【小田和正 リコメンド】
2022年、初夏、
小田和正の歌が聴こえる。
自己ベストのその先へ、
旅はまだ続く
7曲目は「こんど、君と」(NHK『みんなのうた 60』記念ソング)。放送開始から60年、歌は世に連れ世は歌に連れ、さまざまな名曲を生み出しながら今も健在の『みんなのうた』を祝福する記念ソングとして書き下ろされたこの曲は、番組の60年に向けた想いとコロナ禍に対する気持ちという、“色合いの違うふたつの内容をいかに紡いでいくか”をテーマにしたもの。足取り軽く散歩するようなリズム、涼やかな風のようにさわやかなアコースティックギター、柔らかな日差しのようなストリングスに彩られた、どんなことがあっても一歩ずつ前に進もうと誓う。《歌は 友だちのように/いつも 励ましてくれた》―50年以上のキャリアを持つアーティストで、こんな歌詞を素直に歌ってさまになる人が他にいるだろうか。小田和正は本当に貴重な存在だ。
アルバムはそろそろ終盤を迎える。「この日のこと」は2001年にスタートしたTBS音楽特番『クリスマスの約束』のテーマ曲として書き下ろした曲で、第一回放送から多くのゲストアーティストとともに歌い継がれてきた思い出の名曲をソロによる最新ライヴバージョンで収録している。荘厳なシンセサイザーの響き、端正なピアノ、そこに乗る語りかけるようなやさしいトーンの澄み切った歌声、曇りないハイトーン…それはいつどの時代であっても決して変わらない、小田和正らしさの象徴と言える。現在はおそらく親子三世代に広がっているであろう、ファンが共通して口ずさめる一曲として、この曲の存在はとても重く、そして愛しい。
さぁ、いよいよラスト一曲だ。フジテレビ系『めざましテレビ』テーマソング「会いに行く」は小田にとって2度目の同番組への提供楽曲になる。2008~2009年にオンエアされた「今日も どこかで」は、朝の目覚めによく似合うアコースティックギターとピアノのさわやかな響きに、ハープや弦楽器を添えたアンサンブルが心地良い一曲だった。そして、その10年後に作られた「会いに行く」は、変わらぬ心地良さにエレクトリックギターと力強いドラムを加えて、10年前よりもむしろパワフルな印象を与える躍動的な仕上がりだ。番組スタッフの全国の視聴者とつながりたいという想いと、自分が全国ツアーで“待っている人たちのところへ行くんだ”という想いを重ねて、この歌詞が生まれたと彼は語る。どんなにつらいことがあったって、夜が明ければ必ず朝は来る。新しい朝に会いに行く全ての人に贈る、これは小田和正からの素敵なメッセージソング。8年振り10作目のアルバムのラストを飾るに相応しい、明るい希望にあふれたこの曲で『early summer 2022』は幕を閉じる。
現在、小田は全国15カ所、32公演、30万人動員をするアリーナツアー『明治安田生命 Presents Kazumasa Oda Tour 2022 「こんど、君と」』の真っ最中。6月3日に始まったツアーは、初夏から夏、夏から秋を駆け抜けて、ファイナルである11月8日&9日の神奈川・横浜アリーナまで、およそ5カ月にわたって日本全国を回る。9月20日の誕生日を過ぎれば75歳となり、“国内アーティスト史上最年長のアリーナツアーのファイナル”ということになるはずだが、それはおそらく通過点に過ぎない。『early summer 2022』収録曲のように、色褪せないエバーグリーンな名曲を次々と生み出しながら、自己ベストを更新していく足取りは、とても確かなものだ。風を待って、この道を、どこまでも遠く、ナカマとともに、会いに行く、この日のことを、忘れないでおこう。彼の旅はまだ続く。
アルバムはそろそろ終盤を迎える。「この日のこと」は2001年にスタートしたTBS音楽特番『クリスマスの約束』のテーマ曲として書き下ろした曲で、第一回放送から多くのゲストアーティストとともに歌い継がれてきた思い出の名曲をソロによる最新ライヴバージョンで収録している。荘厳なシンセサイザーの響き、端正なピアノ、そこに乗る語りかけるようなやさしいトーンの澄み切った歌声、曇りないハイトーン…それはいつどの時代であっても決して変わらない、小田和正らしさの象徴と言える。現在はおそらく親子三世代に広がっているであろう、ファンが共通して口ずさめる一曲として、この曲の存在はとても重く、そして愛しい。
さぁ、いよいよラスト一曲だ。フジテレビ系『めざましテレビ』テーマソング「会いに行く」は小田にとって2度目の同番組への提供楽曲になる。2008~2009年にオンエアされた「今日も どこかで」は、朝の目覚めによく似合うアコースティックギターとピアノのさわやかな響きに、ハープや弦楽器を添えたアンサンブルが心地良い一曲だった。そして、その10年後に作られた「会いに行く」は、変わらぬ心地良さにエレクトリックギターと力強いドラムを加えて、10年前よりもむしろパワフルな印象を与える躍動的な仕上がりだ。番組スタッフの全国の視聴者とつながりたいという想いと、自分が全国ツアーで“待っている人たちのところへ行くんだ”という想いを重ねて、この歌詞が生まれたと彼は語る。どんなにつらいことがあったって、夜が明ければ必ず朝は来る。新しい朝に会いに行く全ての人に贈る、これは小田和正からの素敵なメッセージソング。8年振り10作目のアルバムのラストを飾るに相応しい、明るい希望にあふれたこの曲で『early summer 2022』は幕を閉じる。
現在、小田は全国15カ所、32公演、30万人動員をするアリーナツアー『明治安田生命 Presents Kazumasa Oda Tour 2022 「こんど、君と」』の真っ最中。6月3日に始まったツアーは、初夏から夏、夏から秋を駆け抜けて、ファイナルである11月8日&9日の神奈川・横浜アリーナまで、およそ5カ月にわたって日本全国を回る。9月20日の誕生日を過ぎれば75歳となり、“国内アーティスト史上最年長のアリーナツアーのファイナル”ということになるはずだが、それはおそらく通過点に過ぎない。『early summer 2022』収録曲のように、色褪せないエバーグリーンな名曲を次々と生み出しながら、自己ベストを更新していく足取りは、とても確かなものだ。風を待って、この道を、どこまでも遠く、ナカマとともに、会いに行く、この日のことを、忘れないでおこう。彼の旅はまだ続く。
文:宮本英夫
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