映画『ゆるキャン△』花守ゆみり&東
山奈央が“大人になった彼女たち”と
見た景色 アフレコ現場では飯テロ発
生?

映画『ゆるキャン△』花守ゆみり東山奈央インタビュー! 人気テレビアニメ『ゆるキャン△』の最新作、映画『ゆるキャン△』が7月1日に封切られた。女子高生5人を中心に、キャンプや日常生活がゆるやかに描かれたテレビシリーズに対し、映画では5人が社会人になった姿が描かれ、キャンプ場作りに挑戦することになる。キャストの花守ゆみりと東山奈央は“大人になった彼女たち”を前に何を思ったのか――映画を通して感じた“変わらないものと変わったもの”、心に響いたシーンやアフレコ舞台裏について話を聞いた。
 さらに映画情報サイト「映画.com」(https://eiga.com/)では、『ゆるキャン△』入門編を掲載。テレビアニメ&映画の基本情報やキャラクタープロフィール、そして花守&東山が選ぶ「オススメキャンプ飯」「作中の思い出スポット」をまとめているので、そちらも合わせてチェックを!(取材・文・写真/編集部)
■最初に直面したのは「私たちの知らない“彼女たちの10年間”」
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会――今作は、テレビシリーズでは高校生だったなでしこ(CV:花守)、リン(CV:東山)、千明(CV:原紗友里)、あおい(CV:豊崎愛生)、斉藤(CV:高橋李依)が大人になった姿で登場します。作中では10年経っているという時間経過をどのように受け止めたのでしょうか。
花守 彼女たちの働いている姿から、「時が過ぎたんだ」という衝撃は受けましたが、みんなが集まると高校生の時と変わらない表情を見せてくれたので、「どこにいても何年経っても、この5人が集まるとあの頃の気持ちに戻れるんだ」と感じました。でも時々、“私たちが知らない彼女たちの時間”を知る瞬間がありました。会話の内容が以前とは違う、悩んでいることや壁に直面している部分もたくさんありました。また「今だからできることとできないこと」「昔できたこととできなかったこと」という変化が見える瞬間もありました。
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会東山 大人になっているということは、私たちの知らない“彼女たちの数年間”があります。みんなが社会人として頑張っている姿を見て、みんながみんならしく生きてきたから今があるんだなという歩みを感じました。最初は「みんなが“知らないみんな”になってしまったのでは」と緊張していましたが、台本を開くとその不安は一瞬でなくなりました。「変わっていない」「大好きなみんながここにいる」と感じることができて、とてもうれしかったです。
もちろん、社会人としての新たな一面もたくさん見えてきました。会話が進むなかで「今はこういう仕事をしているんだね」とみんなの歩みを少しずつ知っていくので、「しばらく会ってないうちにそんなことがあったんだね」と同窓会をしているような感覚でした。『ゆるキャン△』のキャラクターたちは、いつの間にか私にとって良き友人になっていたんだ、そんな気持ちにもなれる“再会”でした。
■なでしこはアウトドア用品店、リンは出版社勤務 それぞれの仕事と生活
なでしこは東京のアウトドア店に勤務(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会――社会人となった5人の職業や生活ぶりはいかがでしたか? なでしこは東京のアウトドア用品店で働いているということですが。
花守 台本を読んだ時に、“高校時代の日常”に散らばっていたものと関連した職業についていると感じました。第1作目で、「大人になったなでしこが空飛ぶテントに乗ってやってくる」というなでしこの妄想が描かれましたが(12話「ふじさんとゆるキャンガール」の一場面)、そこまでは至らずとも、キャンプギアを売るという仕事を通して「きちんと人の顔を見て話ができる」という彼女の個性であり得意なことが生かされています。やっぱりなでしこはキャンプが大好きで、彼女らしい職業についてるなと思いました。
――社会人としてのなでしこの生活ぶりはいかがでしたか? ひとり暮らしの部屋も気になるところです。
花守 テントやシュラフを干しても狭くない部屋を選んでいるところから、変わらずキャンプ大好きなんだと伝わってきました。そういった細かなところまできちんと描かれている、愛がいっぱい詰まった映画です。
なでしこのオフショットビジュアル(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会――リンは名古屋の出版社勤務ということで、仕事自体はアウトドアから遠ざかっていそうな印象も受けました。
東山 最初は「え! そうなんだ」と思いましたが、見れば見るほどに納得しました。高校時代のソロキャンプの時にも本をたくさん読んでいましたし、バイト先も本屋さんでした。だからキャンプだけじゃなく本も好き、「好き」がたくさんある子だったんだなと気づき、出版社という環境に納得しました。
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会東山 編集部の前は営業部にいたということに関しては、「人見知りなのに大丈夫?」と思う方もいるかもしれませんが、私はむしろ「なるほどな」と感じました。リンは寡黙な印象があるかもしれませんが、モノローグが多いタイプといいますか。人とのコミュニケーションが苦手なわけではなく、自分ひとりの時間も楽しめるタイプの女の子です。人とのコミュニケーションに萎縮することなく、フラットに話ができるので、営業に向いているかもしれないと納得がいきました。
■キャラクターの成長、自然な変化に寄り添ったアフレコ
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会――キャラクターが大人になった点を踏まえて、演技面での変化はありましたか?
花守 今回は「作品から受け取ったものをそのまま出していいよ」と任せていただきました。そもそも彼女たちが話すこと自体が高校生の頃とは違います。それぞれの現実に直面しながら“今の言葉”をつむいでいるので、そういった変化や情報を受け取ってもらえるだけで、見る方々には“彼女たちの今の時間”が伝わるので「声の変化は意識せず、受け取ったものをそのまま出していいよ」と言っていただきました。
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会東山 私も同じです。みんなが社会人としてしっかり働いていて、社会人らしい言葉遣いで周りの方とコミュニケーションをとっているので、「わざわざ何か特別なことを心掛けなくても時の流れを感じてもらえる」と感じました。また、声のトーンを変えてしまうと、逆に違和感になるとも思いました。テレビアニメから見てきた皆さんは、大好きなキャラクターたちの“あの空気感”を感じたいと思いますし、実際に私たちも友達と久しぶりに再会したときって、声ってあまり変わらないものなんじゃないかなと思うんです。キャラクターみんなの内面の成長を、感じていただきたいです。
――ストーリーや会話のなかでの自然な変化や成長を感じられそうですね。
東山 職場のシーンでは新しいキャラクターが登場するので、その関わりのなかで自然と今までのリンやなでしことは違う部分が引き出されていく感覚がありました。でも“いつメン”になるとね(笑)
花守 あー! 久しぶり~! みたいなね(笑)
東山 いつメンになると、掛け合いも「これこれ!」という感じがありました(笑)。そういったところから、キャラクターも私たちも“人”なんだなと思いました。
■花守がもらった“答え”、東山が抱いた共感――映画から受け取ったもの
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会――先ほど、大人になったキャラクターたちが「悩んでいる」「壁に直面している」姿も描かれているという話しが出てきましたが、おふたりが共感したシーンはどこでしょうか?
花守 私は、映画の後半でなでしことリンちゃんが会話するシーンが大好きです。リンちゃんが、自分が直面している問題や感情をなでしこに吐露するのですが、それに対するなでしこの答えは私自身が今まさに感じていることへの答えでもありました。そこで、気持ちがシンクロしているように感じましたし、「人は1人では生きていけないんだな」ということを感じるシーンでもありました。
あのシーンのなでしこの言葉は、リンちゃんだけじゃなく、今生きている人たちに必要な言葉だったんじゃないかなと思いましたし、少なくとも自分にとっては必要な言葉でした。大好きなシーンです。あそこに「私にとっての映画『ゆるキャン△』のテーマ」が詰まっていたような気がします。
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会東山 私はリンの職場のシーンが好きでしたね。営業から編集部に異動になったばかりの新人であるリンの上司として刈谷さんという新しいキャラクターが出てくるのですが、本当に素敵な上司なんです。リンの仕事へのモチベーションを保たせながら、足りないところがあったら助け舟を出してくれる。でもそんな素振りをまったく出さない。みんなが憧れる上司ナンバーワンみたいな人です(笑)。
私も新人時代に、たくさんの方に助けていただきました。きっと自分の知らないところでもたくさんフォローしていただいていると思うんですよね。でも今は30代になって、後輩も増えてきたことで、「『何かやりたい』という思いを抱いている後輩を温かく見守る大人たち」という立場になることも度々あります。だからこそ、リンと刈谷さんのシーンでは、後輩としての自分と先輩としての自分の目線が同居して、いろいろな思いがごちゃまぜになりながら見ていました。
■もちろん今回もキャンプ飯は健在! アフレコ現場での飯テロとご褒美
(c)あfろ・芳文社/野外活動委員会――『ゆるキャン△』といえばキャンプ飯も楽しみですが、今回は “おいしいシーン”はありますか?
2人 (食い気味に)はい!(笑)
東山 おいしいシーンはいっぱいあったね!
花守 あったね~。
――ちなみにどんなメニューが出てくるかは……?
花守 ひとつだけ言いますと、皆さんが見終わった後に「コンビニに駆け込むんだろうな」「これを買うんだろうな」というメニューが出てきます。
東山 あとはお楽しみで(笑)。でも今回も食べたいものがあり過ぎてつらかったです。台本だけだと文字情報なので、スタッフさんたちが資料をくださるのですが、そこにはスタッフさんがロケハンに行かれた時の料理の写真が載っているので、私たちは“飯テロ”をくらってしまいまして(笑)
花守 毎回飯テロをくらっています(笑)
東山 思わずスタッフさんに「今日のお昼ごはんは、ここに描かれている料理から何か出てくるってことですよね?」とふざけてみたら、お昼に叙々苑弁当をいただきました(笑)
花守 肉、肉が来たね!
東山 それで「もう何も申し上げることありません。ありがとうございます」と(笑)。飯テロされつつもご褒美をいただきながら、お芝居させていただきました(笑)

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