2022年6月5日 at 東京・渋谷CLUB QUATTRO

2022年6月5日 at 東京・渋谷CLUB QUATTRO

【CIMBA ライヴレポート】
『CIMBA ONE MAN LIVE
「GOOD LOVE BAD LOVE」』
2022年6月5日
at 東京・渋谷CLUB QUATTRO

2022年6月5日 at 東京・渋谷CLUB QUATTRO
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 2020年、新型コロナウイルスの急速な感染拡大により、私たちの生活は一変した。自宅待機を余儀なくされ、誰もが見えない暗闇を彷徨った。アーティストは次々と予定していたライヴを中止・延期せざるを得なくなり、CIMBAも夏にワンマンライヴを開催するはずだったが、告知すらできないまま延期に。これまでライヴに重きを置いていたCIMBAにとって、とにかく悔しい出来事だったはずだ。あれから2年の時が経ち、2022年6月5日、ついに念願のワンマンライヴ『GOOD LOVE BAD LOVE』を東京・渋谷CLUB QUATTROで開催することになった。

 関係者受付へ行くとパープルのサイリウムを渡され、“よろしければ、ライヴ中に振ってください”とのこと。場内へ足を踏み入れると、開演前からすでに賑わっていた。前列では女性ふたりがステージを指差して“なんか、家みたいだね”と話していたので目をやると、確かにライヴにしては異様な光景が広がっている。ステージ上にペルシャ絨毯が敷かれており、その上にはシングルベッド、革張りのソファーとムートン風のラグマット。ローテーブルに観葉植物など、まるで誰かの部屋を模したような装い。今日はどんなライヴになるのだろうかと、観客は期待に胸を膨らませていた。

 開演時刻になり、まずはサポートメンバーのMAKO-T(Key)とテッタ(Gu)がステージに姿を見せた。スピーカーから“10、9、8…”とカウントダウンのアナウンスが流れ、一気にフロアーがざわつき始める。主役のCIMBAが登場し、待ちに待ったワンマンライヴは《随分と待たせたな ladies》と歌い出す「遊んでるLIFE」で幕を開けた。

 CIMBAの“オーケー、始めますか東京! みんなライトを持ってるでしょ? 遊んで行こうよ”という合図で、観客が一斉にサイリウムを掲げる。ビーム光線のような照明が会場の四方八方を照らし、フロアーがピンク色に染まると、渋谷CLUB QUATTROがネオンのクラブと化した。その後、“ちょっと懐かしいのいくよ”と言って2012年発表の「ANGEL」、2010年発表の「Neva Eva」、2012年発表の「LAST MAN」をショートver.アレンジで立て続けに披露。

 MCになり“こういうご時世だからいろんな制限があってさ。このワンマンライヴに関しても、実は2年も延期してるんです…”と寸時の間を作り、CIMBAは喜びを噛み締めるように発した。そして、“やっとこのステージでライヴができることになりました。こういう状況の中、集まってくれて本当にありがとうございます”と感謝の念を伝えると、今度はステージを振り返り“めちゃくちゃいいでしょ? 実は今日“俺の家にみんなを招待した”というコンセプトでやっています”と明かした。“ほとんど俺の私物なんです。だから、今日は俺の家に来てもらった感じで進めていきますので、みなさんもリラックスして、ルールを守りながら楽しい夜にしましょう”と続ける。

 ここから観客の興奮はさらに加速していく。ボディコン姿の美女ふたりがステージに現れて「イイカンジ」「BONITA」「NANDEMOARI」を歌うCIMBAの後ろで腰を振ったり、髪を掻き上げたりして、まるで目の前で新作のMVを観ているかのような光景だった。

 さらにゲストが登場! まずはKOWICHIとStaxx Tがステージに現れて「ファンデーション」を歌唱。Staxx Tが“またあとで”と言って袖へはけると、ステージ上はCIMBAとKOWICHIのふたりに。“KOWちゃん、久しぶりにアレをやりますか?”というひと言から11曲目「NETFLIX&CHILL」へ。このタイトルはインターネットスラングの一種で“Netflixを観て寛ごう”と直訳できる一方、ベッドへ誘う合図でもあり、やはりふたりのリリックにも《このドラマの最終回 途中で服を脱がす》と妖艶なワードが盛り込まれていて、会場もアダルトな雰囲気に包まれた。

 そんな大人な空気をより深めるように「Sex Dreams」をかます。そして、“友達を紹介するぜ”とBALA SBKNを迎え入れ、スパニッシュなアコギの演奏で始まる「ベッドフレンド」を歌い上げる。続けて今度はすーたむわーるどがステージに上がり、「Fuck you but I love you」を歌唱。途中、CIMBAが“こういう時代だから、みんな言いたいことあるだろ? いっぺん中指を突き立ててみ?”と観客が中指をステージに向けると、すかさずすーたむわーるどが“Fuck you!”と叫び、指でラブのポーズを作る。CIMBAは“そう! ファックをラブに変えていこうぜ”と声高らかに投げかけた。

 次に、宏実が登場し「セフレって言わない」をライヴで初披露すると、“…ひっでえ曲だよな(笑)。俺、宏実さんの家族のことみんな知ってるじゃん。お母さんもお姉ちゃんもお姉ちゃんの旦那さんもさ。まずそこに謝りたいよね”とCIMBAが冗談半分に言えば、宏実も“本当だよ! スタッフさんもさ、このタイトルのせいでラジオで流しづらいって言ってたよ(笑)”と笑いを誘う。CIMBAが宏実との関係を振り返り“かれこれ10年以上の関係ですよね。ずっと一緒にやらせてもらっている先輩なんですけど、懐かしいのを一曲歌わせてもらってもいいですか?”と言うと、フロアーから興奮気味の声が漏れる。演奏が始まるとそれまでの和やかな空気から一変、かけがえのない愛を歌うバラード「奇跡」が始まった。この曲をリリースしたのは2010年のこと。12年の時を経て、ふたりの歌声は強度を増して、切なさの中に力強さも加わっていた。

 この日、もっとも笑いが起きたのはt-Aceとの共演の場面。「答えのないLOVE」の演奏が始まると、袖から“エロ神”のロゴをあしらったヴェルサーチェのバスローブを羽織り、手には大きなワイングラスを持ったt-Aceがお出まし。“どうも、エロ神クズおです。(CIMBAに向かって)こんなにサービスしてくれる先輩はおらんぞ!”と言うと、タジタジになるCIMBA。続けてt-Aceが“今日はCIMBAくんのワンマンに呼ばれたんですよね、僕は”と観客に話しかけるが、反応がなかったため“無視か、コラ(笑)”と凄みを利かせると、すぐさま“しゃべっちゃダメなんだよ(笑)”とCIMBAがフォロー。“あっ、ごめんごめん(笑)…SAY hoo!”と無茶振りをすると、再びCIMBAが“バカバカ!”とレスポンスしようとした観客を制した。t-Aceの“飛び跳ねられる奴はどのくらいいんの?”という流れから「アイニイク pt.2」へ。床が抜けるのではと思うほど、飛び跳ねる観客。その光景は熱気と狂気を孕んだカオスな状況で、ひと言で言えばお祭り騒ぎである。

 再びStaxx Tがステージに姿を見せると、CIMBAが“Staxx Tは今回のアルバムで、いろいろやってくれたよね。一緒に作ったあの曲が一番好きで何度も聴いてるよ”という紹介から「起きてよハニー」をライヴで初披露。レゲエサウンドを想起させる心地の良いビートで、Staxx Tも思わず“超気持ち良いー!”と興奮を露にした。今度はStaxx Tの相方Minamiも加わり、CREAMとCIMBAで「セミダブル」。Minamiの透明感とハスキーがかった声に、Staxx Tの小気味よく入るラップ、CIMBAの癖のない真っ直ぐなヴォーカルが三位一体となり、各々の個性を発揮していた。

 ここでCIMBAが神妙な面持ちでマイクを握る。“今の世の中、変だなと思うよね。SNSを見ても誰かを攻撃するような内容が目立つ。コロナ禍になってから、俺の近くで知り合いが亡くなったのもあった。今、どこかで戦争があったり、どこかの国では子供が食べていくことができないとか、問題がたくさんある。だけどさ、世界平和とか正直無理じゃん。手の届く範囲でいいと思うの。隣にいる人とか誰でもいいからさ、しんどい人を攻撃するんじゃなくて、その人を愛して守る。世界平和じゃなくていいから、家族、恋人、友達とか目の前にいる人を守って、誰のことも攻撃しない。そしたらもっと良くなると思うの。俺にもそういう人がいて、この曲を作りました”と言って歌ったのは「BABY DON’T CRY」。フロアーにしっとりと心の雨を降らせたところで、TAK-Z、CHEHONを招き「イイ女 エエ女」で一気に絶好絶景の晴天なテンションに引き戻した。

 終盤を迎え、改めてCIMBAが今回のワンマンを振り返った。“アルバムもライヴも延期して、いつまでこれが続くんだよとずっと思っていたから、今日はここ数年でマジで一番いい日です。今日は集まってくれてありがとうございました! また会いましょう”と、観客との別れを惜しみつつ選んだ最終曲は「ベイビーバイバイ」。コロナ禍をきっかけに、一時期ライヴは配信が主流となった。画面の向こうでカメラに向かって歌うアーティスト、その模様を自宅で鑑賞するリスナー。お互いが同じ空間にいて、目と目を合わせて音楽を共有することがアナログと言われるようになった。この日、CIMBAや共演アーティスト、スタッフ、何より観客はそのアナログを何より大事にしていたように思う。その場でしか起きないやりとり、生だからこそ生まれる熱気、その全てが2時間に凝縮されていたのだ。

撮影:Shinya Tanaka(TOKYO FOTO PRESS)
取材:真貝聡


セットリスト

  1. 1.遊んでるLIFE
  2. 2.本気じゃない
  3. 3.ポニテガール
  4. 4.ANGEL
  5. 5.Neva eva
  6. 6.LAST MAN
  7. 7.イイカンジ
  8. 8.BONITA
  9. 9.NANDEMOARI
  10. 10.ファンデーション (with KOWICHI, Staxx T)
  11. 11.NETFLIX&CHILL (with KOWICHI)
  12. 12.Sex Dreams
  13. 13.ベッドフレンド (with BALA SBKN)
  14. 14.Fuck you but I love you (with すーたむわーるど)
  15. 15.JIMMY CHOO
  16. 16.セフレって言わない (with 宏実)
  17. 17.奇跡 (with 宏実)
  18. 18.Call
  19. 19.何度でも君に恋をする
  20. 20.REPLAY ~next lifetime~
  21. 21.答えのないLOVE (with t-Ace)
  22. 22.アイニイク pt.2 (with t-Ace)
  23. 23.ビデオ (with t-Ace, Staxx T)
  24. 24.起きてよハニー (with Staxx T)
  25. 25.セミダブル (with CREAM)
  26. 26.BABY DON’T CRY
  27. 27.イイ女 エエ女 (with TAK-Z, CHEHON)
  28. 28.ベイビーバイバイ
CIMBA プロフィール

シンバ:シンガー、ソングライター、プロデューサーとして活動。危険な香りが漂うビジュアルとセクシーで甘い歌声、メッセージ性の強いリリックでR&B、ヒップホップシーンにおいて絶大な人気を誇る。少年時代をブラジルのリオ・デ・ジャネイロで過ごし、エレクトーン奏者であった母の影響で音楽の道へ。2009年12月に発表したシングル「REPLAY」が、現在YouTubeで600万回再生を超えるスマッシュヒットを記録し、CIMBAの人気の導火線となった。国内外、ジャンルを問わずアーティストからのフィーチャリングオファーが殺到し、CIMBAが今までに客演参加した楽曲は50曲を超える。オフィシャルHP

OKMusic編集部

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