叶

【叶 インタビュー】
“僕が今できる、
まったく欠点のない曲”が
詰まっている

VTuberグループ『にじさんじ』に所属する叶がメジャー1stミニアルバム『flores』を完成させた。2018年5月2日に配信をスタートさせ、2022年の同日にCDデビューを発表、さらに自身のYouTubeチャンネルの登録者数が100万人を突破するなど勢いを見せる彼が、本格的な音楽活動第1作目となる本作に込めた想いとは?

音楽活動をしたいと思ったのも、
ファンの方が喜んでくださるから

VTuberとしてゲーム配信を行なう傍ら、『歌ってみた』動画なども配信されていますが、音楽活動を始めたきっかけというのは?

VTuberとして活動していく中で、『歌ってみた』動画を出した時にファンの方が喜んでくださったんです。音楽活動をしたいと思ったのも、ファンの方が喜んでくださるだろうという気持ちが強くて。音楽に興味はありましたが、自分の歌が上手とは思っていなかったので、うまくできるかは不安でしたね。やりたいとは思っていましたが、自信があったわけではなかったんです。

そうなんですか!? とても素敵な歌声ですよ。

ファンの方もそうおっしゃってくれたのが、音楽をやってみたいと思ったきっかけです。例えば叫んでいる曲をあえて静かに歌ってみたりして、そんなふうに自分がこの曲をどういう想いで歌っているかが、みなさんに伝わった時は嬉しかったですね。僕自身、人前に立つというか、中心に立つことを苦手に思っていたのですが、中心に立っている僕を見たいと言ってくださる方が多かったんで、僕もできるだけその声に応えたいというのが一番大きな理由ではあります。

『歌ってみた』動画ではご自身が好きだと思う曲を歌われていましたが、そもそもはどんな音楽がお好きなんですか?

ジャンルにこだわりはないし、いろいろまとめて聴くのは好きですね。ただ、気づいたら雰囲気がダークめの曲を歌っていることが多かったです。

メジャーデビュー作となる『flores』は、そうした好きなタイプの曲以外にもいろんな挑戦がうかがえる粒ぞろいの楽曲が並んでいますね。初めての作品作りとなるわけですが、サウンドプロデューサーの和賀裕希(fhána)さんとやりとりしながら方向性を探っていた感じですか?

そうですね。最初は普段聴いている曲や好きな曲のこと、そして今作は“花”というテーマでやりたいということをお伝えしました。その後、曲のテイストを提案していただき、一曲一曲を作っていきました。

なぜテーマを“花”にしようと?

単純に花が好きだからです。自分の好きなものなのでイメージがしやすいというのもあって。

なるほど。では、初めての楽曲制作の作業はいかがでしたか?

曲を作ることにここまで携わることがなかったので、正直言って最初はどうしたらいいか分からなかったです。テーマを決めたり、曲をかたちにするためにどう伝えたらいいかを考えたり、曲を作る順番も理解していなかったので、やはり難しかったですね。

最初に制作したのは1曲目の「ブロードキャストパレード」だとうかがいました。賑やかで明るい雰囲気で、まさに幕開けにぴったりの一曲ですね。

この曲は僕がメジャーデビューするにあたっての意志表示の曲でもあり、デビューの“お祝い”という雰囲気も込めて歌いました。レコーディングはすごく緊張しましたね(笑)。曲調も今まで歌ってきた楽曲とは雰囲気が違うのですが、だからこそやってみたいと思いました。この曲と5曲目の「Kids」は特に難しかったです。

確かに「ブロードキャストパレード」はこれまでの『歌ってみた』動画の楽曲群とはかなり異なるタイプの曲ですが、歌う時に意識されたことは?

笑顔です。楽しく歌うことを意識しました、大変でしたけど(笑)。レコーディングの時に、急にスタッフさんと一緒に合いの手を録るとなった時は驚きましたね。事前に何にも言われていなかったので、歌の収録のあとに“じゃあ、合いの手をここにいるみんなで録りましょう”と言って始まって。でも、完成した曲を聴いた時にすごくいいなと思いました。

現場の楽しい雰囲気も伝わってきますよね。この曲のお気に入りのフレーズはありますか?

最後の《僕らしく生きるのが幸せの届け方》という部分ですね。僕の配信に対するスタンスが込められていると思います。“いろいろと話はしたけど、最後はやっぱり…。”みたいな流れがありますね。

続く「ANEMONE」は多彩なアレンジのドラマティックなナンバーですね。

これまでカバーしてきた楽曲の雰囲気に近いので、何だか安心して“これだ!”ってなりましたね(笑)。曲調はちょっと不安げなんですが、それがすごく良かったし、雰囲気も含めて共感しやすかったです。“美しい花には棘がある”と慣用句にもあるように、《美しい毒を浴びたまま》という歌詞が気に入っています。見たまんまの印象と実際が違うことって、物でも人でもたくさんあると思うんです。そういうものが僕は好きなので、この曲の世界観が“いいなぁ”と思いながら歌っていました。

さまざまな色の花が咲くアネモネをタイトルに冠しているのも気になります。

アネモネって色によって花言葉が違うように、僕は僕なりの解釈でこの曲を歌っているので、聴いている方が聴いている方なりの解釈で受け取ってもらいたい曲ですね。僕自身もこの曲を聴いていて考えることがあったので。

3曲目の「DAMASHI DAMASHI」は切ない歌詞が胸を締めつけるクールな雰囲気の恋愛ソングですね。

この曲は僕が収録の時に、たまたま友達から恋愛相談を受けたという話をしたことがもとになっているんです。友達からの話に対して僕が疑問に思ったことを、作編曲のyuxuki wagaさんが面白いと思ってくれてできた曲なので、初めから理解できていたというか。僕が話したことがそのまま歌になっていて、伝えたいことがはっきりしている曲という印象がありました。感情的というよりは、憂いている雰囲気の曲ですね。気持ち的にもやるせなさとか、友達のことを思ったりしながら歌いました。

この曲の“花”要素を挙げるとしたら?

花って種から芽吹いて、花が咲いて、散っていくじゃないですか。“花が一番花らしくある美しい瞬間ってどれぐらいあるんだろう?”というのが恋愛にも近い気がしていて。ずっと咲いているわけじゃないですからね。そういうのがこの曲の“花”の要素だと思っています。
叶
ミニアルバム『flores』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
ミニアルバム『flores』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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