宮崎駿監督が初監督を務めたTVアニメ「未来少年コナン」を特集

宮崎駿監督が初監督を務めたTVアニメ「未来少年コナン」を特集

宮崎駿監督の反応とは? ジブリ美術
館の新企画「未来少年コナン」展の内
部公開

宮崎駿監督が初監督を務めたTVアニメ「未来少年コナン」を特集(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli 東京・三鷹の森ジブリ美術館で5月27日、宮崎駿監督が初監督を務めたテレビアニメ「未来少年コナン」を特集する新企画展示「未来少年コナン」展の内覧会が開催された。内覧会の前には、同館の安西香月館長、本作に携わったスタッフ陣による座談会も行われた。なお同館の内覧会は3年ぶりとなる。
 1978年4月4日~10月31日にNHK総合で放送された「未来少年コナン」は、最終戦争で荒廃した地球を舞台に、さらわれた少女ラナを助けるために奮闘するコナンの大冒険を描いた全26話のテレビアニメ。手に汗にぎるワクワクドキドキの漫画映画――本展では、宮崎監督流「漫画映画の特徴」として8点のポイントをかかげ(「キャラクターの魅力」「ドラマチック」「名セリフ」「SFらしからぬ乗り物の数々」「世界の構築」「よく動く」「ギャグとユーモア」「ありえないアクション」)、同作の持つ漫画映画の魅力に迫っていく。
 「子どもの頃に『未来少年コナン』を見た」という安西館長は、以前から抱いていた「ここで絶対に『未来少年コナン』の展示をやる」という信念のもと、本展示を実現させた。企画を進めるにあたり、宮崎監督にもコンタクトをとったことを明かし、監督とのやりとりを笑顔で振り返った。
 「制作途中に2回くらい、(宮崎監督)ご本人に『こういうことをやっているんですけど』と確認しました。でも、ひとつの場面を選んでも『面白くない』と却下されるんです。全話にたくさん面白いものがあるので選べないんですよね。だから自分が好きなところを選ぶと『違うだろう。これじゃないだろう』と言われて、取り替えたりもしました。26話をちょっと甘くみておりました」
 そうした宮崎監督とのやりとりもありながら完成した展示の数々。第1展示室は、作品ビジュアルからハメジロ(サメ)が飛び出す入口の立体展示からはじまり、バラクーダ号、ロボノイド、のこされ島、インダストリア三角塔、フライングマシンの模型が並ぶ。
(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli さらに第1、2展示室を通して、全26話のストーリーを1話ごとのあらすじや愉快なセリフを用いて解説する展示パネル、アニメーションとしての“動き”を紹介する動画も設置されている。
※パネル点数は、イメージボード、設定資料、ごあいさつなど29枚、ストーリー紹介パネル26話分で計55枚
(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli 第2展示室は、物語の舞台のひとつ「ハイハーバー(自然の恩恵を受ける地球上にたったひとつの島)」に移ってからの作品世界をイメージした明るい雰囲気。パネル展示に加えて、ハイハーバーや太陽塔の模型が設置され、空中要塞「ギガント」翼上での攻防戦を宮崎監督のイラストで図解するパネルもある。展示室最後は、ラナが浮かび上がるドラマチックな演出が施されている。
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(c) NIPPON ANIMATION CO., LTD. (c) Studio Ghibli (c) Museo d'Arte Ghibli 安西館長の進行のもと行われた座談会「漫画映画の魅力にせまる」には、アニメーション監督の富沢信雄、アニメーターの友永和秀、元テレコム・アニメーションフィルム代表取締役社長の竹内孝次氏が出席し、製作当時の思い出や、本作の持つ漫画映画の魅力について語り合った。
 友永「私は途中から(『未来少年コナン』に)参加しました。それまではロボットものしかやったことがなかったのですが、大塚(康生)さんと宮崎駿さんの作品を手伝って、アニメーションを勉強させていただきたいと思い、参加させていただきました。最終回まで仕事をさせていただき、とにかく血沸き肉躍る漫画映画。今のアニメーションにはないエネルギッシュなキャラクターの動きであるとか、荒唐無稽なアイデアだけど説得力のある場面作りに感激させられました。その分だけ難しかったです」
 富沢「『コナン』の前の年、『あらいぐまラスカル』という作品の原画を描いていたのですが、夏くらいだったか……宮崎さんの演出で作品をやるらしいと噂を聞きまして。そうこうしているうちに、大塚康生さんが作画監督でいらっしゃいまして。『面白そうなのをやってるな』と思ったんです。そうしたらプロデューサーのほうから『次は富沢くん、名作路線の作品をやってくれ』と言われまして……ごねました(笑)。『コナンができなきゃやめる』とごねたんですけど(笑)、そうしたらなんとか入れてもらうことができました」
 また「未来少年コナン」の制作進行を担当していた竹内氏は、本展に対し「漫画映画、なおかつ宮崎さんの漫画映画ということで、ひとつは人間が移動するというのは、歩くのと、走るのと、ジャンプ、転がる。『コナン』のなかにはそれが全部入っているんですよ。特に生き生きしているのが、走るのとジャンプ。それがいろんなところに入っているんです。これがやっぱり『コナン』の活劇なんですよね」と語っていた。
 「未来少年コナン」展の会期は2022年5月28日~23年5月を予定。三鷹の森ジブリ美術館の入場は日時指定の予約制。毎月10日に翌月入場分のチケットがローソンWEBで発売される。

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