Bialystocks、ベルマインツが『YOUN
G POP CLUB』で見せた、飛躍する未来
の予感

『YOUNG POP CLUB vol.8』2022.4.14(THU)大阪・心斎橋Music Club JANUS
次代のライブシーンに新たな刺激をもたらすニューカマーを発掘するイベント『YOUNG POP CLUB vol.8』が4月14日(木)、心斎橋Music Club JANUSにて開催された。2017年のスタート以来、これまでにもカネコアヤノMega ShinnosukeChilli Beans.といった、個性豊かなアクトが名を連ねてきた同イベント。今回は出演予定だったTHREE1989が、メンバーのコロナ陽性を受け残念ながらキャンセルに。その空白をも埋め尽くすように、鮮烈な存在感を刻みつけたBialystocksとベルマインツのステージに迫る。
ベルマインツ
ベルマインツ
小雨降る心斎橋JANUSに、トップバッターとして登場したのはベルマインツだ。盆丸一生(Vo.Gt)と小柳大介(Vo.Gt)がそれぞれボーカルをスイッチするスタイルの彼ら。まずは盆丸がリードを取る「ハイライトシーン」から、フレッシュな疾走感でオーディエンスの心を瞬時に奪っていく。サポートの橋本現輝(Dr)が打ち鳴らす軽快なビートを背に、伸びやかな歌声を会場いっぱいに充満させ、耳の奥まで幸福で満たされていくようだ。
ベルマインツ
みずみずしいメロディと情景が脳内に浮かぶロマンティックなリリックの「流星タクシー」、エモーションあふれるギターソロに心躍る「雨」と、ポップスへのあふれる敬愛を隠さない彼ら。切ないファンクネスを内包した「浮かれてた」から小柳にマイクを託し、自由度の増した熱量高いギタープレイで魅せる盆丸。前田祥吾(Ba)は極太のベースラインで曲の輪郭を描き出す中、小柳は艶やかなボーカルを惜しみなく聞かせ、一気に客席の視線をとらえて離さない。
ベルマインツ
ベルマインツ
「僕たちは関西を中心に活動しているんですが、JANUSに出るのは初めてなんですよね。観に来ることはしょっちゅうあって。昨年はようやくJANUSで自主企画をできるはずだったんですが、中止になったりして……」(盆丸)
「なので、念願かなったりですね!」(前田)
「ね! 気持ちいいです」(盆丸)
ベルマインツ
後半戦は、ドラムのカウントから深く海の底へといざなわれるような「2023」で幕開けに。盆丸と小柳のハーモニーが楽曲の表情を切々と浮かび上がらせ、サポートの前田祥吾(Key)が紡ぐ清廉な音階が胸をつかむ。ポップスのお手本のように甘酸っぱい「Call」では、豊潤なメロウネスに身を任せる心地良さに、目を閉じてじっくり浸るオーディエンスの姿も印象的だ。鮮やかなギターリフで聞かせる「ミラーダンス」ではきらめくキーボードの音色が物語を加速。ラストの「微熱」では強靭なアンサンブルを奏で、余韻たっぷりに幕を下ろした。終始ドラマを感じさせるセットリストと、往年のポップスやロックへの愛とオリジナリティが共存した骨太なステージで、ベルマインツの飛躍を確信した人は多いことだろう。
Bialystocks
Bialystocks
二番手にお目見えしたのは、映画監督の顔も持つフロントマン・甫木元空(Vo)と、ジャズピアニストでもある菊池剛(Key)の二人から成るBialystocks。初っぱなの「光のあと」から、凛とした甫木元の歌声の高潔さにまず驚かされる。展開するにつれ厚みを増していくサウンドは、まるで音の洪水が押し寄せてくるようで、一気にトリップする感覚に。ネオソウルのフレーバーをまとう「コーラ・バナナ・ミュージック」では、サポートの鶴田伸雅(Gt)が緩急自在に弾き倒すさまが実に鮮烈!
Bialystocks
続く「またたき」では、菊池のスリリングな鍵盤さばきにほれぼれしつつ、甫木元の咆哮は神々しさすら感じさせる。さらにハートウォーミングな「Winter」ではアーシーな甫木元の声質と力強い音塊が重なり、何倍何十倍にも曲の力を増幅させていく。まるで1曲で1本の映画の始まりからエンドロールまで観ているような雄弁さに息をのむばかりだ。ひときわフロアが沸いた「I Don't Have A Pen」では、転がるような鍵盤の調べに独白のごとく言葉をつなげていく甫木元。脇を固める小山田和正(Dr)も硬質なリズムを打ち鳴らし、観客を鼓舞していく。

Bialystocks

「ようこそ、おいでいただきましてありがとうございます。大阪初なんです。今日初めて知ってくださった方もいると思うので……もしよかったら今後ともよろしくお願いします」(甫木元)
と、堂々たるステージングとは一変、照れながらのMCに思わず客席から笑みがこぼれる。サビのリフレインがリリカルな「Over Now」で、早くもフィナーレが近づくJANUS。シームレスに続けたスローテンポの「ごはん」では、温かみある音世界にオーディエンスも知らず知らず肩を揺らし、厳選されたフレーズが心の琴線を強く揺さぶっていく。

Bialystocks

「次の曲で最後になります、ありがとうございました!」(甫木元)と、あっという間にラストソング「Nevermore」へ。抑揚を抑えたメロディラインに生命力たっぷりのドラミングが合流し、じわじわ高みへと昇っていくさまがたまらない。と、パフォーマンスが終わったと同時に始まったアンコールのクラップに応え、再び姿を現した彼らはどこか郷愁を感じる「花束」で美しきクロージングを飾る。ライブならではのセッション感と血の通ったプレイで、多幸感あふれるサウンドスケープを描いたBialystocks。再びその音に触れられる機会を切に待ち遠しく思う、そんな時間となった。
Bialystocks
きっと遠くない未来、この日に立ち会えたことを誇らしく思えるに違いない。そんな実力派アクトの共演で、改めて『YOUNG POP CLUB』に対する信頼感も増したひとときとなった。
取材・文=後藤愛 撮影=河上良

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