indigo la End、日比谷野音公演のオ
フィシャルレポート到着 新レーベル
発足&新曲リリースを発表

indigo la Endが7月18日に日比谷野外大音楽堂でワンマンライブ『ナツヨノマジック vol.2』を開催した。本記事では同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

7月18日、indigo la Endが日比谷野外大音楽堂でワンマンライブ『ナツヨノマジック vol.2』を開催した。『ナツヨノマジック』はバンド結成10周年の2020年8月、河口湖のステラシアターを舞台に無観客の配信ライブとして行われたが、有観客での開催は今回が初めて。また、この日は彼らにとって3度目となる日比谷野音でのワンマンだったが、同会場で夏にライブを行うことは初めてで、メモリアルな一夜となった。
梅雨に逆戻りしたような毎日が続いて天気が心配されたものの、ライブ当日は見事に快晴。場外からはセミの声が鳴り響き、日除けのタオルを被ったり、浴衣姿のオーディエンスも見られる中、ライブは前回の『ナツヨノマジック』と同じ「夜汽車は走る」からスタート。indigo la Endには「夜」がタイトルについた楽曲が多いが、その後も「はにかんでしまった夏」や「夜漁り」など、『ナツヨノマジック』に相応しい楽曲が演奏されていく。
indigo la End
大量のシャボン玉が会場中を舞い、初めての野音ライブとなった『abuku』を思い起こさせた「見せかけのラブソング」、歌詞に合わせて赤から白へと変化する照明がドラマチックな「チューリップ」など、楽曲を盛り上げる演出が効果的に用いられるなか、ライブ中盤ではこのバンドの楽曲の中でも特に人気の高い「通り恋」を披露。さらに、この日唯一演奏されたインディーズ時代の楽曲「抱きしめて」も名バラードで、彼らがせつないラブソングの名手であることが改めて伝わってくる。なお、「抱きしめて」が収録されたアルバムは『夜に魔法をかけられて』で、歌詞では<抱きしめてよ 嘘の魔法にかかったふりしてさ>と歌われているように、この曲もやはり『ナツヨノマジック』にぴったりの一曲だ。
indigo la End
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MCでは川谷絵音が「晴れましたね」とつぶやき、indigo la Endの野外ライブは雨が多いことを知っているファンからは大きな拍手が起こる。川谷は続けて「昨日日が沈んだのは18時57分だそうで(この日の開演時刻は17時)……ずっと明るいindigo la Endのライブ観たいですか?」と笑って話したが、明るい日差しの下で観るindigo la Endのライブもとてもいい。特に、FM802のキャンペーンソングとして川谷が曲提供した「春は溶けて」のセルフカバー以降、佐藤栄太郎のアグレッシブなドラムソロから始まった「夜風とハヤブサ」はフュージョン感たっぷりのウィンドシンセが心地いいindigo la End流のサマーソングだし、後鳥亮介のスラップと長田カーティスのカッティングが絡むファンキーな「心の実」も野外が似合う。様々な曲調を自在に演奏するバンドの地肩の強さもはっきりわかるというもの。
indigo la End
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「『ナツヨノマジック』を毎年恒例のイベントにしたい」と話し、ライブ後半で披露されたのは2014年以来8年ぶりに演奏するという「シベリアの女の子」。川谷は「持ち曲が増えるとやらなくなる曲も増えるけど、今年はツアーと今回のライブで昔の曲を結構やって、昔の曲もいいなと改めて思ったし、僕らが思ってる以上に昔の曲を好きでいてくれてるみなさんがいて、曲が始まった瞬間に『オッ!』って表情が変わるのを見るとグッと来たりして。12年間やってきたことが間違ってなかったなって、ライブをやるたびに思います」と話し、松明が灯される神秘的な空間の中で「結び様」が演奏され、本編を締め括った。
indigo la End

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アンコールになるとすっかり日も暮れ、ここで新曲の「そのままの冷たさで」を初披露。ヴァースとコーラスの静と動の対比、中盤のモノローグ風のボーカルとコーラスによるシアトリカルな雰囲気が印象的なナンバーから、さらには「夜光虫」を続ける。この曲のシリアスな曲調と夕闇は特にマッチしていて、<誰の幸せも願えぬ心 日の光で赤くなった>という歌詞に合わせてステージが真っ赤になった瞬間はゾッとするような美しさだった。
「ずっと音楽をやってきて、思ったより上手くいかないことも多いし、全部投げ出したくなるときもあるけど、ライブをやって、聴いてくれるみなさんの顔を見ると、『やっぱり音楽をやろう』ってなるから、こういう機会があって本当に恵まれてるなと思います。これからもいい音楽を作って待ってるので、またライブに来てくれたら嬉しいです」と川谷がオーディエンスに感謝を伝えて、この日最後に演奏されたのはやはり「夏夜のマジック」。ステージにスモークがたかれる幻想的な雰囲気の中、「野音、踊りませんか?」という呼びかけに応えてオーディエンスの手が一斉に上がった瞬間は、文字通りまるで魔法のような、忘れられない記憶となった。
indigo la End
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終演後にはワーナーミュージック内にindigo la Endのための新レーベル「Slowly Records」が設立されたことが発表された。レーベル名には「indigo la Endは僕らだけの道をゆっくりとゆっくりと歩いてきました。これから向かうべき場所にゆっくり向かう」という意味が込められていることも会場内に上映された映像により伝えられた。さらにこのレーベルの第1弾リリースとして8月19日にこの日初披露された新曲“そのままの冷たさで”をデジタルリリースすると発表。11月にはバンド初の日本武道館公演も控えるなか、新たなフェイズに突入したindigo la Endからますます目が離せない。
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文=金子厚武 撮影=鳥居洋介

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