『KITAKAZE ROCK FES.2022』ハイライト5選

『KITAKAZE ROCK FES.2022』ハイライト5選
北海道発のロックバンド・NOISEMAKER主催による『KITAKAZE ROCK FES.2022』が、5月28日(土)と29日(日)に2デイズで彼ら地元である札幌芸術の森 野外ステージにて開催された! 2020年、21年とコロナ禍により2年連続で中止を余儀なくされ、3度目の正直でやっと今年無事にやり切ることができたのだ。両日ヘッドライナーを務めたNOISEMAKERを含む計13アクト(全14ステージ)が2日間に渡って、大熱演を繰り広げた本フェス。その中から印象深かったシーンを厳選してお届けしたい。
「Spineless Black」収録アルバム『H.U.E.』/NOISEMAKER
「Wings feat.JESSE」収録シングル「Wings」/NOISEMAKER
「Jupiter」収録アルバム『Blooming Harvest』/dustbox
「Don’t Worry My Friend」収録アルバム『STOP THE WAR』/HEY-SMITH
配信シングル「bloodbath.」/CVLTE

「Spineless Black feat.Masato」
('20)/NOISEMAKER

「Spineless Black」収録アルバム『H.U.E.』/NOISEMAKER

「Spineless Black」収録アルバム『H.U.E.』/NOISEMAKER

初日のトリ前を務めることになったcoldrainのMasato(Vo)が、“トリのバンドが嫌がるくらいビビらせる”と挑発。すると、NOISEMAKERのAG(Vo)が“ここは俺の地元だから!”と北海道を背負うバンドの矜恃をアピール。そんなやり取りを経て、NOISEMAKERは初日唯一のゲストとして、自身の楽曲にMasatoを招き入れた。両ヴォーカリストによるシャウトはもちろん、メロディアスな歌唱力においても比類なきポテンシャルを魅せつけ、会場は凄まじい盛り上がりを記録した。

「Wings feat.JESSE」('18)
/NOISEMAKER

「Wings feat.JESSE」収録シングル「Wings」/NOISEMAKER

「Wings feat.JESSE」収録シングル「Wings」/NOISEMAKER

泣いても笑っても最終日となった2日目のトリ。NOISEMAKERは観る者の記憶に焼き付けてやる!とばかりに、ゲスト共演を10曲中4曲で披露する大盤振る舞い。この日、JESSE(Vo/Gu)擁するThe BONEZの獅子奮迅の勢いにも圧倒されたが、NOISEMAKER×JESSE×北海道の掛け算から生じたパフォーマンスは桁違いの破壊力があった。しかもステージ前方にあるフェンスでAGとJESSEが横並びとなり、前のめりで観客に歌を届ける姿勢は、とてつもなくアツかった。

「Jupiter」('08)/dustbox

「Jupiter」収録アルバム『Blooming Harvest』/dustbox

「Jupiter」収録アルバム『Blooming Harvest』/dustbox

初日は生憎の雨模様となり、かなり冷え込んでいた。この日、四番手でステージに現れたのはメロディック・パンクの雄、dustbox。ラスト曲「Jupiter」をやる際にHEY-SMITHのイイカワケン(Trumpet)を迎え、彼がロマンチックな前奏を吹いた後に楽曲へ。美しいメロディーを野外の隅々にまで行き渡らせ、後方の観客までしっかり巻き込み、歓喜の光景を作り上げていた。演奏後、雨はすっかり止み、“太陽呼んじゃったよ、ほら”とSUGA(Vo&Gu)は興奮気味にコメント。空の向こう側には、確かに明るい光が射していたのだ。

「Don’t Worry My Friend」('16)
/HEY-SMITH

「Don’t Worry My Friend」収録アルバム『STOP THE WAR』/HEY-SMITH

「Don’t Worry My Friend」収録アルバム『STOP THE WAR』/HEY-SMITH

SiMのキャンセルを受け、空いてしまった穴を急遽埋めてくれたのはHEY-SMITHである。“好感度を上げにきました!”と猪狩秀平(Vo&Gu)はMCで告げていたけれど、仲間がピンチになったら、すぐに手を差し伸べる行動力には頭が下がる。この曲は最後にプレイされ、奇しくもこの状況、この場所でこれほど輝く楽曲はないと思わせるほど、大勢の人たちの感動を誘った。もちろん楽曲は一朝一夕にできるものではない。HEY-SMITHが普段から仲間を思いやる気持ちが、パズルのピースのごとく埋まった瞬間だった。ライヴが終わると、“ありがとう!”という観客の声がたくさんステージに届いていた。

「bloodbath.」('20)/CVLTE

配信シングル「bloodbath.」/CVLTE

配信シングル「bloodbath.」/CVLTE

2日目のオープニングアクトは、札幌発の新世代オルタナバンドであるCVLTE(読み:カルト)。音楽的には生バンドによる迫力漲る演奏と、エフエクトや同期を駆使した浮遊感に富むアプローチを見事に融合。ジャンルに枠に収まらないボーダーレスな楽曲を次々と投下するものの、その真芯には圧倒的なメロディーの良さがある。この曲は影のある妖艶さをアピールしつつ、口ずさみたくなるシンガロング要素もあり、その中毒性の高さに引き込まれてしまった人も多かったに違いない。東京では何度とライヴを観ているが、地元で聴くCVLTEの音楽はまた胸に突き刺さるものがあった。

TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。

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