【THOUSAND EYES インタビュー】
いろいろ試してみたけど、
できることを
全曲でやろうと開き直った
今までやったことのない
アプローチにいろいろ挑戦した
おふたりが挙げてくださった曲以外にも注目の曲たくさんあって、例えば「Everlasting Trail」や「Shadow Dancer」といった洗練感のあるナンバーを聴くとTHOUSAND EYESの懐の深さが分かります。
KOUTA
その2曲は幅を広げたくて作ったんですけど、「Everlasting Trail」は曰くつきというか。寝起きにIn Flamesを聴いていて、“なるほど、In Flamesはこういうテンポで、こういうメロディーを入れているからカッコ良いんだ”と改めて感じて“よし、これだっ!”と思ったんです。で、ちょっとネタとして作ったのが「Everlasting Trail」だったんですよ。“これは絶対に収録することはないけど、どう思う?”と言ってDOUGENに聴かせたら“バカなんじゃないですか?”って(笑)。
DOUGEN
“これだけはやめてください!”と言いました(笑)。In Flamesに似ているというか、すごく悪意のある言葉で言うとパクりだったので(笑)。
KOUTA
あははは。僕もそのつもりで作ったし、これが入ることはないと思っていたけど、DOUGENに“でも、結構良くない?”と言ったら“確かに胸は掻きむしります”と返ってきて、AKIRAさんにも聴かせたら“これはボツっちゃダメだ”と言われたんです。ただ、さすがにこのままでは収録できないということで、ちゃんとアレンジをし直して、In Flamesの息吹は残しつつもTHOUSAND EYESらしい曲になりました。
DOUGEN
そういう紆余曲折があったんです(笑)。あと、これは自画自賛ですけど、「Everlasting Trail」はヴォーカルを入れてIn Flamesから遠ざかったというか…そういう自負はありますね。僕とIn Flamesのヴォーカルとは全然スタイルが違うので、それがいい結果につながったと感じています。
ほのかに北欧が香るというテイストが絶妙です。他にも8ビートの歌中からヘヴィシャッフルに移行するサビという構成を活かした「Behind Blue Tears」やインストゥルメンタルの「Vanishing Hope」なども、いいアクセントになっていますね。
KOUTA
今回は細かいところで、今までやったことのないアプローチにいろいろ挑戦しました。「Behind Blue Tears」のサビでいきなり3連になるというのもそうですし、音楽理論的なところでいうと、サビの一発目のコードをトニックで入らないというのを僕らはあまりやっていないんですよね。「Behind Blue Tears」はサブドミナントで始まっていて、それも僕の中ではレアなアプローチです。
DOUGEN
「Behind Blue Tears」は確かに新しい挑戦で、それをKOUTAさんがいいかたちに持っていってくれましたね。何よりもこの曲は新しく入ったドラムのYU-TOが一番活きるグルーブなんですよ。YU-TOはハードコアとかデスメタル畑のアメリカンなタイプのドラムが得意で、こういうちょっと野蛮なリフだったり、サビのヘヴィシャッフルのテンポ感だったりですごく映えるんです。だから、KOUTAさんは意図していなかったと思うけど、YU-TOを活かすために作った曲といっても過言ではない。そういう意味で、僕も「Behind Blue Tears」は気に入っています。
KOUTA
インストの「Vanishing Hope」は最後に作った曲で、制作に入る前からインストを作ろうと決めてはいたんですけど、なかなか良いイメージが湧かないままズルズルいってしまって、結局最後に作ることになったんです。アルバムの最後の1ピースをどういうものにしようかとすごく迷って、インストでもいろいろある中でスローなものを入れたほうがアルバムとしてのバランスが良くなるかなと思って、こういう曲になりました。
DOUGEN
「Vanishing Hope」はいつものKOUTA節かなという印象ですけど、配置の妙を感じますね。7曲目の「Dogmatic Stigma」という激烈でテンポの速い曲が終わってメロウな「Vanishing Hope」が入って、9曲目の「Crimson Sentinel」でまた疾走するという流れがすごく気に入っています。
同感です。それに、メタルバンドのインストは長尺のソロや凝った展開などをフィーチュアした曲が多い中、「Vanishing Hope」は2分強というコンパクトなサイズでドラマを作っていることも見逃せません。
KOUTA
本当はもっとアドリブとかが入っているようなものを作りたかったんですけど、そこまでの力量がないというか(笑)。諦めてメロディーだけに走ったんです。でも、確かに長尺だったら7曲目から9曲目までのいい流れは作れなかったかもしれないので、これはこれで良かったと思いますね。
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