荒井岳史、村松拓、Keishi Tanaka、
ホリエアツシによるアコースティック
ライブ『四絃一撥ノ巻』大阪初上陸、
初の野外開催でゴキゲンにコラボも

『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』2022.5.4(WED)大阪・服部緑地野外音楽堂
荒井岳史the band apart)、Keishi Tanaka村松拓Nothing's Carved In Stone)、ホリエアツシストレイテナー/ent)によるアコースティックライブイベント『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』が5月4日(水祝)、大阪・服部緑地野外音楽堂にて開催された。
『四絃一撥ノ巻』(通称:シゲイチ)は、2017年に東京・TSUTAYA O-EASTで開催されたアコースティックライブ『虎渓三笑ノ巻』を発端に、2018年から毎年開催されてきた人気イベント。ギターとともに全国各地を気ままに行脚してきた4人がついに大阪へ初上陸した。関西公演は、2019年の神戸以来となり、さらにシゲイチ初の野外開催とあって、眩い新緑に包まれた服部緑地野外音楽堂はお祭りムードに。
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
会場後方には、4人のイラストがプリントされたオリジナルTシャツやフードメニューのシゲイチセット(ドリンク+おつまみ)も販売されている。お酒を飲みながらまったり音楽を聴ける久しぶりのこの感じ! コロナ前は当たり前だった光景がかえってきてうれしくなる。
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
本イベントは、それぞれの弾き語りによる1部と4人によるトーク&コラボステージの2部構成。毎回恒例となっている1部の出順決めは、北欧発祥のスポーツ「モルック」で行われ、対戦の様子は、開演前に会場裏からインスタライブで生配信された。モルックとは、木製の棒を投げて獲得した点数を競うボーリングのようなシンプルな競技。1投ポイント制で対戦した結果は、1位Keishi、2位荒井、3位村松、4位ホリエとなり、この順番で希望の出順を選択。2位の荒井が早々にみんなが敬遠する1番手に名乗りを上げ、漢気を見せた。
荒井岳史
荒井岳史(the band apart)
出順が決定すると荒井岳史が拍手で迎えられ、いよいよライブがスタート。アコースティックギターの爽やかなリフが聴こえたかと思ったら「ちょっと待って!」と仕切り直し。タイトルコールからやりなおす場面も絶妙な間で笑わせ、初っ端から軽快なトークで会場をあたためていく。
荒井岳史(the band apart)
the band apartの1stシングルに収録されている「disappearing man」日本語セルフカバーなど、音源化されていないレアなナンバーも交えつつ、MC中に鳴くカラスにまでツッコみ、終始爆笑をかっさらう。そんなお喋りの面白さと繊細なギターの音色・甘い美声のギャップに頭が追い付かない。喋りすぎによる遅延で残り時間に焦りながらも、最後はソロ曲の「希望」でビシっときめた。
荒井岳史(the band apart)
Keishi Tanaka
Keishi Tanaka
2番手はKeishi Tanaka。もともとは、Keishi以外の3人ではじめたアコースティックライブに彼がシークレットゲストで出演したことをキッカケに、4人による『四絃一撥ノ巻』がスタートしたとか。「2番手、タナカケイシはじめます!」と気合たっぷりに、リズミカルなストロークがハンドクラップを誘導。
Keishi Tanaka
紗羅マリーとのデュエット曲「Just A Side Of Love」は、過去に荒タケー(荒井岳史)や村タクー(村松拓)とも共演した恒例ソングだ。今回は、満を持して登場した「堀ホリー」ことホリエアツシがワンコーラスだけという贅沢なゲスト出演で盛り上げた。さらに村松拓提供の「青のサーカス」や自身の代表曲のひとつである「Breath」で深みのあるダイナミックな歌声を披露。「いろんなことがあるけど、深呼吸して喜びをちょっとずつ集めていこう」そんな想いで最後に熱唱した「I’ m With You」が心に沁みた。
Keishi Tanaka
村松拓
村松拓(Nothing's Carved In Stone)
続いて、村松拓が缶ビールをプシュっと開けつつ、ラフなスタイルで登場。「Keishi Tanakaくんがエモかったので、曲順を変えてエモ攻めでいきます」と「Nothing's Carved In Stone/Shimmer Song」を1曲目にチョイス。その場の温度や空気感に合わせていく自由なところも<四絃一撥ノ巻>の醍醐味だ。
村松拓(Nothing's Carved In Stone)
そして、先ほど親友・Keishi Tanakaが自身の提供曲を披露したことを受け、今度はKeishiが書いてくれたという楽曲「ラブレター」を。1曲目のエモーショナルな歌唱とは対照的に、男らしさと色気漂う歌声で魅了する。流麗なギターの音色が涼やかな風に溶けていくようで心地良い。「さっき酒呑みながら(ライブを)観てたんですけどすごくいい感じ。最近見てなかった景色だなと」感慨深く会場を見渡していた。
村松拓(Nothing's Carved In Stone)
ホリエアツシ

ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)

1部のトリを飾ることになったのは、モルック対決で最下位となったホリエアツシ。「トップバッターだと心に決めてたのに、何故かトリ。さっき堀ホリーとしてステージに出てしまいましたが(笑)」と再登場。そして年少組、Keishi&村松拓の異常な仲の良さに言及し、お互いの曲を演奏し合ったふたりに対し「アンサーソング、僕歌います!」と宣言すると大きな拍手が。「ストレイテナー/月に読む手紙」のセンチメンタルなリリックが一層リアルに響く。
ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)
そんな一期一会なライブ感がたまらない。ストレイテナーの楽曲を中心に演奏する中、カバー曲も。アコースティックな「ROSSO/シャロン」のホリエのシャウトに痺れた。春に聴くこの曲も叙情感が際立ってまたいい。
ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)
荒井岳史 ✕ Keishi Tanaka ✕ 村松拓 ✕ ホリエアツシ
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
休憩後、トークを挟みながら総当りで共演する第2部へ。「ディナーショーみたいにゆるく観てください」と荒井。お揃いのTシャツで登場した4人は、まずはビールでゴキゲンに乾杯! ステージにセットされた椅子の背もたれについて、年長チーム・トニセン(荒井・ホリエ)と年少チーム・カミセン(村松・Keishi)に分かれて小競り合いがあったり、血液型トークに花が咲いたりとお喋りが止まらない。1部を終えた感想については、「シゲイチが野外にハマるか心配だったけど、すごくいい!」(Keishi)「緑地ツアーをやりたい!」(ホリエ)と好感触だった様子。
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
そろそろ曲をということで、2部はカバーをメインに進行していく。まずは荒井とホリエによるトニセンペアが名曲「ハナレグミ/家族の風景」を演奏。2人の包容力のある優しい声が少しひんやりしてきた空気に揺れて最高!「喋りとのギャップについていけない」と後輩たち(村松・Keishi)が言うことにも頷ける。
荒井岳史(the band apart)× ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)
せっかくの野外ということで「スマホライトの灯りが見たい」という荒井。みんながスマホをかざす光景を見て「いいじゃん! いいじゃん! スマホの充電がなくなるくらいやってほしい!」と4人は大興奮。
村松拓(Nothing's Carved In Stone)× ホリエアツシ(ストレイテナー/ent)
拓が手を天に掲げ、精霊を集め出すとホリエがキーボード前にスタンバイ。恒例の「もののけ姫」と察した会場のシゲイチマニアからは軽くどよめきが起こる。拓の厳かな歌唱に合わせてスマホが揺れる会場はまるでスピリチュアルな集会のよう(笑)。高音域が出ず吐息まじりになるところでは爆笑が巻き起こった。

Keishi Tanaka × 荒井岳史(the band apart)
村松拓(Nothing's Carved In Stone)× 荒井岳史(the band apart)
Keishi Tanaka × 村松拓(Nothing's Carved In Stone)

Keishi Tanaka × ホリエアツシ(ストレイテナー)

その後は、今後のリリースやツアー予定についてトークしながら、好きなタイミングでお花摘みに行く(トイレタイム)など終始自由な時間がながれ、気ままにお互いの持ち曲をコラボしていく。弾き語りのスタイルも性格も異なる4人。さまざまな化学反応が生まれ、同じ曲でも新鮮に響くこのシステム、今後も無限に続けていけそう……。「初の野外開催、とってもいい日になりました」最後は4人でギターをかかえ、まさに四絃一撥なパフォーマンスで「奥田民生/さすらい」を。
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
「これからもいろんなところをさすらって、また緑地の聖地に戻ってきます!」と締めくくった。荒井の体調不良で延期となった新潟公演も近い内に実現したいとのこと。最後は、名残を惜しむようにSE「SMAP/ありがとう」に合わせて大熱唱となった。

『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』

今まで野外で開催されていなかったことが不思議に感じるほど、お酒と開放的な空間がこのイベントのゆるさにピッタリだった。1人が演奏中は、残りの3人が会場後方から見守る姿も。自然体で音楽を楽しむ喜びを改めてかみしめた春の一日となった。
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
『四絃一撥ノ巻 ~服部緑地でつかまえて編~』
取材・文=岡田あさみ 撮影=ハヤシマコ

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