神尾晋一郎、江戸川乱歩の世界へ~日
替わりキャストでおくる朗読劇『幻燈
の獏』見どころを語る

江戸川乱歩作品をモチーフにした朗読劇江戸川乱歩の世界 朗読劇『幻燈の獏』が、2022年8月13日(土)、14日(日)にイイノホールにて上演される。
2日間を日替わりキャストでおくる本作の舞台は、甘粕正彦(森久保祥太郎/木島隆一)や李香蘭(小清水亜美/茜屋日海夏)たちが実在した満州映画製作所。そこで起きる事件を脚本家の神田(神尾晋一郎/廣瀬大介)と撮影所で働く少年シャオリン(永塚拓馬/工藤晴香)や少年少女らが追っていく。出演する豪華声優陣はもちろん、絢爛な衣裳や、バンドネオン、ギターなどの生演奏も見どころのひとつだ。
『江戸川乱歩の世界 朗読劇 幻燈の獏』出演キャスト
怪人二十面相や黒蜥蜴など江戸川乱歩作品にまつわる人物たちも登場し、「“江戸川乱歩アベンジャーズ”といえるシリーズ第一弾」とうたわれる本作初日(13日)にて、脚本家・神田を演じる神尾晋一郎に話を聞いた。
乱歩好きには“胸熱”な作品
――江戸川乱歩作品をモチーフとした本作。「”江戸川乱歩アベンジャーズ”といえるシリーズ第一弾」とのことですが、お話を受けた時のお気持ちからお聞かせください。
どの役柄でも楽しそう、是非やらせてください、そんな気持ちでした。元々、江戸川乱歩作品が好きなので、今回のように乱歩にまつわる人物や言葉が幾つも登場するというのは胸熱です。シリーズ第一弾と言うのであれば、今後も是非関わらせていただきたい、そう強く想います。
――神尾さんは普段から推理小説をよく読まれるのでしょうか?
はい、読んでいます。初めて読んだのはシドニィ・シェルダンの『ゲームの達人』かもしれません。最近ですと、G・K・チェスタトンによる推理小説「ブラウン神父」シリーズが実家から送られてきたので読んでいます。江戸川乱歩作品なら『赤い部屋』『踊る一寸法師』『白昼夢』を読んだり、朗読したりしました。
――すでに台本がお手元に届いていると伺っています。台本を読んでいかがでしたか?
キャストが変われば演じ方も雰囲気も変わりますが、その遊べる余白を残してくださっている気がいたします。それにしても話の内容に触れずに感想を伝えるとは、非常に難しいですね。乱歩作品が好きな方は思わずニヤリとする文言が各所に散らばっている……これくらいなら言ってもいいかと。
役どころは"自称"脚本家
――今回の役は、満州の撮影所で起こる事件を追う脚本家。ご自身の役どころについて、どのような人物か、注目ポイントなども教えてください。
映画の脚本を売り込みに来た"自称"脚本家という胡散臭い役、飄々としていて、ある種ストーリーテラーのようでありながら、満州で登場する人物の中でも異物感を醸し出します。彼の言動は、最初から最後まで是非注目して聴いていただきたいです。
――今作の舞台は大正~昭和、そして、江戸川乱歩の世界ということで、ビジュアル(扮装)面も楽しみにされている方が多いと思います。ビジュアル撮影は、いかがでしたか?
大正から昭和にかけての洋装ということで、スリーピースを着させていただきました。神田の胡乱(うろん)な雰囲気を意識して、シャッター音に合わせサクサクポーズを変えていましたら、予定時間よりも早く撮影が終わったので、よほど楽しかったのだろうな、と。他人事のように分析いたしました。
江戸川乱歩の世界 朗読劇『幻燈の獏』チラシビジュアル
日替わりキャスト、その魅力は?
――今回は、2日間キャストが異なりますね。
朗読劇は、その場その場のキャストが一度限りの化学反応を生で見せることができる場だと思います。そこに加えて、今回の作品では"男女"とキャストが変わる部分もあるため(編集註:少年・シャオリン役を永塚拓馬と工藤晴香がWキャストで演じる)、より聴覚的に思い浮かべる印象が変化しやすいものとなっています。全く違うお話しに感じるかもしれませんので、2日間観て欲しいです。
――2日目の神田役は廣瀬大介さんが務められます。廣瀬さんについてはどんな印象をお持ちですか?なにか共演時のエピソードがあれば教えてください。
あるコンテンツのイベントで初めてお会いしました。甘いマスクに魅惑的な声、更にスタイルよくファッションセンスも抜群。非の打ち所がない人です。私は、かっこいい人を見るとテンションが上がる人間なので、イベント中、後ろから後頭部をガン見しておりました。きっと気づかれていないと思います。
――神尾さん演じる神田とともに事件を追っていく少年・シャオリンには永塚拓馬さん。あらすじからすると、神田とシャオリンの“バディもの”としての魅力もあるのではとお見受けしますが、永塚さんの印象は? 作中、是非ここを見て欲しい!という場面があれば教えてください。
あるコンテンツのイベント(=廣瀬さんと同じ)が最近お話ししたタイミングでした。穏やかな物腰、柔和な笑み、しかしお芝居となるとその印象がガラリと変わり、どんな役どころも演じ切るスーパーマンだと思っています。今回の朗読劇では、2人の会話をお聴き逃しないように。
神尾晋一郎にとって文学とは
――少し脱線してしまうのですが、神尾さんは2021年に文学作品をモチーフとした純文学樂団『KATARI』を始動されていますね。神尾さんにとって、文学や言葉とはどんなものでしょうか?
私の中の文学は、ざっくり言うなら自分よりも日本語の扱い方が恐ろしく達者な人間(翻訳者含む)が書いた貴重なもの。助詞の使い方ひとつとっても、そこに学びがあります。だから勉強しない手はないです。特に声優という、日本語を武器とする職業を選択してからは、より文学へ傾倒していると思います。現在声優の人口は、1700人弱。この人数が多いか少ないは別の話ですが、日本語という言語に対しての一つのアプローチとして、より詳しくなりたいと常々思っています。
――ありがとうございます。最後に改めて、今作の見どころを含め、楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いします。
江戸川乱歩、出演キャスト、制作スタッフ、舞台美術から音楽まで、どのようなきっかけで観に来て頂いても楽しめる作品です。更に言うなら、全く"江戸川乱歩"を知らなくても、楽しめます。この作品をきっかけに江戸川乱歩作品を読むようになるかもしれませんよ。是非、両日観ていただけましたら嬉しいです。
取材・文=yuka morioka(SPICE編集部)

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