今井翼は感無量の涙、YOSHIKIからの
感謝のコメントも 映画『TELL ME ~
hideと見た景色~』完成披露上映会レ
ポート

6月15日(水)、『TELL ME ~hideと見た景色~』完成披露上映会が東京・新宿バルト9 シアター9にて行われ、今井翼塚本高史JUON、塚本連平監督、原作者の松本裕士氏が登壇した。
『TELL ME ~hideと見た景色~』は、hideの実弟・松本裕士氏の著書『兄弟 追憶のhide』(講談社文庫刊)をもとにした映画。1998年5月2日、X JAPANのギタリストとして、ソロアーティスト(hide with Spread Beaver/zilch)として活躍していた、日本を代表するロックミュージシャンhideが急逝。葬儀には約5万人が訪れ、日本中が早すぎる別れに涙し社会現象に。hideのマネージャーを務める弟・松本裕士(ひろし)は、兄hideと過ごした子供時代から今までの日々を思い返していた。制作途中だったアルバム、そして、すでに決定していた全国ツアー、hideの音楽を世に届けたい。兄の意志を継いだ裕士は、hideと二人でソロ楽曲を制作していたhideの共同プロデューサーI.N.A.ら仲間たちとともに動き出す。hide本人不在という異例の状況下で奮闘する裕士とI.N.A.だったが、彼らの前に様々な困難が立ちはだかる。
イベント冒頭、X JAPANのリーダーでhideの盟友であるYOSHIKIから「hideの遺した音楽や芸術を、こうして世の中に語り継いでくれることに感謝します。YOSHIKI」とコメントが届いたことが明かされると、自身もX JAPANのファンである今井は「hideさんはもちろんですけど、僕はX時代からYOSHIKIさんのこともすごく好きなので、(hideの)1番近くでたくさんの時間をともにしたYOSHIKIさんからこのようなお言葉をいただけて感無量ですね……。嬉しいです」と感慨深げに語った。
YOSHIKI
また、本作で映画初主演を果たした今井は「今回(大好きな)hideさんにまつわる作品かつ、裕士さんに焦点を当てた作品ということで、ありがたい思いと同時に、しっかりと自分なりに意志を持って描いていきたいと、そう思いました」と胸の内を語る。さらに、責任の重大さについて声をかけられると「僕以上に、hideさん役を演じたJUON君の勇気というのもすごくあったと思うんです」とJUONを称え、会場からは温かい拍手が起こった。
今井翼
これに、hideを演じたJUONは「(髪の毛は)映画が公開するまではピンク色でいようと思っているんですが、hideを演じるにあたって、自分も同じギター&ヴォーカリストということで、非常に光栄なことでしたし、1秒1秒、愛しい時間が撮影中にも流れていたので、hideのことを毎日思いながら過ごしていくのは、非常に貴重なことですし、僕もミュージシャンとしてこの上ない喜びでした」と吐露。精神面について、「冷静になればなるほどプレッシャーを感じちゃうものなんですが、不思議とプレッシャーをそこまで感じなかったというか、嬉しい気持ちがそれを優った感じがしています」と語った。
JUON
hideの共同プロデューサーI.N.A.を演じ、自身も熱烈なhideのファンである塚本について、今井は「高史くんの存在は役者としてはもちろんなんですが、これだけhideさんを愛して、崇拝しているからこそ、衣装にしてもギターにしても、細かいところに高史くんの意見があって、極力、忠実にというところに向かって行けたのは、高史くんの存在の大きさを感じています」とコメント。塚本は「現場でも監督にいろいろ言っちゃいましたけど、僕がこの作品を受けさせてもらって、1番の僕の中のテーマは、hideちゃんのファンに嘘のないように、僕が見てきたずっと好きな人のファンの人を裏切らないものにしたいというのが僕の中にありました」と明かした。
塚本高史
I.N.A.と裕士が記者会見をするシーンでは、撮影場所の関係上、2人が会場に入ってくる方向が本来とは逆だったところ、塚本の提案により本来と同じ方向から登場するシーンになったという。これについて、塚本は「それを監督が現場ですんなり受け入れてくれて、それも採用してくれた監督の懐の深さだったり、柔軟に対応していただいたおかげで、僕も翼くんも現場で多くを語らず芝居で会話ができてよかったなと思います」と塚本監督に感謝した。
塚本連平監督
また、どこに焦点を当てて映画作りをしていったのか尋ねられた塚本監督は、原作を何度も読んだり、ドキュメンタリーを見たりしてかなり調べたとのこと。その結果を、「カリスマとしてのhideさんというよりは、普通の人、普通の兄弟という部分のhideさんが気になって、そこに思いを強く持ったかなと思います」と打ち明けた。
さらに、hideにまつわる思い出や想いを聞かれた今井は「ファン想いな人だったと思います。それから、弟でパーソナルマネージャーである裕士に厳しいんだけど、そこにも愛があって、憎めないユーモアのある方で、だから今もファンの方はhideさんが生きがいになっているんだなと思いました」と回答。本作のオファーが来る前にhideが生前、よく通っていたバーに行くことが度々あったそうで「彼との縁もそうなんですけど、その空間で過ごした時間というのもhideさんをすごく感じることがあって、今、客席を見ても海外のファンの方がいらっしゃるように、海外からそのお店に来るファンの方がいたりして、hideさんがたくさんの人に愛されていたことを感じました」と明かした。加えて「横須賀にあるお墓に、クランクインする前に今回やらせていただくことをご報告させていただきましたが、そこでより身の引き締まる想いになりました」と語っている。
イベント後半には、原作の松本裕士氏がサプライズ登壇し、今井に花束を贈呈する一幕も。自身の役を演じた今井と初対面した松本氏は「大変な役をやっていただき本当にありがとうございます。感謝しております。ありがとうございます。やっと会えました。お三方、本当に大変だったと思います。監督もありがとうございます」と何度も感謝を伝えた。また、今井は「なかなかお会いする機会がなくて、僕は裕士さんの原作本を読んで自分なりに準備をして、台本をいただいて、監督に支えていただき、いろんな役者さんとともにこの撮影を歩み抜くことができました。自分で言うことじゃないんですけど……」と涙で声を詰まらせる。そして、「この役を演じるのはすごく難しくて、複雑で、当時、裕士さんが抱かれたつらさとか、そういうことを考えれば考えるほど“これでいいのかな”とか不安になったりしましたが、自分なりに裕士さんが当時感じていた思いをどこまで描けるかわからないけど、とにかく丁寧に演じたいという思いで演じさせていただいたので、今日お会いできたことはもちろんですが、このようなお言葉をかけていただけて、本当にこの作品に巡り会えてよかったなと思っています」と語り、涙を拭った。
松本裕士氏
これを受け、松本氏は「試写でマスクをして、始まった途端に号泣し、忘れかけていた思い出がたくさん蘇って、初めから終わりまでずっと号泣でした。本当にありがとうございました」と頭を下げた。イベント終盤には、会場にはキャスト陣への割れんばかりの拍手が鳴り響き、イベントは盛況のうちに幕を下ろした。
『TELL ME ~hideと見た景色~』は、7月8日(金)全国ロードショー。

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