King Gnu、20,000人が集結した初のF
C限定ツアーファイナル・幕張メッセ
公演の公式レポートが到着

King Gnu初のCLUB GNU会員限定ライブ『King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION』ツアーファイナル公演が2022年6月26日(日)に行われた。本記事では同公演の公式レポートをお届けする。

King Gnu初のCLUB GNU会員限定ライブ『King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION』が大阪城ホールと幕張メッセ9・10・11ホールにてそれぞれ2公演ずつ開催され、6月26日(日)にファイナルを迎えた。幕張メッセ公演は各日約20000人が来場し、King Gnu史上最多の動員数を記録し、ツアー全4公演では計約60000人が来場した。
圧巻の景色だった。King Gnu公式モバイルサイト『CLUB GNU』会員限定ライブ『King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION』で繰り広げられたスキルフルなプレイ&生歌の凄さは、ポップの基準を塗り替え、ライブ・エンタテインメントを進化させた。
この数年、パンデミックによってライブシーンは大きな痛手を食らった。King Gnuもまた、コンサート収容人数に制限が設けられるなど歯がゆさを感じていただろう。しかし、幕張メッセ公演は、そんな思いを吹き飛ばす1日となった。
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Kosuke Ito
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Kosuke Ito
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Kosuke Ito
青い光と煙に包まれながら2万人に向けられたオープニングは「カメレオン」。静かにたおやかに、美しい旋律を奏でていくメンバー。続いて、まさかの2曲目とは意表を突かれた「Hitman」。煌めくイントロダクションから儚さが放出され、一気にフロアの空気感が変わっていく。
ここで井口理(Vo・Key)が今日はじめてのMC。「“CLUB GNU EDITION”、お越しの皆さんこんにちは! King Gnuです。楽しんでますか? ファンクラブだけで2万人いるということは、すごいことらしいですよ。僕たちと皆さんとで、こんなしあわせな時間があるなんて。今日もよろしくお願いします!」と挨拶しながら「BOY」へ。まさに、心あたたかなポップソングだ。
続いて、勢喜遊(Drs・Sampler)によるカウントからポップにビートが疾走する「Sorrows」をプレイ。怒涛のロックパート「Vinyl」、「F.O.O.L」、「Flash!!!」をアッパーかつエモーショナルにキメていく。でかい会場であればあるほど、胸に響く安定感のある新井和輝(Ba)、そしてアタック感の強い手数の多いプレイが炸裂する勢喜による圧巻のリズム隊が映える。ここで、メンバーが一旦はけて第一部パートが終了。
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Kosuke Ito
突如、どこかで聴いたことのあるフュージョン・ソングにのせて、カートに乗った4人が参上。会場中央に突如浮き上がったセンターステージまで常田大希の運転で移動。センターステージに上がると4人が向き合いながらCLUB GNU会員限定ライブらしく、『RADIO GNU』としてお客さんから事前に募集したお便りに答えるコーナーへ突入。とてつもなくゆるい、ファンクラブならではの信頼感で通じ合ったフリーダムなトークに会場中が笑顔へ。ライブでのワイルドかつクールな世界観とは裏腹に、珍回答が続出するのもまたKing Gnuの魅力のひとつだ。
そして、魔法めいたポップセンスを嗅ぐわせるナンバー「Don’ t Stop the Clocks」、アコースティックにリアレンジされた「ロウラヴ」、「白日」、「傘」を演奏。向き合って演奏をする、4人のアイコンタクトに注目するのもまた楽しい。メロディーが活き活きと優しげに響いていく。
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Kosuke Ito
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Tomoyuki Kawakami
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Tomoyuki Kawakami
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Tomoyuki Kawakami
ラストへ向けてのハイライトは、常田が拡声器を片手にステージを闊歩しながらシャウトする「Slumberland」から火蓋を切る。ドラムソロからはじまるイントロダクションがインパクト強い、よりオルタナティブかつノイジーなアレンジに変化したライブ・バージョンだ。続いて、会場中が揺れ動く一体感でいっぱいのヘヴィなロックチューン「飛行艇」、ギターハーモニーがせつなきイントロに心を奪われる「Prayer X」、水面をたゆたうが如くドープなサウンドがたまらない「泡」、オペラのように物語がストーリーテリングされていく「三文小説」。そして、七色のレーザー照明とステージ上に掲げられたロゴの輝きがシンクロするポップアンセム「Teenager Forever」で完全にスパークするステージ。はち切れんばかりの感情、高鳴る思いを解き放つオーディエンスからこぼれ落ちる笑顔。そう、人は人智を超えた最高の演奏と歌声と向き合ったとき、鳥肌とともに思わず笑みが溢れるのだ。
鳴り止まない拍手で表現されるアンコール。メンバーが再びステージにあらわれ、井口が語り出した。「アンコールありがとうございます。やっぱ、等身大で4人でやってきたんですよ。自然な感じで、カッコつけもせず、無理もせず。そんな中、これだけの人が好きになってくれて。集まってくれるというのはとても嬉しいです。今回、大阪と東京の4公演でしたけど、愛されているなと。今後も変わらずこのままの4人でやっていきます。」
アンコールでは、ロック・オーケストラとでもいうべき分厚いサウンドに没入していく「逆夢」。歌詞における“訳もなく涙が溢れそうな 夜を埋め尽くす 輝く夢と成る”のフレーズが今夜の心情とも重なり合う。勢いそのままにラストは、CLUB GNU会員限定ライブということもあり、今夜はKing Gnu とファンの関係性を歌ったかのようにも聴こえた「一途」をプレイ。レーザーが縦横無尽に飛び交い降り注ぐ会場。サウンドとシンクロする光の美しさ。常田のギターカッティングが牽引するビート、そしてギターソロで爆裂する高揚感のヤバさ。力の限りを出し尽くす、ヒートアップするステージに目と耳と心を奪われっぱなしのオーディエンス。ものすごいライブを2万人が目撃したのだ。
思い出すのは、King Gnuのバンド名の由来でもある動物、ヌー(臭覚が鋭いといわれ、草食性で食料となる草原を求めて集団で大移動することで知られる)の存在だ。そう、King Gnuの群れは、仲間を巻き込んでどんどんデカくなってきた。その通過点のひとつがFC限定ライブ『King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION』である。そして、今年は夏フェスへの怒涛の出演、さらに伝説となるであろう東京ドーム公演へ向けて、さらなる快進撃がはじまろうとしている。
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Tomoyuki Kawakami
King Gnu Live Tour 2022 CLUB GNU EDITION 撮影=Tomoyuki Kawakami
文=ふくりゅう(音楽コンシェルジュ) 撮影=Tomoyuki Kawakami Kosuke Ito

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