「この人の妄想力には敵わない!」みたいな方を挙げるとしたら誰でしょうか?
仲村:そうですね~…。宏太朗とか、白井さんとかめっちゃおもろいんですけど、思考回路がどうなってるかはなんとなく理解できるんですよ。けど、1人だけ全く理解できない人がいて……。伊東健人って言うんですけど(笑)。どうなったらその部品が出てくるの?みたいな時が結構あって(笑)。一回、頭の中を覗いてみたいですね。
西山:確かに(笑)。ボクも渾身の「お願い!お願い!」を繰り出して、もうココしかない!ってオチの所から、健人がまだ続けたんですよ。
一同:(爆笑)
寺島:あれ怖かったな~(笑)。自分が一緒にやってたと思うとゾッとしたもん。渾身のオチなのに。
西山:めっちゃ怖かった!。ずっと一緒にやってるけど怖さしかないです(笑)。
仲村:満場一致かな?(笑)。満場一致で伊東さんみたいです。
――今後のSeasonで、こんなシチュエーションやってみたい!みたいなアイデアがあれば、ぜひお聞かせください!
西山:個人的には今回初めて3ワードのやつをやったんですけど、あれすごい面白かったので、今度はワード自体を皆さんから募集して~とかでも面白くなるんじゃないかな。
寺島:いいね。ボクは個人的にやってみたいのがあって、片方しか設定を知らないみたいな…。相手は目隠しと耳栓されてて、何も分からない状態で放り出されて、設定を知ってる方がどうにかうまいことアドリブで着地点まで導く、みたいなのは攻守わかりやすくて面白いんじゃないかなと。
仲村:お客さんにも設定を伝えないとか、やってみても面白そうじゃない?
西山:お客さんもハラハラできて面白いのかも。あとさっき言ってたアレは?
駒田:あぁ!制限時間が設けられているヤツね。今はアドリブに任せて尺とったりもしているけど、一律でタイマーかけられて残り20秒とかになったときのみんなのテンパり方とかって、絶対個性が出ると思うから、結構見応えあるんじゃないかなって思いますね。
白井:(時間を)押さないしね(笑)。
――確かに!結構大事なポイントではありますね(笑)。
白井:ボクはもっとセットや小道具を駆使したヤツをやってみたいですね。モノボケみたいな。
――最後にファンの方へ向けてメッセージをお願いします。
西山:こうやって思い返してみると、我々にとっても思い出深いSeason4になったなと思います。今日やってみて改めて「こういうのやってみたい」というアイデアも出ましたし、アーカイブもあるので是非何回でも楽しんで頂けたらと思います。
駒田:研究開発部の2人が入ってきたのはつい最近だったと思ったら、また新たに白井さんも加わって。自分で相手を選べるというシステムができた事で、良い意味で自分の考えてたプランを全部崩されたりするのが面白いと思うし、我々もそうですが、見ている方も、また新たな組み合わせでのエチュードを楽しみにされていると思いますので、是非次回にも期待してください。
寺島:我々が普段演じているのは台本ありきのお芝居なんですけど、妄想営業部に関してはもうアドリブの嵐なワケじゃないですか(笑)。やっぱりそれはそれで、多分ここでしか得られない栄養があると思うので、今後とも愛して頂けたら嬉しいですね。
仲村:もちろん、ボクらも楽しみながらやっているんですが、お客さん参加型だからこその楽しさみたいなのも感じていて。我々だけじゃなくてお客さんと一緒にステージを作ってる感じがするのが、やっぱりこのイベントの醍醐味なんだと思っていますので、是非また体感しに来てくれたら嬉しいです!
白井:自分は今回が初参戦でしたけど、なんか…クセになりますね(笑)。上手くいってもいかなくても楽しいですし、本当に打ち合わせなしのぶっつけ本番なのがそうさせているなと。今日やれなかった組み合わせの方ともやりたいなって思いますし、今後とも楽しみにして頂けたら嬉しいです。今日はご覧頂きありがとうございました。
レポート・文:前田勇介

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