INORAN、アルバム
『IN MY OASIS Billboard Session』
ダイジェスト視聴トレーラーを解禁
&楽曲解説も公開
LUNA SEAのギタリスト・INORANが、ソロ活動25周年を記念して、6月29日(水)にリリースするニューアルバム『IN MY OASIS Billboard Session』。今回、同作のダイジェスト試聴トレーラーが公開となった。
さらに楽曲解説も公開されたので、こちらと併せていち早く『IN MY OASIS Billboard Session』の世界に触れてほしい。
さらに楽曲解説も公開されたので、こちらと併せていち早く『IN MY OASIS Billboard Session』の世界に触れてほしい。
『IN MY OASIS Billboard Session』
ダイジェスト試聴トレーラー
【『IN MY OASIS Billboard Session』
楽曲解説】
LUNA SEAのギタリストINORANが、自身のソロ・ニューアルバム『IN MY OASIS Billboard Session』を完成させた。本作は通算16枚目のフルアルバムで、今年2022年は彼のソロ活動25周年の年となる。
アルバム・タイトルにある“Billboard Session”とは、世界基準のライブレストランBillboard LiveでINORANが2019年から定期的に行っている、4人編成のライブ。INORAN、葉山拓亮(piano)、Yui(violin)、島津由美(cello)というメンバーによって、ソロの代表曲が、歌と生楽器の音色を活かし、より優雅に洗練されたアコースティックなアレンジで演奏されてきた。
INORANは、Billboard Sessionについて「Billboard Liveのステージに立つことができ、幸運にもそれを続けることで、シンガーとして、ミュージシャンとして、本当に多くのものを得られた。ここは、自分にとって“掛け替えのない場所”のひとつ。だから、最新作には、この場所で培った要素を反映させたい」と語っていた。
新作『IN MY OASIS Billboard Session』は、Billboard Liveでの特別な演奏を音源化するというコンセプトのもと、INORAN、葉山、Yui、島津によって、Billboard Live YOKOHAMAでライブ・レコーディングを敢行し、完成した作品だ。
収録曲は、「raize」、「Beautiful Now」、「I swear」、「千年花」など、これまでのBillboard Sessionの定番であり、このライブのためにリアレンジされたキャリアを象徴する10曲、そして新曲、カバー曲を含めた全12曲となる。
印象的だったのは、序盤のM-1「raize」M-2「Daylight」などが特にそうだが、ボーカリストとしてのINORANの歌の説得力がさらに増したこと。この作品に至るまで、『Libertine Dreams』、『Between The World And Me』『ANY DAY NOW』というセルフプロデュース色の濃い3部作の制作や、様々なライヴ活動を経て、 “より表現力に富んだ歌”という、到達するべきビジョンを明確にしたであろうINORANの歌は、この新作『IN MY OASIS Billboard Session』でさらなる高みへと到達している。
もうひとつ重要なのは、INORAN自身と、共にアレンジを手掛けた鍵盤奏者・葉山とによる、オリジナルの世界観を忠実に反映させながらも、歌と生楽器の調和が見事な編曲である。
たとえば、M-1「raize」のAメロではJ.S.バッハの「無伴奏チェロ曲 第1番:プレリュード」の旋律、M-5「Starlight」のイントロではマイケル・ナイマンの『ピアノ・レッスン』を彷彿させる現代的な和声のアプローチ、M-9「Long Time Comin」ではワルツの影響を感じさせる優美な3拍子のリズムなど、クラシック音楽の要素が効果的に用いられたアレンジは特筆すべきものであり、人気曲M-8「千年花」のシンセサイザーとピアノをベースとしたニューエイジ的なアプローチは、INORAN独自の幻想的な曲の世界観を、より色濃く鮮明なものにしている。
INORANのソロ作品には、1stアルバム『想』収録の「Monsoon Baby」から現在に至るまで、女性ボーカルの歌声を効果的に活かした楽曲が数多くある。
本作では、M-4のカバー曲「Time After Time(feat.Mao Denda)」、ライブの定番曲M-6「Fading Memory(feat.Mao Denda)」、M-11の新曲「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」で、印象に残る女性ボーカルをフィーチャー。それらの曲に参加した実力派シンガー傳田真央の存在も、大きなポイントだ。
傳田は、著名なクラリネット奏者の父と、ピアニストの母という音楽一家に育ち、伝統的なクラシック音楽、90年代ロックやR&Bなど、幅広い音楽性を備え、LUNA SEAに大きな影響を受けたそうだ。彼女は、本作の制作前の今年3月14日、Billboard Live TOKYOで行われた、『INORAN 2022 PREMIUM ACOUSTIC LIVE –NO NAME? LIMITED DAY-』にも参加し、INORANとの共演で、見事で精妙なコーラスワークを披露していた。
本作では、シンディ・ローパーの「Time After Time」のカバーや、新曲「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」など、アルバム中盤以降の重要な曲で、実に堂々としたボーカルを披露。生の弦楽器を交えたアンサンブルだと、より正確な歌の音程が求められるが、傳田はそのスキルにおいても優れており、ピアノとストリングスを主体とした今回のアンサンブルにおいて、その声はよくマッチしている。
これまでBillboard Sessionでは、オアシスの「ワンダーウォール」、Mr.Childrenの「車の中でかくれてキスしよう」、米津玄師の「Lemon」など、洋楽、邦楽の様々な楽曲のカバーが披露されてきた。そういったライブのディテールを再現した本作で、INORANが「Time After Time」をカバーしたことは非常に興味深いが、彼が初めて購入したレコードが、シンディ・ローパーの「Time After Time」だったそうだ。本曲では、傳田の力強いボーカルが大いにフィーチャーされており、これも聴きどころのひとつだ。
新曲「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」は、INORANと傳田の叙情的で色彩豊かなコーラスが美しく、終盤における大きなハイライトとなる。
「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」は、10thアルバム『BEAUTIFUL NOW』収録の「All We Are」以来となる、全編日本語詞の壮大なナンバー。この曲は、INORANと傳田の歌の力、葉山、Yui、島津の叙情的な響きのアンサンブルなど、Billboard Sessionらしい音楽的な要素が、しっかりと内包されている。この曲の心地良い余韻を残しながら、ラストのM-12「Thank you」で、本作は優々たるエンディングを迎える。
ソロ活動25周年の節目の年に完成した最新作『IN MY OASIS Billboard Session』。彼にはロック、フォーク、エレクトロニカ、アンビエントなど、様々な音楽的素養があるが、本作のソフィスティケートされたメロウな世界観もまた、唯一無二の要素である。
本作『IN MY OASIS Billboard Session』リリース後は、7月9日(土)・10日(日)のBillboard Live TOKYO公演を皮切りに、アルバムの世界観を反映したライブツアー『INORAN IN MY OASIS Billboard Session』が開催される。鮮やかな輝きを放つ新作の曲たちが、ライブでどのように再現されるのか、その期待は今から高まるばかりだ。
Text by 細江高広
アルバム・タイトルにある“Billboard Session”とは、世界基準のライブレストランBillboard LiveでINORANが2019年から定期的に行っている、4人編成のライブ。INORAN、葉山拓亮(piano)、Yui(violin)、島津由美(cello)というメンバーによって、ソロの代表曲が、歌と生楽器の音色を活かし、より優雅に洗練されたアコースティックなアレンジで演奏されてきた。
INORANは、Billboard Sessionについて「Billboard Liveのステージに立つことができ、幸運にもそれを続けることで、シンガーとして、ミュージシャンとして、本当に多くのものを得られた。ここは、自分にとって“掛け替えのない場所”のひとつ。だから、最新作には、この場所で培った要素を反映させたい」と語っていた。
新作『IN MY OASIS Billboard Session』は、Billboard Liveでの特別な演奏を音源化するというコンセプトのもと、INORAN、葉山、Yui、島津によって、Billboard Live YOKOHAMAでライブ・レコーディングを敢行し、完成した作品だ。
収録曲は、「raize」、「Beautiful Now」、「I swear」、「千年花」など、これまでのBillboard Sessionの定番であり、このライブのためにリアレンジされたキャリアを象徴する10曲、そして新曲、カバー曲を含めた全12曲となる。
印象的だったのは、序盤のM-1「raize」M-2「Daylight」などが特にそうだが、ボーカリストとしてのINORANの歌の説得力がさらに増したこと。この作品に至るまで、『Libertine Dreams』、『Between The World And Me』『ANY DAY NOW』というセルフプロデュース色の濃い3部作の制作や、様々なライヴ活動を経て、 “より表現力に富んだ歌”という、到達するべきビジョンを明確にしたであろうINORANの歌は、この新作『IN MY OASIS Billboard Session』でさらなる高みへと到達している。
もうひとつ重要なのは、INORAN自身と、共にアレンジを手掛けた鍵盤奏者・葉山とによる、オリジナルの世界観を忠実に反映させながらも、歌と生楽器の調和が見事な編曲である。
たとえば、M-1「raize」のAメロではJ.S.バッハの「無伴奏チェロ曲 第1番:プレリュード」の旋律、M-5「Starlight」のイントロではマイケル・ナイマンの『ピアノ・レッスン』を彷彿させる現代的な和声のアプローチ、M-9「Long Time Comin」ではワルツの影響を感じさせる優美な3拍子のリズムなど、クラシック音楽の要素が効果的に用いられたアレンジは特筆すべきものであり、人気曲M-8「千年花」のシンセサイザーとピアノをベースとしたニューエイジ的なアプローチは、INORAN独自の幻想的な曲の世界観を、より色濃く鮮明なものにしている。
INORANのソロ作品には、1stアルバム『想』収録の「Monsoon Baby」から現在に至るまで、女性ボーカルの歌声を効果的に活かした楽曲が数多くある。
本作では、M-4のカバー曲「Time After Time(feat.Mao Denda)」、ライブの定番曲M-6「Fading Memory(feat.Mao Denda)」、M-11の新曲「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」で、印象に残る女性ボーカルをフィーチャー。それらの曲に参加した実力派シンガー傳田真央の存在も、大きなポイントだ。
傳田は、著名なクラリネット奏者の父と、ピアニストの母という音楽一家に育ち、伝統的なクラシック音楽、90年代ロックやR&Bなど、幅広い音楽性を備え、LUNA SEAに大きな影響を受けたそうだ。彼女は、本作の制作前の今年3月14日、Billboard Live TOKYOで行われた、『INORAN 2022 PREMIUM ACOUSTIC LIVE –NO NAME? LIMITED DAY-』にも参加し、INORANとの共演で、見事で精妙なコーラスワークを披露していた。
本作では、シンディ・ローパーの「Time After Time」のカバーや、新曲「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」など、アルバム中盤以降の重要な曲で、実に堂々としたボーカルを披露。生の弦楽器を交えたアンサンブルだと、より正確な歌の音程が求められるが、傳田はそのスキルにおいても優れており、ピアノとストリングスを主体とした今回のアンサンブルにおいて、その声はよくマッチしている。
これまでBillboard Sessionでは、オアシスの「ワンダーウォール」、Mr.Childrenの「車の中でかくれてキスしよう」、米津玄師の「Lemon」など、洋楽、邦楽の様々な楽曲のカバーが披露されてきた。そういったライブのディテールを再現した本作で、INORANが「Time After Time」をカバーしたことは非常に興味深いが、彼が初めて購入したレコードが、シンディ・ローパーの「Time After Time」だったそうだ。本曲では、傳田の力強いボーカルが大いにフィーチャーされており、これも聴きどころのひとつだ。
新曲「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」は、INORANと傳田の叙情的で色彩豊かなコーラスが美しく、終盤における大きなハイライトとなる。
「Glorious Sky(feat.Mao Denda)」は、10thアルバム『BEAUTIFUL NOW』収録の「All We Are」以来となる、全編日本語詞の壮大なナンバー。この曲は、INORANと傳田の歌の力、葉山、Yui、島津の叙情的な響きのアンサンブルなど、Billboard Sessionらしい音楽的な要素が、しっかりと内包されている。この曲の心地良い余韻を残しながら、ラストのM-12「Thank you」で、本作は優々たるエンディングを迎える。
ソロ活動25周年の節目の年に完成した最新作『IN MY OASIS Billboard Session』。彼にはロック、フォーク、エレクトロニカ、アンビエントなど、様々な音楽的素養があるが、本作のソフィスティケートされたメロウな世界観もまた、唯一無二の要素である。
本作『IN MY OASIS Billboard Session』リリース後は、7月9日(土)・10日(日)のBillboard Live TOKYO公演を皮切りに、アルバムの世界観を反映したライブツアー『INORAN IN MY OASIS Billboard Session』が開催される。鮮やかな輝きを放つ新作の曲たちが、ライブでどのように再現されるのか、その期待は今から高まるばかりだ。
Text by 細江高広
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