L→R KOZO(Dr)、玉屋2060%(Vo&Gu)、アサミサエ(Vo&Key&Sampler)、∴560∵(Ba&Cho)

L→R KOZO(Dr)、玉屋2060%(Vo&Gu)、アサミサエ(Vo&Key&Sampler)、∴560∵(Ba&Cho)

【Wienners インタビュー】
“こんなアルバムができたんだ!?”
という驚きや新鮮さがある

変に重くならない感じは
アサミサエのヴォーカルだから

アルバムを聴き進めていきますと、5曲目「BIG BANG」へと辿り着きます。これが何と超カッコ良いヒップホップで!これまでもWienners楽曲にはラップはありましたが、ここまでクールなものはなかったと思いますね。

∴560∵
玉屋がアルバムを作ろうという話になる全然前に“こういうアプローチの曲もやりたいんだよね”って。それも“この曲を作ろうぜ!”という感じでもなく、“こういうの思いついたんだけど、どう?”みたいな感じで存在してたんですよ。ストックではないですけど前からあったから、アルバムの全体像が見えてきた頃に“あの曲も入ったらめっちゃいいよね?”ってことになって。
玉屋2060%
“こういうのもやりたい”とずっと思っていたんですけど、2、3年前だと“Wiennersとは毛色も違うしな…”みたいな感じになっていたと思うので、今だからこそバンドで面白がってやれたのはすごく大きくて。打ち込みと生演奏のセッションみたいなことだったり、このアルバムで得た今後のWiennersの強みのひとつだと思うし、この曲をアルバムに入れるのを面白がったことが一番意味のあることだったと思いますね。

「BIG BANG」は何と言ってもアサミサエさんのラップですよ。

アサミサエ
いやぁ、これが一番大変でしたね。“録れて良かったな”くらいの感じで(苦笑)。なので、ギリギリの状態というか、自分でもまだ未完成な感じだったんですけど、それが逆に良かった気がしていて。歌に関しては、あんまり仕上げない感じが逆に良かったと思っています。
玉屋2060%
うんうん。重くならない…そこが良くて。マッチョにならないというか、それは全曲そうなんですが、変に重くならない感じはアサミサエのヴォーカルだからで。表現力が途轍もなく上がってきていたからこそ、「BIG BANG」みたいな曲を歌ってもらえたところもある。

そんな「BIG BANG」も驚きましたが、もっと驚いたのが7曲目「HORO NOVA AZIO」ですよ。北欧民謡のようでいて、日本の民謡のようでもあり、朝鮮の匂いもしつつ、リズムはアメリカンっていう完全な無国籍ミュージックで。

∴560∵
玉屋はそういうことを言いながら作っていたよね?(笑)世界共通語であるエスペラント語を使って曲を作りたいというのは常々言っていて、この曲を作るにあたっていろんな国の民族音楽や民謡を聴いて、リズムの取り方とかメロディーの構成の仕方もたくさん分析して、ひとつの曲にたくさんの要素を詰め込みたいと考えてたようです。

Wiennersにはこれまでも、中東風も欧米風も和風も、今回もありますが江戸風といったものもあったと思います。ですが、「HORO NOVA AZIO」はそれらをまとめて、どこにもなかった音楽として仕上げているので、これは本当に素晴らしいと思います。

玉屋2060%
それは自分でも曲作ってる中で大事にしているところで。すごく懐かしかったり、聴いたことがあるように思うんだけど、“あれ?よく考えると初めて聴いた曲だな”みたいな感じはどの曲を作っていても絶対に欲しいと思っていますね。

今ほど“江戸風”と申し上げましたが、10曲目「日本中 I WANT YOU」、11曲目「SHINOBI TOP SECRET」がそれで。このテイストはWiennersの得意技でもあると思いますが、今回の「日本中 I WANT YOU」ほどのアイドルポップス感はこれまでにはなかったと思いますね。

玉屋2060%
そうですね。この曲はものすごく昔からあって、“どこでどうやって出そうか?”ってタイミングをずっと探ってたんですけど、なかなか機会がなくて“この曲は死んでいってしまうのだろうか?”と僕は思っていたんです。なので、このタイミングでアサミサエに歌ってもらうしかないと思いまして。

このアルバム『TREASURE』には「SOLAR KIDS」を筆頭にさまざまな要素を詰め込んだ楽曲も多いですけど、「日本中 I WANT YOU」のサウンド及びアレンジは引き算ができている印象ですね。

玉屋2060%
そうですね。もともとバンドでやるイメージで作っていなくて…バンドで作る時は全体を考えて作るんですけど、この曲はメロディーと歌詞しかなかったというか、歌詞がメインでもあったので、肉づけする時は今までいろんなところで培ってきたものを使いつつ、シンプルでいきたいなと。特に歌詞とメロディーを気に入っていたので、アサミサエの歌を一番のメインにしたくて、シンプルなアレンジで、裏があんまり目立たないものというのを意識しましたね。

次の「SHINOBI TOP SECRET」が同じ江戸テイストでも、こちらのほうはいろんな要素が入ってますから、この10、11曲目の並びも面白いと感じました。あと、「日本中 I WANT YOU」はアサミサエさんに歌ってもらうしかないとおっしゃっていましたが、それは「SHINOBI TOP SECRET」も同様で、これもアサミサエさんの歌の勝利でしょうね。見事にこぶしを回されていて。

アサミサエ
ありがとうございます。初めてやりました(笑)。みんなに“どこで練習したんだよ!?”と言われたんですけど、自分でも練習した記憶がなくて。

そのわりには堂に入ってるじゃないですか。個人的には「SHINOBI TOP SECRET」を聴いて、ぜひライヴで「天城越え」辺りを披露していただきたと思ったところです(笑)。

玉屋2060%
我々としてもぜひ!(笑)

せっかく演歌・歌謡曲で伝統のある日本コロムビアに所属しているのですから、ソロデビューを狙ってみてはいかがでしょうか(笑)。

アサミサエ
ぜひぜひ!私の方向性が決まりました!(笑)
∴560∵
そっちの部門で!?(笑)

OKMusic編集部

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