【MAN WITH A MISSION
インタビュー】
思いきってアレンジして、
遠慮せずにやってのけた一枚
世界がユナイトできていないことを
当時から感じていた
なるほど。「Between fiction and friction II」はファンの方から”平和を願うボイスメッセージ”を募集した楽曲であり、これは完全に今の時代とリンクさせた内容ですよね?
そうですね。楽曲自体は出来上がっていたんですけど、歌詞はまだ決まっていない状態だったんです。世界でああいう情勢が起きてしまったので、今作の中では唯一戦争が起きたあとに生み出された曲です。今まで時代をあまり反映させないようにしていたけど、前作はコロナ禍について歌った曲も多かったですし、この曲はどんぴしゃで戦争について歌っていますからね。今回、我々は2枚のアルバムで“何か摩擦が起きた時に、その壁を乗り越えよう”というテーマを掲げていたので、この曲ではダイレクトにそれを表現しました。
その意味でも今作の柱と言える重要な曲ですね。あと、「Rock Kingdom feat. 布袋寅泰」も今作の流れで聴くと、また存在感が増しているなと。
Kamikaze Boyが収録曲を決めているんですけど、前作でパトリック・スタンプに参加してもらったし、このバンドの遍歴を考えた時にフィーチャリング曲も僕らの1ページですから。布袋さんがギターを弾くと、布袋さんのリフになるんですよね。それは本当にすごいことだと思います。
「Rain」はKamikaze Boyさんが作った曲ですけど、後半の合唱コーラスやロングトーンのギターなどはGuns N' Rosesっぽさを感じました。
今回、二枚組のアルバムを作る上でも口酸っぱくガンズの話をしていましたね。ちなみに僕らの中でロングトーンのギターをガンズのギタリストに例えて”スラッシュになる”と言っていますから。
あははは。「The Victors」はQueenを彷彿させるクラシックロックの雰囲気も感じました。
シングルのカップリング曲で、日本でオリンピックが開催される前に出したんですけど、スポーツアンセムと言いますか、スタジアムで流れてほしいと思って作りましたからね。それこそQueenの「We Will Rock You」みたいな。我々が勝利者であるという。それも思っきり「We Are The Champions」と似ているな(笑)。
「The Victors」ではユナイト(団結)について歌っていますが、それも今作のテーマに沿ったものです。
はい。世界がユナイトできていないことを当時から感じていましたからね。2、3年前に作ったメッセージですけど、それがまた意味を持つかたちで収録できたと思います。
そして、今作は「Dark Crow」「小さきものたち」の2曲で締め括ります。それぞれバージョン違いで、これもまた素晴らしい仕上がりですね。
「Dark Crow」のリミックスをTHE MAD CAPSULE MARKETSやAA=をやっている草間 敬さんにお願いして、めちゃくちゃエグい仕上がりになりました。自分が評価するのはおこがましいですけど、この手のことをやらせたら肩を並べる方はいないじゃないかと思うほど素晴らしいリミックスですね。
「小さきものたち」のアコースティックバージョンも胸に染みました。
作品が出来上がる前から、最後の曲にしたいとKamikaze Boyに言われたんですよ。アレンジに関しては、僕らがアコースティックにすると豪華絢爛になりがちだけど、人間味があり、ミニマムだけど壮大に聴こえるアプローチをやってみたくて、谷岡久美さんというアレンジャーにお願いしました。彼女はケルトや民族音楽にも精通されているので、今までの僕らとは違ったオケになるんじゃないかと。僕自身、ケルト音楽が大好きなので。Secret Garden、エンヤ、シネイド・オコナーとか。あと、国歌の中でスコットランドの「Scotland the Brave」が大好きだし。バグパイプで始まるんですけど、国歌の中で一番カッコ良いと思っています。僕のギターリフはケルティックな匂いもありますからね。メジャーとペンタトニックが入り混ざるとすごくポップにも聴こえるし、力強くも聴こえますから。
興味深いです。「小さきものたち」の世界平和を祈る歌詞もラストに相応しいと思います。そして、今作のレコ発ツアー『Break and Cross the Walls Tour 2022』が6月から始まります。最後に意気込みを?
戦争もそうですけど、コロナがこの業界に及ばした影響にも頭を悩ませていますが、少しずつその状況も好転していると思っていて。このツアーの時期中、みなさんの考えや世の中の動きもまた変わるだろうし、その期間に今起きている問題について、我々とオーディエンスで一緒に正解を見つけていけたらいいですね。
取材:荒金良介
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アルバム『Break and Cross the Walls II』2022年5月25日発売
Sony Records
- 【初回生産限定盤】(CD+DVD)
- SRCL-12125~6
- ¥3,850(税込)
- 【通常盤】(CD)
- SRCL-12127
- ¥3,080(税込)
- 【期間生産限定盤】(CD)
- SRCL-12128
- ¥3,180(税込)
『MAN WITH A MISSION Presents Break and Cross the Walls Tour 2022』
6/16(木) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
6/17(金) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
6/22(水) 新潟・新潟県民会館
6/23(木) 新潟・新潟県民会館
7/05(火) 神奈川・KT Zepp Yokohama
7/07(木) 神奈川・KT Zepp Yokohama
7/19(火) 大阪・Zepp Osaka Bayside
7/21(木) 大阪・Zepp Osaka Bayside
8/03(水) 宮城・SENDAI GIGS
8/04(木) 宮城・SENDAI GIGS
8/16(火) 愛知・Zepp Nagoya
8/18(木) 愛知・Zepp Nagoya
9/13(火) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
9/15(木) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
9/27(火) 北海道・Zepp Sapporo
9/29(木) 北海道・Zepp Sapporo
10/11(火) 福岡・Zepp Fukuoka
10/13(木) 福岡・Zepp Fukuoka
10/19(水) 香川・高松festhalle
10/20(木) 香川・高松festhalle
■追加公演
10/29(土) 大阪・大阪城ホール
10/30(日) 大阪・大阪城ホール
11/05(土) 東京・有明アリーナ
11/06(日) 東京・有明アリーナ
MAN WITH A MISSION プロフィール
マン ウィズ ア ミッション:頭はオオカミ、身体は人間という5人組のロックバンド。本人たち曰く“究極の生命体”とのこと。“マンウィズ”、“MWAM”の呼称で親しまれる。2010年より始動。11年6月に1stフルアルバム『MAN WITH A MISSION』でメジャーデビューを飾った。13年12月にアメリカのメジャーレーベル・Epic Recordsとの契約を発表し、全米、ヨーロッパツアーを開催するなど活動のフィールドを拡大させる。その後も映画、ドラマなど数多くのタイアップソングを担当。結成10周年を迎えた20年にはアルバム3作品をリリース。その後、同年に配信シングルを3カ月連続で発表した。21年6月に映画『ゴジラvsコング』日本版主題歌「INTO THE DEEP」を表題曲としたシングルを発売。9月にテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』第5期第2クールのオープニングテーマ「Merry-Go-Round」をシングルリリースし、11月に二部構成のアルバムの1枚目『Break and Cross the Walls Ⅰ』を発表し、同月よりアリーナツアーを開催した。22年5月に2枚目『Break and Cross the Walls Ⅱ』をリリースし、6月より全国ツアーも開催する。MAN WITH A MISSION オフィシャルHP
「Blaze」
(『機動戦士ガンダム
鉄血のオルフェンズ 特別編』
コラボアニメMV)
「Rain」
(「劇場版ラジエーションハウス」
コラボMV)
「More Than Words」MV