藤原竜也、石丸幹二、向井理がハリー
役!開幕迫る、注目の舞台『ハリー・
ポッターと呪いの子』製作発表会見レ
ポート

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が2022年7月8日(金)からいよいよ開幕する。
ハリー・ポッターの原作者であるJ.K.ローリングは、長年、自身の小説の舞台化を断ってきたが「家族、愛、喪失をテーマに、ハリー・ポッターの19年後の新たなストーリーを舞台化する」というプロデューサーの提案に初めて共感し、プロジェクトがスタート。原作者自ら演出家、脚本家とともに原案を練り上げた本作は、2016年にロンドンで開幕。これまでロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、オーストラリア・メルボルン、ドイツ・ハンブルクの5都市で開幕し、大ヒットを記録している。2022年春にはカナダのトロントでも開幕し、東京公演はアジア初、世界7番目の上演となる。
5月17日(火)、父親になったハリー・ポッターを演じる藤原竜也、石丸幹二、向井理の3人ら、日本オリジナルキャストのメンバーが集結。意気込みや本作の見どころを語った。
(前列左から)コナー・ウィルソン、藤田悠、福山康平、藤原竜也、石丸幹二、向井理、門田宗大、斉藤莉生、TBSの佐々木卓社長、ホリプロの堀義貴社長、(後列左から)エハラマサヒロ、竪山隼太、榊原郁恵、高橋ひとみ、中別府葵、早霧せいな
――サンフランシスコ公演の演出も手掛けられたコナーさん。およそ1ヶ月にわたる日本人キャストの稽古の手応えは?
コナー・ウィルソン(演出補):大変素晴らしいです。僕は世界中でこの作品を手掛けてきましたが、毎回必ずこの作品について新しいことを学びます。正直申し上げると、この6週間で一生かけても学べないぐらい、キャストたちに多くのことを学ばせてもらっています。
舞台に立つまで(稽古期間が)6、7週間かかるんですね。この作品にはたくさんのニュアンス、そしてすごく複雑な構成を含んでおります。2ヶ月お稽古してきた状態を考えると、東京のお客様はすごく喜んでくださる仕上がりになるんじゃないかと思っています。皆さんと仕事ができることを誇りに思っています。
藤原竜也
ーーキャストの皆さんから意気込みをお願いします!
藤原竜也(ハリー・ポッター役):(稽古が)4月の頭から始まって、1ヶ月ちょっと経ちました。ありがたいことに、コナーさんはじめ、優秀なスタッフに導かれながらですね、僕ら日本人キャスト、必死にしがみつき食らいついたひと月強でした。日本の通常の演劇であれば、そろそろ幕が開く時期なんでしょうけども、ありがたくもプレビューも1ヶ月、時間を取っています。
インターナショナルチームが理想とするハリーポッターを完成させるために、精一杯、共に走りながら頑張っていきたいと思っています。昨日、実際僕らも初めて劇場に入ったんですけども、皆さんの感動を一足先に味わせていただいて、興奮したことを覚えております。さらに次のステップに行くために、今日からまた稽古を頑張りたいと思います。
石丸幹二
石丸幹二(ハリー・ポッター役):僕はニューヨークでこの作品を見る機会があったんですけど、そのときはオーディション前でして、こんなにお客さんが盛り上がるショーがあるんだと実感しました。そして、今、実際皆さんと稽古を受けながら感じたんですけども、スタッフのチームの力強さとレベルの高さ。いろんなチームがありますけども、プロの技の競い合いといいましょうか。彼らの力を借りながら、稽古に臨んでいるところです。
きっとこれは日本で開幕したら大ブームになるんじゃないかなと思います。この会場に入って、ショーが終わるまで、一瞬で魔法の世界に飛び込むようになっていますので、私もそれを表現できるようにしていきたいと思っています。
向井理
向井理(ハリー・ポッター役):稽古場では全く想像できなかったことが、劇場ではたくさんできますし、稽古期間はいくらあっても足りないぐらい、深い演劇になっていると思います。そして何よりチームとしてーー100人ぐらいのチームだと思いますけどーー本当に一丸となって、もう1人ずつ自己紹介をするなど、本当にコミュニケーションが取れて、とてもいい状態のチームだなと感じております。これがロングラン公演ということで、長く続けていくうち、もっともっと絆は深まっていくかなと思います。
演劇としてはやはり魔法が大きなテーマになりますが、それでも19年後の世界、ハリーであったり、ロンであったり、ハーマイオニーであったり、子供たちがちゃんと生身の人間として劇場に立っていられるように、お芝居をしっかり組み立てていかないといけないと思います。そうすることで、1人の人間としていろいろ受けとってもらえことがあるんじゃないかと思っています。本当に、1回や2回じゃわからない、たくさんの仕掛けと謎がたくさんありますので、ぜひ足を運んで、細かい部分まで見ていただけらと思います。
――今回はキャスト全員がオーディションで選ばれました。舞台が決まったときのお気持ちや周りの反応をぜひ教えてください。
藤田悠(アルバス・ポッター役):正直今めちゃくちゃ緊張しているんですけど……周りの反響は、僕は大学から演劇を始めて、学生演劇をやっていたので、もう周りは「えー!」みたいな反応でした。だから、そういう学生で演劇を頑張っている人を後押しできるような存在になれるように頑張っていきたいと思いますし、この作品自体、すごい本当に面白いと感じるので、自分も期待に応える以上のものを出していきたいなと思っています。とにかく緊張しています。
藤田悠
福山康平(アルバス・ポッター役):普段のオーディションの結果は、電話だったりメールだったりで教えてもらうことが多いんですけど、今回わざわざ家の前まで来て伝えてくれました。
あとは家族、友人、本当にガッツポーズして喜んでくれたり、涙を流して喜んでくれたり。全国各地、いろいろなところで働いている同級生たちがいるんですけど、わざわざ観に来て来てくれることになってるので、今までそういう人たちもう応援してもらってるんだなっていうのを改めて感じられた瞬間でした。だから、出演できてよかったなと思いますし、今日は衣装は着ていないですけど、本当にこういう素晴らしい劇場で衣装も大道具も、素晴らしい環境の中でできるので、いいものをお届けできるように残りの稽古を頑張っていきたいなと思います。
福山康平(中央)
門田宗大(スコーピウス・マルフォイ役):出演が決まったときは、まず母親に電話をしました。「おめでとう」と言ってくれたんですけど、そのあと「これで私があなたに貸したお金を返せるね」と、現実に引き戻されました(笑)。そんな現実を忘れられるぐらい、素晴らしい世界観に入り込んでいて、素晴らしい日々を過ごさせていただいています。精一杯頑張ります。
門田宗大
斉藤莉生(スコーピウス・マルフォイ役):オーディションで合格して……すみません、緊張しているんですけど、自分も北海道の大学で演劇をやっていて。なので演劇をやっていた同期や先生、そして地元の稚内にいる友達とかにお祝いしてもらって。中でも、小さい頃からハリーポッターを一緒に映画館に観に行くような家族だったので、自分がその世界の一員になれるということで、すごい喜んでくれて、何か恩返しができたかなって思ってます。
 
稽古が始まるまで本当に現実感がなくて、今でもこんな大きな劇場でやらしていただけるということがずっと夢を見ているんじゃないかなと思うんですけど、本当に何か皆さんが優しくて、楽しくて、日々本当に少しでも成長できたらいいなと思いながら一生懸命稽古に取り組んでいます。ぜひみなさんも観に来てただければと思います。
斉藤莉生
――意気込みはもちろん、普通の舞台とは違うなと思うところをぜひ教えてください。
榊原郁恵(マクゴナガル校長役):一言で言うと『ハリーポッターと呪いの子』の舞台にかけるスタッフのものすごい愛!世界でずっとやってきていますけど、アジアでは日本では初めて。作品が好きで、とにかく大勢の方に、この素晴らしさを伝えたい!その一員として皆一緒に頑張りましょう!と愛を感じます。
昨日初めて劇場に来ましたが、そのときにも「まずお客さんというような気持ちで舞台に立ってください」と。私達一瞬にして、みなスタッフにもう魔法かけられました。この感動を、今度は私たちがステージの上で皆さんにお伝えしたい。それを肌で感じさせていただきました。これまで作りあげてきたスタッフさんたちの愛を、私が受け止めて、それを観客の皆さんにお伝えする。そんな舞台だと思います。そこが他の舞台とは違います。
榊原郁恵(榊は木編に神)
高橋ひとみ(マクゴナガル校長役):私もオーディションから今日に至るまで、毎日が夢のようで!稽古初日から楽しくてワクワクして。そして、本当に愛していただいているなというのを実感できて、丁寧に教えていただいて、本当に毎日楽しめています。
昨日もうびっくりするような魔法をたくさん見せていただいて、稽古では見られなかった本物の魔法が見れて……それがまだたくさんあるんだと思うと、本当にワクワクしている。この年になってまだこんなにワクワクドキドキさせていただける体験させていただけるなんて本当に幸せです。命ある限りここにいたいなと思わせてくれる、舞台です。優しさ、ユーモア、私たちにとって幸せな時間。あとはマクゴナガル校長として、皆さんの母であり、いてくれるだけでなぜか安心していただけるような存在になれるように頑張っていきたいと思います。
高橋ひとみ
中別府葵(ハーマイオニー・グレンジャー役):一言でいうとスケールの大きさですね。赤坂ACTシアターをハリーポッター専用劇場にまるごと変えてしまうのもそうですし、セットにしても演出にしてもこれまで見たことのないようなものばかりです。無期限のロングランということもそうですし、この作品に携わっている人の数も凄くてですね。それほどスケールの大きな作品を日本でやれるということが、これからもなかったと思いますし、今後もなかなか出会えるものではないと思います。日本中の皆さんにこの作品を見て欲しいなという思いが強くあります。
中別府葵
​赤坂ACTシアター内観イメージ図。ロビーエリア内の物販スペースやカフェも新しく生まれ変わる予定だ
早霧せいな(ハーマイオニー・グレンジャー役):他と違うな、ここがすごいなと思うところは驚きの数です。稽古始まってから、特に魔法の数ですけれども、演出も素晴らしくて。その素晴らしい魔法や演出が、何度見てもフレッシュな驚きを与えてくれる。この赤坂ACTシアターで、お客様と同じ体験、同じ驚きを体感できることが本当に楽しみです。プレビューの初日に向けて、ブラッシュアップして、その体験を皆さんにお届けできるようにしていきたいと思います。
早霧せいな
エハラマサヒロ(ロン・ウィーズリー役):僕が違うなと思うのは、影響力の大きさですね。結構舞台にも出させてもらっていますが、普通、舞台に出ると言うと「出るんですね」ぐらいなんですが、これだけ「おめでとうございます」と言われるんですよ。
キャスト発表になったときもLINEやツイッターでお祝いの連絡がいっぱい来て。エゴサーチしていると「ロンがエハラってwwwまじうけるwww」と書かれていて。最近、スタジオでも滑っていたので、うけてよかったなと思います(笑)。影響力の大きさを感じました。……(前に座っている)藤原竜也がニヤニヤしていますね。藤原竜也さんはね、基本的に稽古場で僕がすべるたびにニヤニヤしているんですよ。
エハラマサヒロ(中央)
竪山隼太(ロン・ウィーズリー役):皆さん仰るんですけど、今回特にモチベーションの高さ。本当にここにいる先輩方もそうですし、それこそスイングやアンサンブルもみんなすごいんですよ。誰かが代わりに入れるように、ずっと昼休みとかも稽古をしている。ある子が急に「やってみてください」と言われて、完璧に演じられて、それを稽古場のみんなが拍手する。素敵なカンパニーやなと思っています。
竪山隼太
――役を演じてみて感じるそれぞれのキャラクターの印象はいかがでしょうか?
石丸:ハリーポッターというと、映画でずっと見てきたイメージが強いじゃないですか。僕も映画を見ていて、「こういうことなんだな」と思いがあったんですが、今回の戯曲を読むと、19年の時が経って、ハリーも大人になっているんですよ。子どもも3人いて、魔法省の企業戦士。ばりばりなんですね。そうすると、そんな現実的なことが起こるんだなぁというふうに思っております。
子どもは思春期なんです。思春期の子供と向き合えないお父さん。何なんだろうな、映画の中の世界というより、我々の実生活、実体験と繋がってくる。そんなハリーが描かれていまして。演じるのはちょっと一筋縄ではいかないと思っておりますが、我々3人がどう演じるのか。楽しみにしていただきたいと思います。
石丸幹二
早霧:ハーマイオニーは子どもの頃からとても信念があって、正義感が強い女の子だったと思うんですけども、19年後、ロンと結婚して、子どもができて、何より魔法大臣として、信念も正義感もさらに深く強くなっています。それに責任感もプラスされているんじゃないかなと思っています。
でも、ハーマイオニーだけじゃなくて、今回の舞台に出てくる女性陣の強さといったら!本当に強い女性ばかり。でも強さの質が違うというところで、芯のある、正義感たっぷりの女性を演じていけたらなと思います。
記者会見の様子
エハラ:ロン・ウィーズリーはですね、子どもの頃からお調子者で、ユーモアもセンスもあって、ちょっと天然な部分もあって、みんなの雰囲気をいい意味で緩和させるというようなキャラクターだと思うんですけども、大人になって19年経っても、その根本は全く変わってなくて。子どもを愛し、妻を愛し、家族を愛しながら、みんなを笑わせようと頑張ってるような、とても世界中に愛されるキャラクター。
そのままで見ていただけるかなと思うんですけど、やっぱりもう世界的にファンがいるので、僕もそのイメージで壊したらあかんなと思って、僕12キロやせたんです!ロンのイメージ的に大きいと駄目なんじゃないかと思ったんですけども、海外のロンの方、めちゃくちゃデカかったんですよ(笑)。痩せないでよかったと後々知りました。とはいえ、皆さんのロン像を崩さずに作りたいなと思います!
記者会見の様子
――本作品に登場する魔法の中で、自分も実際に使ってみたいなと思う魔法は?
藤原:やっぱりエクスペリアームスとか。……いろんな使い方があるんですよね?そうですよね?
コナー:お使いになっていますよね?僕に聞かずに、むしろ教えてください(笑)
藤原:いろいろな使い方があって非常に面白いんです。この舞台でも何度か使っていますが、ぜひ注目してください。
――実際に劇場に入ってみての感想は?
藤原:稽古場できなかった、より本番に向けた精度が高い稽古ができています。素晴らしい小屋入りでした。作品のテーマである光を入れるということも含め――僕らは非常に暗く大変な時代を共有してきましたが、やっぱり日本の演劇にとっても『ハリー・ポッター』という作品が光を入れてくれたらと思いましたね。
――向井さんが使ってみたい魔法は?
向井:現実的に一番使い勝手がいいなと個人的に思ってるのは、アロホモラ。扉を開けるの魔法ですけども、扉っていっぱいあるじゃないですか。まず朝起きて、扉を開けて、洗面所の扉を開けて、劇場の扉も開ける。1日何回も使うタイミングがあるなと思って、これが一番いろんな方にとっていいなと思って……。
コナー:エクスペリアームスとアロホモラという魔法ではなくて、透明になる魔法などもうちょっと大きい夢を見た方がいいんじゃないかな(笑)。
向井理
――ロングラン公演で準備されていることは?
榊原:ロングランの経験がなくて、今のところ模索中なんですけれど、とにかくまずは食べる!食べるっていうことが大事ですね。お手軽なのは焼き鳥かな。タンパク質が必要だと思って。
60代でロングランというのはとんでもない挑戦なんです。皆さんのパワーがめちゃくちゃすごいそのままに何か乗せられてここまでやってきてますけれども、まず自分を見つめ直そうと。このロングランの舞台をとにかく穴を開けることなく、一番いい自分の状態で挑めるように自分を持っていくことが一番のテーマです。
高橋:私としては、毎日の(稽古場で行われている)トレーニング。3日目にして、体が変わってきました。前は押したらフラフラしてたぐらいなんですけど、大地に足がついている!というぐらい変わってきましてね。ロングランを備えて、ウォーミングアップを毎日しております。
(前列左から)福山康平、藤原竜也、石丸幹二、向井理、門田宗大、斉藤莉生、(後列左から)エハラマサヒロ、竪山隼太、榊原郁恵、高橋ひとみ、中別府葵、早霧せいな
――ハリー役の方々も体力づくりで準備していることは?
藤原:ヌーノさんというムーブメントの方(※振付補)がいらっしゃいます。彼の指導のもと、チームに分かれて、30分しっかりとした身体的なトレーニングをほぼ毎日やるんですが、それで僕の1日は終わったというか(笑)。そのあとに「通し稽古をやる」と言われた時、この人は一体何を考えているんだろうと思いましたね(笑)。日々みんなとやっています。
石丸:以前所属していたところが、ロングランをやっている劇団でした。ちょっと思い返してみましたが、やはりしっかり食べて、しっかり寝て、健康な体を維持すること。それが乗り切る秘訣だと思っています。年齢はこんなになってきましたけども、より元気になれるようにと思っています。
向井:皆さんおっしゃってる通り、朝一番最初にやるトレーニング。ヨガであったりとか、コアを鍛えるトレーニングをやるんですが、それがもう汗だくになるぐらい、毎日やっています。改めて何か自分で何かをやることはなく、毎日ちゃんと必死にやることで、どんどん積み上げられていると思います。あとは、アミノ酸を差し入れするようにしています。
――「こんな仕掛けがあるのでぜひここを見てもらいたい」というアピールポイントがありましたら、言える範囲で結構ですので、教えていただけますか。
 
藤原:“仕掛け”ではないですよね?
コナー:全部本物です。
藤原:そこが見どころですね(笑)。
石丸:魔法三昧なので、いろんな魔法があります。すごくテクニカルな魔法から、アナログの魔法魔まで。どれもが見どころです。僕が一番気に入っているのは、変身魔法。それはね、説明はできないんですけどね。ぜひ客席に座って体感して欲しいんですけども、人が変わります。面白いですよ〜。
向井:いっぱいありすぎて!もう本当に数分に1回のペースで、魔法なりイリュージョンなりがあるので、どれってすごく難しいんですけど、一つ言えるとしたら、劇場全体ですね。劇場全体のイリュージョン。これは、ある瞬間が訪れたらそうなる、どの席でも確実に体感できるイリュージョンになっているので……怖くもあり、面白くもあり、舞台ならでは。映像には絶対できない、舞台ならではで、僕は一番印象的だなと思います。
(前列左から)コナー・ウィルソン、藤田悠、福山康平、藤原竜也、(後列左から)エハラマサヒロ、竪山隼太、榊原郁恵
――今回皆さんオーディションを経て、配役が決まりました。特にハリーのみなさんはなかなかもうオーディションを受ける機会が少なくなってると思うんですね。今回オーディションで「これはいける」と思った瞬間や、「もしかしたら落ちたかもしれない」と思った瞬間があったら教えてください。
藤原:長かったですからね。1、2年ぐらいビデオのオーディションから始まって。なので、忘れてはいなかったですけど、オーディションどうなったんだろうというふうに思いながら過ごしていました。そのあと、本国からスタッフが来てくれて、対面式のオーディションに変わりました。自分自身、過度な自信もありませんでしたし、コナーさんはじめスタッフに言われたことに食らいついていった形ですね。
受かったときには、また自分の中で新しいことにチャレンジするんだ、今までの演劇人生とはちょっと違う、すごいところに立たせてもらうんだという興奮を覚えています。
石丸:日本国内ですと、僕自身がどんな活動をしてきたか大体知っているじゃないですか。でも海外の方はほぼ知らない。そういう方たちの前で、どんなふうに自分を見せていこうか、悩みましたね。これをどんなふうに受け止めてくれてるんだろうかと、反応が気になりました。最終的に受かるまでの期間が――コロナ禍で仕方ないんですが――、とても長かったので、ひょっとしたら落ちているのかなという不安な気持ちもありました。
向井:最初はコロナということもあって、映像審査。正直、手応えはないですよね。反応がないので。そこから対面になって、実際にやってみることになるわけです。僕としては楽しもうと思いました。そういう経験も久しぶりですし、僕を全く知らない人に見てもらえるというのは新鮮な気持ちで。
結果はどうであれ、楽しかったという気持ちが強かったですね。そのときフィジカルなこともやりましたけど、すごくきつかった。でもそれでも何か一緒にやれたこと、とにかく貴重な体験をさせてもらったなと思います。
藤原竜也、石丸幹二、向井理(左から)
――今回それぞれ個性が異なる俳優3人がハリーを演じます。イメージとしては、俳優それぞれが作品に描かれたハリーに近づいていくのか、それとも出来上がった舞台の世界をそれぞれの俳優に近づいていくのか。どのように考えていますか。
コナー:ハリー・ポッターは世界中で知られている有名なキャラクターですけれども、3人は7冊の本の歴史という題材なんですね。誰かが「ハリー・ポッターとは何か」と言った時、すごく大きくて答えきれない質問でもある。怒っている瞬間、勇敢な場面もあれば、欠けている部分もあって矛盾しているところもある。それがこの作品の美しさでもあるし、様々なニュアンスが出てくるポイントでもあると思います。
竜也さん、幹二さん、理さんがそれぞれ全然違うハリーになってくれています。それぞれハリーの違うところをあらわにしてくれていると思っています。違うところに集中してくれている。理さんを褒めることになるんですが……(アルバス役の)康平さんがアルバスとハリーのシーンについて不安を抱えていたんですね。そしたら、理さんが「シーン自体がモヤモヤしているシーンなんだから、君のモヤモヤを感じてるってことは正しいんじゃない?」と言っていた。
そんな感じで、3人の役者がアルバス役の父になっていく過程を見ているんですね。全然違うハリーになっていますよ。
演出補のコナー・ウィルソン(右)
――この作品、俳優にとって具体的にはどんなところが大変なんでしょうか?
コナー:作品としてもマラソンのような作品だと思います。3時間半ノンストップで、いろいろなことをしなくてはいけません。皆さん、ウォームアップについて話していますが、そうしたトレーニングを通じてこのロングランができるようにしているんですね。
プリンシパルのみなさんには「毎公演終わったたびにヘトヘトに感じていなかったらちゃんと仕事できていないよ」と言っています。すごく大きな課題ですが、チャレンジに果敢に勇敢に取り組んでくれています。
藤原竜也
――では、最後に一言お願いします!
藤原:まずはプレビュー6月向けて精一杯稽古をしていきたいと思います。気を引き締めて頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。
石丸:この舞台はチケットを買った瞬間から始まっています。胸を膨らませて待っていてほしいですし、3時間はあっという間に終わってしまいますが、存分に楽しんでいただけたらと思います。僕たちも頑張って稽古に励んでいきたいと思います。ご期待ください。
向井:やはり映像では感じられない、実際の僕らの声や活力、パフォーマンス全てが現実の世界で起きているということ、改めて舞台のストロングポイントを思う存分に感じていただけると思います。本当にすごい瞬間がたくさんありますし、それと同時にやはり芝居の部分で丁寧な台本になっています。いろいろなところを楽しんでもらえる演劇になっていると思いますので、ぜひ瞬間を目撃してもらえるよう、これから稽古に励んでいきたいと思います。
藤原竜也、石丸幹二、向井理(左から)
★すべての写真は【こちら】
取材・文・撮影=五月女菜穂

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