英国ロイヤル・バレエ団の新星ウィリ
アム・ブレイスウェルが語る~『白鳥
の湖』公開記念&〈ロイヤル・バレエ
・ガラ〉来日公演記念トークショーレ
ポート

「英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン 2021/22」英国ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』が、2022年7月15日(金)より TOHOシネマズ日本橋ほか全国公開される。それに先立ち7月10日(日)公開記念&〈ロイヤル・バレエ・ガラ〉来日公演記念として、シネマ上映の舞台でジークフリート王子を踊ったウィリアム・ブレイスウェルのトークショー付き上映が行われた。

■ブレイク中の新星が麗しく踊るジークフリート王子に注目!
古典バレエの代名詞『白鳥の湖』をロイヤル・バレエが31年ぶりに新演出したのは2018年5月。鬼才リアム・スカーレット(2021年没)による新たな振付を加えたバージョンは好評を博し、2022年5月19日に収録された今回のシネマも話題を呼んだ。オデット/オディールは英国出身の人気プリマバレリーナであるローレン・カスバートソン。ジークフリート王子を映画版『ロミオとジュリエット』(2020年3月日本公開)のロミオ役に抜擢され、今年5月にプリンシパル(最高位ダンサー)に昇進した新進気鋭のブレイスウェルが務めている。
ウィリアム・ブレイスウェル(c)Andrej Uspenski
トークショーの冒頭、プリンシパル昇進時の気持ちについて「今日ご覧いただくシネマの舞台の上演後、舞台袖で聞きました。マニュアネラ・ヌニェス、フェデリコ・ボネッリ、吉田都といった素晴らしい諸先輩方と同じ立ち位置になることを光栄に思いました」と振り返る。
今回公開される『白鳥の湖』の注目ポイント、見逃せない点として「リアム・スカーレットの音楽的な振付、ジョン・マクファーレンの素晴らしい美術、そして何よりもチャイコフスキーの音楽。この3つが一緒になることによって、素晴らしい作品に仕上がっていると思います」と語る。お気に入りの場面は「第1幕のジークフリート王子が狩りにいく場面のソロ」だという。
また、パートナーを組んだカスバートソンが出産後初めて全幕主演する舞台だったことについても触れる。「ローレンが再びオデット役を探求する場に立ち会えたことは素晴らしかったので、ぜひそういったところをご覧いただければ」。カスバートソンとは以前に一度『くるみ割り人形』で共演していただけだったが、芸術監督のケヴィン・オヘアが良い組み合わせだと考えて配役してくれたのではないかという旨を語った。「ローレンは、ご存知のように才能にあふれているので、一緒に踊ることができて凄く幸せでした」とほほ笑む。
William Bracewell in Swan Lake, The Royal Ballet (c) 2020 ROH
■まもなく開幕〈ロイヤル・バレエ・ガラ〉でも大活躍の予感!
このたびは7月13日(水)~18日(月・祝)Bunkamuraオーチャードホールにて行われる〈ロイヤル・バレエ・ガラ〉のために来日中。英国ロイヤル・バレエ団公認で、オヘア芸術監督の下、総勢12名のスターが集う。折よく映画公開と時期が重なりトークショーが実現した。
〈ロイヤル・バレエ・ガラ〉のAプロでは、佐々木万璃子(ソリストに昇進)と『白鳥の湖』より第2幕(白鳥)のパ・ド・ドゥを踊る。「万璃子は努力家で、美しくて、彼女ほど努力する人はいません」と称える。Bプロではロイヤル・バレエの今を代表する名花マリアネラ・ヌニェスと『グラン・パ・クラシック』を披露。「マリアネラは完璧主義者なので、ディティールにまでこだわって稽古しています。あのマリアネラと一緒に踊るので稽古には苦労しました」と明かす。
Bプロではフレデリック・アシュトン振付『精霊の踊り』も踊る。「最初に踊ったのは、ロンドンがロックダウンしデジタル配信のために収録した時でした。白タイツだけ着て隠れる場所もなく、ある意味怖い体験でした。でも大分体にもなじんできたと思いますし、フルートの音色も本当に素晴らしく一緒に奏であっているので、それも見ていただきたいです」とアピールした。
ウィリアム・ブレイスウェル
■来季の映画上映そして待望の日本公演が待ちきれない!
来季の「英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン」のバレエのラインナップは、『うたかたの恋–マイヤリング–』『くるみ割り人形』『ダイアモンド・セレブレーション』『赤い薔薇ソースの伝説』『シンデレラ』『眠れる森の美女』の6作品。ブレイスウェルは『くるみ割り人形』で金子扶生(プリンシパル)とグラン・パ・ド・ドゥを踊る予定だ。「扶生とは以前にも踊ったことがあります。エレガントさや技術の素晴らしさに目を瞠りました。彼女と踊ることができるのは夢のような体験でした。ラインナップの中で他の何かには出演予定ですが、それはご覧になってからのお楽しみということで」と目を細める。
話題はロイヤル・バレエの同僚の話に移り、仲良しはジョセフ・シセンズ(ファースト・ソリストに昇進)だと明かす。「楽屋が一緒で仲がいいです。人間的にも素晴らしく、人格者で、とても優しい人です。プリンシパルに上がるので楽屋が変わってしまいますが、今後とも仲良くしていきたいです」と話す。また来日時には平野亮一(プリンシパル)にさまざまな場所に連れて行ってもらって楽しい思いをしているという。
William Bracewell as Prince Siegfried in Swan Lake, The Royal Ballet (c)2018 ROH
来年2023年6月下旬~7月初旬には、英国ロイヤル・バレエ団 2023年日本公演が東京文化会館で行われ、ケネス・マクミラン振付『ロミオとジュリエット』とガラ公演を上演。「日本で踊ることを楽しみにしています。日本のお客様は本当に温かく、バレエに対して敬意を示してくださり、バレエが有難がられていると毎回思います。日本公演が楽しみですし、実現してくださるNBS(公益財団法人日本舞台芸術振興会)の皆さんにも感謝申し上げます」と述べた。
最後にあらためて日本のファンに向けてのメッセージを話してトークショーを締めた。「心の底から大きな感謝を申し上げたいと思います。今日ご覧いただく『白鳥の湖』は私にとってもとても特別な公演です。先ほど申し上げましたように、この直後にケヴィンにプリンシパルに昇進させてもらって大泣きしました。皆さんに楽しんでいただければ。バレエそしてロイヤル・バレエをいつも応援してくださりありがとうございます!」。
Swan Lake trailer (The Royal Ballet)
取材・文=高橋森彦

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