LUA インタビュー 「ポップであるこ
とを恐れない」と語る彼のパーソナル
と最新曲「Don't Stop the DOKKYUN!
!」に迫る

シンガー・ソングライターでギタリストのLUAが、6月8日に配信シングル「Don't Stop the DOKKYUN!!」をリリースした。

川谷絵音がLUAの「魔法使いの恋」を自身のラジオ番組で絶賛し、「Vaundyと切磋琢磨していける才能」と高く評価。2021年11月にリリースした「Long,Long,Wrong」はフジテレビ系『めざまし8』のエンディングテーマに選ばれ、Spotifyでは7つの公式プレイリストに入るなど、注目を集め続けているLUA。
本インタビューでは、「僕は座右の銘として「ポップであることを恐れない」と各所で言い続けていて……」と語る彼のパーソナルに迫るとともに、最新曲「Don't Stop the DOKKYUN!!」を紐解く。
──先日リリースされた「Don't Stop the DOKKYUN!!」には、どんなリアクションが届いていますか?
こういうディスコっぽい曲とか、ちょっと懐かしさを感じさせるようなものを作るときには、ただ懐かしいだけのものにはしたくなくて。必ず、新しさ半分、懐かしさ半分になるように心がけているんです。それは最終的に、若い世代に届けたいのはもちろんなんですけど、僕が聴いてきた音楽って、親の影響もあって、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、マイケル・ジャクソン、プリンスとか、山下達郎さんがルーツにあるんです。だから、そういう音楽を聴いてきた僕の親ぐらいの世代まで届けたくて。それでいうと、今回も若い子たちからはSNSとかで嬉しい感想を頂くんですけど、それだけじゃなくて、ラジオを聴いたおそらく僕の親ぐらいの世代の方達も反応してくれたんです。そこでやっと、ちゃんとディスコミュージックが作れたのかなっていう、自信になりましたね。
──ご自身が望んでいた通りの反応が返ってきたと。
いまのところそうですね。その波をもっと大きくしていきたいなと思っていて。たぶん、聴こえ方も違うと思うんです。若い子には新鮮に聴こえているかもしれないし、ちょっと上の世代には懐かしいなと思ってもらえているかもしれないし。そういう新旧折り混ざった感がLUAの曲の魅力のひとつなのかなと思ってます。
──SPICE初登場なのでパーソナル的な部分もお聞きしたいんですが、音楽に興味を持ち始めたのはいつ頃なんですか?
2歳から5歳ぐらいまで親の仕事の都合でハワイにいたんですが、その頃に経験したことが、音楽の原体験になっていますね。キッカケと思うことは2つあって。ひとつは親が音楽好きで、母親がエレクトーンとピアノの講師をしていたんですけど、家でも車の中でもずっと音楽をかけていたんです。そのときにローテーションで流していたのが、さっき話したような音楽とか、あとはボズ・スキャッグスとかで。なんか、おむつしたまま、アースを聴いて踊ってたらしいんですよ。
──めちゃくちゃかわいいですね(笑)。もうひとつのキッカケというと?
ハワイって観光客向けに、ファイアーダンスとか、ハワイアンミュージックのショーが、ディナーとセットでついてくるっていうのがよくあって。そこに観光客に混ざって、母と2人でよく行っていたんです。ウチの母も英語がペラペラなわけでもなくて、父親は仕事であまりいなかったから、日本人がいっぱいいて安心するっていう。そのディナーショーを通して、大迫力のエンタメに生で触れたあの体験は、自分がステージに上がる側になろうと思ったキッカケのひとつになっていると思います。
──小さい頃の影響ってやっぱり大きいですね。
ただ、都合よく忘れていた部分があるんですけど、親から「あんたよくステージにあがってたよ」って言われて。(演者の人から)「あがってくださーい」って言われて、お客さんがステージにあがるコーナーがあるんですけど、そういうときじゃなくて、みんなが普通に演奏してるときに、パタパタパタ!って走って行って。小さい頃からそういう片鱗があったみたいですね。
──そこからすぐに音楽を始めたんですか?
いや、しばらくは聴く専門で、音楽を始めたのは日本に帰ってきてからでした。さっきのハワイアンミュージックから次元が歪むぐらい話が飛ぶんですけど(苦笑)、小学5年生のときにテレビで布袋寅泰さんを見たんです。そのときに布袋さんのギターに衝撃を受けて、なんてかっこいいんだ!と。あと、昔、僕の叔父が博多でバンドをやっていて、それがめんたいロックみたいな感じだったんですけど、あの世代にとって布袋さんというか、BOØWYって神じゃないですか。だから、叔父がよく聴いてたあのバンドのギターが布袋さんなんだ!ってだんだん繋がっていくんですけど、そこからはもう布袋さんになりたい!って。
──それでギターを手に取って。
はい。家に誰も使っていないボロボロのアコースティックギターがあったので、ちょっと拝借して、教則本だけ買ってもらって。最初は全然弾けなかったんですけど、挫折せずに楽しく毎日弾いていて、中学1年生ぐらいの頃にはまあまあ弾けるようになったんです。ただ、中途半端に弾けるようになったからこそ、布袋さんのすごさがわかっちゃったんですよね。これは自分には無理だと。この山を登るのはちょっと高すぎると思って。僕の性格の根本にあるんですけど、苦手なことをやるより得意なことをやろうっていう部分があって。僕としては、ギターソロとかよりは、カッティングだったり、リズムキープが得意だったし、それは小さい頃からアースとかのギターを聴いていたからっていう形で、結局リンクしていくんですけど。
──なるほど。
あと、いまも声が高いんですけど、声変わりする前はもっと高かったので、小学校のときに音楽の授業で声が高いことをちょっとからかわれたりしていたから、人前で歌うのが嫌だったんです。でも、ギターと一緒だったらいいかと思って、なんとなく封印していた“歌う”ということも始めたりして。そうなってくると、やっぱり自然と曲を作りたくなるし、歌詞も書きたくなるし。それで中1〜中2ぐらいから、シンガーソングライターの山を登り始めました。
──ギタリストからシンガーソングライターに転向はしたけれども、すべて繋がっている感じがしますね。過去に吸収したものを捨てるのではなく、すべて持っていくというか。
いろんな場所に住んできたのもあって、そういった自分のルーツが音楽にも影響しているというか、ひとつのものにあまり縛られないような感覚があって。自分の音楽はシティポップ的だと言っていただくことが多いんですけど、自分としては、ミクスチャー・シティポップというか。
──ああ。なるほど。
僕はシティポップだけに影響を受けてきたわけでもないんですよ。学生時代はメタリカのコピバンもしていたので、メタルとかも大好きだし。あと、ちょっと田舎だったので、やんちゃな先輩達から「これ聴けよ」って、やんちゃそうな海外のヒップホップを教えてもらって、ジュラシック5とかも大好きになったりとか。エレクトロミュージックも、アンダーワールドとかダフト・パンクとかケミカル・ブラザーズみたいな、誰もが通るようなところは聴いていたし、高校生になったらUKロック命!みたいな。そうやっていろんな音楽をインプットしてきたので、それが単純な焼き直しのシティポップにはしたくないって思っているところに、いい具合に作用しているし、聴いてきたものをシティポップという型に収めようとすると、いい意味で不思議なバランスの楽曲になるのかなと思っていて。
──確かに、これまで発表された楽曲は、いろんな音楽が混ざり合って渾然一体としているんですけど、ポップスの形になっていますよね。聴いていて気持ちがいいとか、楽しいという感情が湧いてくるものになっていて。
ありがとうございます。ポップスというところにもこだわりがあって。僕は座右の銘として「ポップであることを恐れない」と各所で言い続けていて……自分としては本気でそう思い続けているんですけど、実は人からいただいた言葉でもあるんです。高校生ぐらいの頃に受けたオーディションで、ファイナリストになって、渋谷のホールみたいなところで演奏する機会があったんですけど、審査員に亀田誠治さんがいらっしゃったんです。そのときに亀田さんが楽屋で「よかったよ」って話しかけてくださって。それで「なんか君は今後なんとなく苦労しそうな気がするんだけど、ただ、君のポップスのセンスは間違いないから。ポップスを続けるのは本当に大変なんだよ。でもね、ポップであることを恐れちゃいけないよ」って言っていただいたのが、いまだにずっと残っていて。
──亀田誠治さんからの言葉だったんですね。
受け売りではあるんですけど、それを自分の目標にしてます。ポップスをやり続けることって、結構勇気がいるというか、怖いというか。なんかこう、自分の感覚なんですけど、いいポップスって、洗練されすぎていたり、カッコ良すぎたりすると、ちょっと違う気がして。ポップスって、隙とかツッコミどころがある音楽なのかなと思うんです。聴いている人をどこかで安心させてあげないといけない。音楽IQが高すぎて、ちょっと難しいなと思わせてはいけないと思ってるんですけど、ただ、隙とかツッコミどころを作るのって、一歩間違えるとダサいと思われてしまうんですよね。
──そこもあるし、敢えてそうしている狙いを見透かされてしまうのもキツいというか。
そうなんです。垢抜けてなく見えすぎても嫌だし、逆に意図が見えすぎるのもよくないと思うし。そこのバランスって、本当に綱渡りみたいな作業なんですよね。でも、そのスリルが結構楽しいんです。だからポップスをやめられないというか。僕は一生ポップスという音楽をどれだけ高いレベルで作っていけるのかに挑戦し続けると思います。
──あと、LUAさんはプロフィールに、「シンガーソングライター、ギタリスト」と表記されていて。楽曲の中で印象的なオブリも多いし、それこそカッティングがグルーヴィーで気持ちよかったりもするんですけど、ギターよりも鍵盤がソロを取ることが比較的多いですよね。
なんかピアノに弾いて欲しくなっちゃうんですよね(笑)。ギターソロを弾いている曲もあることにはあるんですけど、コード感みたいなものを大事にしていくと、ピアノとか管楽器とかバイオリンにソロを任せてみようかなって思うことが確かに多い気がします。ただ、あえて違和感を出したいときは、めちゃめちゃオシャレなコードで進んでいるところに、ファズを踏んだちょっと汚いギターの音をかぶせてみたりとかはするんですけど。だから、自分のことをギタリストとは思っているし、ギターはバッキングもソロも全部自分で弾いてはいるんですけど、そのわりにはギタリストとしてのエゴがないんですよ。
──そういうことになりますよね。
自分の脳みその中に、作詞担当、作曲担当、ギター担当、歌唱担当みたいに、いろんなLUAがいっぱいいるんですけど、そのピラミッドの一番上に、プロデューサーじゃないけど、楽曲を見渡す担当、全体の監督みたいなLUAがいて、そこの言うことは絶対っていう感じですね。ギタリストのLUAが「ここはソロ弾きたいです!」って言っても、「いや、曲のバランスが悪くなるからダメだ」って。曲が本当によくなるのかどうかっていうのが一番大事だと思ってます。
──曲によってはすごくエモーショナルなギターを弾かれますし、たまにちょっと弾きたくなったり、ギタリストとしてのエゴも本当はあるんだけど、暴走を止めている感覚もあったりするんですか?
どうでしょうねぇ……何も考えずにセッション的に録ったやつは、だいだいボツになりますね。うるさい!って(笑)。でも、たまにちょっと出してあげるときもあって。僕はグランジ的なものも大好きだし、マイブラ(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)とかもめっちゃ聴いていて、ライブにも行ったんですよ。邦楽だとNUMBER GIRLが大好きで、心の師匠なんです、向井秀徳さんが。あとはゆらゆら帝国とか、ああいう音楽への憧れもあるので、“暴れていいよ”の日は、ワー!ってやっちゃう感じにはなりますね。
──「Rainy Step」の歌詞に〈ロックスターが教えてくれた 奇跡も 魔法も あるんだってさ〉とありますけど、本当にいろんな人たちからの影響を受けているんですね。
そうですね。この人だけが自分のアイドルという感じではなくて、本当に心の師匠が100人いるっていう感じです。その時々でついていく師匠が変わるというか、このジャンルだったらこの人!っていう。すべてに影響を受けている感じはありますね。
──いつも曲を作っていくときって、どうやって進めていきますか?
詞先はまったくないですけど、ギターを軽く弾きながら鼻歌を歌って、まずサビになりそうなコードかメロディを決めていくのが一番多いです。で、サビの後にAメロ、Bメロを作っていくっていう。あと、最近ちょっとチャレンジしているのが、先にベーシックなトラックを作っちゃいます。それこそ僕が大好きな山下達郎さんの受け売りなんですけど、『FOR YOU』はオケを先に作ってメロディを後から乗せたというのをやってみたいなと思って(笑)。
──現在発表している曲でオケから作ったものもあります?
今まで出した曲は全部鼻歌からですね。でも、いつお届けできるかわからないですけど、よりバキバキなトラックになっていくかもしれないです(笑)。やっぱりオケ優先で作ると違うものが見えてくるし、違うアイデアも湧いてくるし。そういう作り方も増えていく予感はしてますね。だから作り方としては、鼻歌からとトラックからっていう、その2つぐらいです。「お風呂に入っていたら降ってきた」みたいなことは、僕はないです(笑)。いつも「よし、作るぞ!」っていうところから始めるので。
──歌詞で悩むことは多いですか?
歌詞を書くのがめちゃくちゃ遅いんですよ。曲はポンポンできるんですけど、歌詞は本当にいつも手探り状態というか、毎回まっさらな状態から振り絞るので。なんていうか、これは記事になるとあまり印象がよくないかもしれないけど、僕としては、歌詞で何かを伝えようという気はそこまでないんです。それよりは、メロディといかに親和性の高い言葉を選ぶかとか、聴いたことのない言葉のチョイスをしてハッとさせるとか、みんなが知っている気持ちを誰も聞いたことのない言葉に置き換えてみるとか。そういう手法にはすごくこだわりたいけど、メッセージ性を押していくタイプではないんですよね。それよりはシンプルに、聴いている人が楽しくなってくれたらいいなとか、逆に「君じゃなかった」という曲ではあえてずっしりくる言葉を選んで、なんかもう狙いすぎているぐらいに酷い男の話を書いたりとか。だから、自分の心情も入ってはいるんだけど、どちらかというとストーリーを作っていく感じです。その中で情景が思い浮かぶような言葉を配置していったり、聴いた人の心を動かすような仕掛けを作り込んでいくっていう。そこにこだわるから時間がめちゃくちゃかかっているのかなと思いますね。
──あくまでもメロディと言葉がセットというか。
そうですね。僕は詩人ではないんですよ。本当に詩を描きたいならポエマーになればいいと思うので。言葉とメロディがセットになったときに起こるマジックを信じ続けてますね。
──個人的には、言葉の温度感みたいなものがすごくいいなと思いました。たとえば「フライデイ・アンセム」は、楽しい雰囲気はありつつも、〈被害者が出る前に 電球替えましょう〉というちょっと強めなワードを入れていたりとか。
ドキッとさせるような。
──はい。そういう造りなのもあって、LUAさんとしてはそこまで歌詞で何かメッセージを訴えようとは思っていないかもしれないけど、聴き手側からすると、自然とメッセージを感じているようなところもあると思います。
ありがとうございます!この歌詞はかなり前に書いたんですけど、僕、週末がめっちゃ好きなんですよ。金土日のワクワク感を一生味わっていたいぐらい週末が好きだし、やっぱり週末の歌って結構多いから、自分もやりたいなと思っちゃって(笑)。でも、やるからには、マジで週末ソングの定番になったろかい!っていう気持ちがあったから、タイトルを「フライデイ・アンセム」にしたんです。やっぱりアンセムって象徴的なので。
──先にタイトルを決めたと。
そこから書き始めたんですけど、僕の性格で、何の心配もいらない幸せな状況でも、起きてもいないことを心配しちゃうところがあって。この幸せもなくなってしまうんじゃないかとか、常にネガティブとポジティブが同居しているんです。だから、週末は大好きなんだけど、常に月曜日のことを考えて憂鬱になっちゃうんですよ(笑)。でも、週末のワクワク感と、月曜日の絶望感をいい塩梅で書いたら、この気持ちって意外とみんなわかってくれるんじゃないか、もしかしたら最大公約数的なテーマなのかもしれないと思って。だから、割合としてはワクワク感を多めにはしているんですけど、要所要所に月曜日が来ることへの不安や絶望感であったり、曜日というよりも、誰もが日頃から心の中に抱えている悩みや疲れみたいなものもちょっと入れて、ハッとするような仕掛けを作って行った感じでしたね。
「Don't Stop the DOKKYUN!!」
──そして、最新曲の「Don't Stop the DOKKYUN!!」ですが、まず良いタイトルだなと思いました。
結構いろんな方が食いついてくださるんですよ。「ドッキュンですか!?」って。僕は20代なので、ドッキュンっていう昭和的な感じとはリアルタイムで接してはいなくて。でもたぶん、親の影響かなんなのかわからないんですけど、私生活で普通にドッキュンって言葉を使ってたんですよ(笑)。この曲も鼻歌でサビから作り出したんですけど、普段から言っているから、鼻歌で自然に漏れてきちゃったと思うんですね。そうじゃないと出てこないので。
──確かに(笑)。
でも、ドッキュンって間違いなくかっこよくはないんですよ。言葉の響きとして、かっこいいわけではないし、なんなら間の抜けたような感じがあって。でも、そこがすごく好きで気に入っていたことと、もうひとつ、この言葉を選んだ理由があって。
──どんな理由ですか?
この曲は、本当に何も考えずに楽しんで聴いていただきたかったんです。僕の曲にはエグめの恋愛の曲もあって、今回の歌詞も男女の恋についてではあるんですけど、核心には迫っていないというか。ある種、はぐらかしたような書き方をしたかったんですよ。ファンタジーのような、絵本みたいな感じ。〈夜を使い果たそうよ〉という、何かを示唆しているような言葉もありはするんですけど、生臭くはないというか。あまりリアルにしたくないと思っていたので、かっこつけすぎず、ふわっとした感じでとなると、ドッキュンしかないなって。
──〈Don’ t Stop the DOKKYUN!!〉の次に来る〈It’ s DATTE DOKKYUN!!〉もいいですね。
めちゃくちゃですよね(笑)。そんな言葉ないんだもん。
──最高ですよ。それこそ楽しい!っていう陽気さをダメ押しする感じがあって。
お気楽野郎って感じが出てますね。僕、英語に聞こえるけど日本語だったとか、日本語っぽく聞こえるけど、歌詞を見たら英語っていうのをよくやるんですよ。だから、“いつだって”の“いつ”は〈It's〉でいけるけど、“だって”はないぞ……と思って。ずっと辞書で調べてたんですけど、〈DATTE〉でいいか!って。
──あと、ここ数年の風潮として、“Don't Stop the〜”というよりは、“Stop the〜”みたいなことのほうが多いから、“Don't Stop”と言い切るのも気持ちがよかったです。
徹底的に楽しさに振り切った「Don't Stop the DOKKYUN!!」という曲をこのタイミングでリリースしたのは、いまの時代の雰囲気に対する僕なりのリアクションでもあって。みんな同じだと思うんですけど、いろんなことに閉塞感があって、ニュースを見ていても本当に嫌になっちゃう毎日で。そういうときに、やっぱりなるべく楽しい気分でいてほしいなと思うし、自分もなるべく楽しい気分でいたいなと思って。だから、この曲を聴いている4分間ぐらいだけは、何も考えずに、そういう気持ちになってもらえたらいいなって。それで特に楽しいポップスに全振りした感じはありますね。
──あと、冒頭で「懐古主義的にはしたくない」というお話がありましたけど、それこそ現代的なものを入れようと思ったときに、どうアプローチしようと考えられるんですか?
現代的なものって、物理的なことで言ったらシンセの音色とかいろいろあると思うんですけど、そういうことでもない気がしていて。僕が思う現代的というのは、現代を生きるいまの自分の感覚に正直になることだと思うんです。いまの自分から出てくるメロディや歌詞って、すごく現代的じゃないですか。現代で作っているわけだから。なので、シティポップを意識すると、半分ぐらいはあの時代のよくあるコードとかリズムパターンとかを考えるんですけど、僕、メロディラインだけはまったく関係なく、いまの自分のセンスだけでやっています。歌メロまであの時代のものに寄せようとはまったく思っていないし、絶対にいまの僕から出てくるものしか採用していないので。そこは歌詞も一緒です。だから、現代的にするために心掛けていることは、メロディと歌詞は何の情報にも引っ張られずに、いまこの瞬間に自分の中から出てきたものを信じることですね。
──現代を生きている自分が作れば、自動的に現代的になるという。
そうですね。たとえ意識していなくても、生きていれば絶対に心の動きや考え方の変化とかは、その時々でありますから。なので、その時々に思った言葉やメロディを書くのが一番の最先端で、新しさなのかなと僕は思ってます。
──最後に、今後はどんな活動をしていきたいですか?
とにかくポップであることを恐れないというのが一番のモットーなので、今後もシンガーソングライターであり、ギタリストではあるんですけど、“職業、ポップス”というか。いまはまだまだ本当に練度を高めているというか、やれることがまだたくさんあるし、ブラッシュアップしていきたいところもたくさんあって。そこは一生終わらないんだろうなとは思うんですけど、この先もずっとブレずにポップスの人であり続けたいですし、LUAはそこの一点張りなのかなって思ってます。

取材・文=山口哲生

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