【ネクライトーキー インタビュー】
大丈夫になる方法を探しながら
歌を作っていて、
それは今も続いている
自分だけが停滞している
感覚がすごくあった
また、「サカナぐらし」と「君はいなせなガール」は歌っている気持ちが似ているというか。心の中で文句を言ったり、不満を持っているけど、現実では何もできていない自分を描いていて、どちらも2012年に石風呂として発表された曲なんですよね。
朝日
10年前なのでいろいろあるとは思いますけど、音楽をやっていくこと自体が難しい中で、同世代のバンドもボカロで作っている人も、売れていく奴は売れていくんですよね。分かりやすいので言うと、ずっとぼんやりとした不安みたいな、自分だけが停滞している感覚がすごくあったと思います。
『MEMORIES2』の他の曲も鬱々としていたり、“見返してやる!”という想いとか、「ロック屋さんのぐだぐだ毎日」「午前3時のヘッドフォン」にはどっちも中学時代のことがチラッと入ってきたりと、石風呂の曲は朝日さんのモードや生活感が出ていると思います。
朝日
思春期の頃の音楽はずっと覚えているって話がよくあると思うんですけど、思春期の頃の嫌な思い出もずっと覚えているからなんですよね。それを見返してやりたいという気持ちで作ってはいたのですが、それは表面的な部分であって、自分をバカにしていた奴らに対して何かを叩きつけることで解決するのかと考えると分からない。見返したい先には、自分の心の難しい部分がちゃんと大丈夫になりたいというのがあるんだと思います。だけど、自分の中ではなく外のものに責任を求めたり、原因を見つけて、それを叩き壊して大丈夫になりたいんだっていう歌をずっと作っていたんですよね。今となっては“お前をバカにしてた奴らは、たぶん全然聴いてねえぞ”って思うんですけど(笑)。どこかでそれは分かっていても、なんか悔しいから、大丈夫になる方法を探しながら歌を作っていて、それは今も続いているんだと思います。変わっているようで変わっていないですね。
今はよりポップな表現にはなっていると思うんですけど、似ている部分があるからこそ、10年前の曲をセルフカバーしてもしっかりネクライトーキーの作品になるのだと思います。最後に入っている「だれかとぼくら」は2021年に発表した石風呂の曲ですが、これはなぜ石風呂で発表したのでしょう?
朝日
急にできた曲で、“明日これを出したい”と思ったんですよね。バンドでやっているとレコーディングをしたりとか、リリースの準備があるので作ってから出るまでに何カ月か間が空いたりするんですけど、明日出すには石風呂しかなかったので。この曲を作った昨年の1月は本当にモヤモヤした時期で、僕だけじゃないと思うんですけど、“何かをしたい”という気持ちだけでできた、急に叫びたくなって叫んだような曲です。
『MEMORIES2』は2011年にできた曲から、21年にできて即発表した曲まで収録されたわけですが、改めて思ったことはありますか?
タケイ
1stの『ONE』(2018年12月発表)からネクライトーキーが続いていく中で、これまでにもいろんな面を出してきたと思います。今回は「深夜の街にて」でまた新しい扉を開いた感じがありますし、改めていろんな顔があるバンドだというのが『MEMORIES2』を聴いて感じてもらえるのではないかと思います。
もっさ
10年経った2022年でも相変わらずいい曲ばかりです! 私はネクライトーキーを組む前から石風呂さんの曲が好きで聴いていたので、今もその時と変わらない気持ちで歌えて良かったです。
朝日
曲の思い入れは話しましたが、プレイヤー視点だと今作は特に音がいいんですよ。気持ち良く聴けるので、そこも楽しんでもらえたらと思います。
取材:千々和香苗
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ミニアルバム『MEMORIES2』2022年6月15日発売
SMAR studio NUI
『ネクライトーキー「MEMORIES2」リリースツアー「ゴーゴーメモリーズ!2022 夏」』
6/25(土) 千葉・LOOK
6/30(木) 岡山・YEBISU YA PRO
7/02(土) 広島・SECOND CRUTCH
7/03(日) 香川・DIME
7/09(土) 石川・金沢AZ
7/10(日) 長野・LIVEHOUSE ALECX
7/15(金) 北海道・PENNY LANE24
7/23(土) 長崎・DRUM Be-7
7/24(日) 福岡・DRUM Be-1
7/30(土) 青森・Quarter
7/31(日) 宮城・Darwin
8/04(木) 大阪・BIG CAT
8/05(金) 愛知・THE BOTTOM LINE
8/17(水) 東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
8/18(木) 東京・LIQUIDROOM
ネクライトーキー:2017年にギターの朝日が中心となって結成。19年3月に初回ライヴよりすべてのライヴサポートを行なっていたキーボードの中村郁香が正式加入し、現体制となる。ボカロP“石風呂”名義でも活動する朝日による軽快なロックサウンドと、あどけなくも鋭く響くもっさのヴォーカルが印象的。20年1月にアルバム『ZOO!!』でメジャーデビュー。21年5月にアルバム『FREAK』、22年6月に石風呂の楽曲をネクライトーキーでリアレンジしたセルフカバーミニアルバム『MEMORIES2』をリリース。23年8月にEP『踊れ!ランバダ』を発表、11月に配信シングル「bloom」をリリースした。24年2月に2年9カ月ぶりとなるオリジナルアルバム『TORCH』を発表後、5月よりリリースツアー『ゴーゴートーキーズ! 2024』を開催する。ネクライトーキー オフィシャルHP
「君はいなせなガール
(feat.日本松ひとみ)」MV
「魔法電車とキライちゃん」
LIVE at 日比谷野外音楽堂
『MEMORIES2』trailer