「このバンドは何者だ?」MVで話題を
集めた5人組、つづきが初インタビュ
ーで語る、結成10年の歩みと新作「(
what you’ve)lost」

つづきが結成されたのは2012年のこと。初めてリリースした音源は、2017年に公開されたYouTube向け短編ドラマ『東京Neighbors』のエンディング曲「逡巡歌」。一部のファンの間で「このバンドは何者だ」と話題になったものの、今日まで詳しい情報が明かされないでいた。この度、3年ぶりとなる新曲「(what you’ ve)lost」が到着。今までの彼らにはなかった、じんわりと心に染み渡るビッグバラードとなっている。今回はつづきにメディア初インタビューを敢行するだけでなく、「(what you’ ve)lost」の共同作詞、作曲とプロデュースを担当したJYAGA、ミックス担当の壱タカシ、レコーディングエンジニアを務めたすさきふみおを招き、あらゆる角度からつづきの魅力に迫った。
つづき、JYAGA、壱タカシ、すさきふみお
■気づけば、今年で結成10周年。「みんな大人だし、ガツガツしていない」
――今回が皆さんにとって人生初のインタビューだそうですね。結成してから随分経つのに、世間にほとんど情報が出ていなくて、メンバーの素性も分からない。このご時世、そんなバンドは珍しいですよ。
メンバー 一同:アハハハ。
――初歩から話を聞きたいので、お一人ずつ自己紹介をお願いします。
SEKI-NE:ヴォーカルのSEKI-NEです。小学生の頃に歌うことが好きになり、中学生の時に初めてバンドを組みました。高校生になってからはソロで活動するようになり、ライブハウスに出たりオーディションを受けたりしました。その後もソロで音楽を続けつつ、いくつかバンドも経験しました。10年前につづきを始めて、現在に至ります。
――音楽以外には何をされているんですか?
SEKI-NE:パン屋で働いていたんですけど、この前、独立するために会社を辞めました。3ヶ月前に東京から伊勢に引っ越して、そっちで自分のパン屋を開こうと頑張っています。
つづき SEKI-NE
まなぶ:ベースのまなぶと申します。大学進学と同時にベースを始めました。固定のバンドは4つほど掛け持ちしていて、つづきがメインの活動になります。音楽以外では、8年間ほどエフエム世田谷で番組を持っておりまして。月1でパーソナリティをやっていました。普段はちょっとお堅めのお仕事をやっています。
つづき まなぶ
友:キーボードの友です。大学の軽音サークルに入り、初めてバンドを経験しました。当時はポップスっぽいものや、R&Bとかフュージョンっぽいバンドも掛け持ちでやっていて。そこからは他のみんなと同じように、あっちこっちのバンドでお手伝いとしてキーボードで参加させてもらっていました。
つづき 友
スヌ:ギターのスヌと申します。中学の終わりにドラムを始めて、近所の友達とビートルズやオアシスなどを演奏していました。高校生でギターを始めて、大学ではブラックミュージック系の軽音サークルに入りました。で、サークルで出会った先輩から「就職はしないで一緒にバンドをやろうぜ」と言われて、2年間ほどフリーターをやりながら音楽活動をしていました。そのあとは就職をして、会社員として働く傍ら、色んなバンドのお手伝いをするようになって。つづきも最初はサポートメンバーとして参加をしていたんです。何回かライブを重ねるうちに、正規メンバーになりました。仕事はIT系のデザイン職で、主にUXデザインをやっています。
つづき スヌ
Yochi:ドラムのYochiです。仕事はIT系のマイナーなエンジニア職です。小さい頃にピアノを習っていました。高校の時には友達と文化祭バンドを組んで、ミスチルとかユニコーンをコピーしたり、大学に入ってからはスピッツとかTRICERATOPSのコピーバンドを組んだりしました。大学では軽音の他にお笑い研究会にも入っていて、そちらの縁でDJを始めました。その後、友人が浅野いにおさんの『ソラニン』を読んだ影響で「バンドやろうぜ!」と誘ってきて。それで25歳ごろにドラムを叩きはじめました。
メンバー 一同:え! そうだったんだ!
Yochi:で、29歳の時に静岡から東京へ転勤して。みんなが飲みにいく界隈にDJとして度々呼んでもらってるうちに、自分でもイベントをやりたいと思って。フィッシュマンズとかサニーデイ(・サービス)が好きだったので、そういう90年代後半くらいのバンドの曲が流れるイベントをやろうと考えて、年1イベントの「DUBPOPNITE」を立ち上げました。最初はDJのみだったんですけど、2年目からライブも取り入れたいと思いまして、試しにSEKI-NEや友くんとかとライブをやったんですね。そしたら反応がすごい良くて。
つづき Yochi
――それが、つづきを結成するきっかけだったと。
Yochi:はい。最初はオープンカフェみたいな場所だったんですけど、そこからクラブでやったり、もうちょっと音響のしっかりしたところでも演奏したり。そうこうしてるうちに、フルバンドになっていきました。
――Yochiさんは、バンドを作ってマネタイズするところまで考えていたんですか?
Yochi:いえ、イベントの時にライブをやれたらOK、というイメージでした。だからバンドのマネタイズは全然頭になくて。そこまで考え及んでいないというか。他のメンバーもそうだと思います。ちゃんと働いて経済的に安定している上で、音楽もやる。そういう今の状態が自分たちにとって理想的だなと思っています。
SEKI-NE:僕は、ずっとバンドが苦手だったんですよ。高校の時はプロになりたい人を集めてバンドを組みましたが、うまいこと行かなかった。というか、自分の好きな音楽を反映することができなかったので、バンドに対して良いイメージが持てなかったんです。つづきに関してはみんな大人だし、ガツガツしていないし、同じイベントで繋がった仲間だから音楽の方向性も一致していて。自分の中で「これならやれそう」と思ったんですね。なので、マネタイズとかは考えていなくて。むしろ、そこからは離れたい意識でやっています。
――つづきは今年で結成10周年を迎えるんですよね。
まなぶ:感覚的には経っちゃった、という感じですかね(笑)。
SEKI-NE:ハハハ、そうだね。ライブがなければ、スタジオで練習することもなかったし。
友:精力的なバンド活動とは、到底かけ離れたスタンスでやっていたんですよね。やりたい時にフワッとやるとか、イベントでお声がかかったら、そのステージに向けてリハをするとか。あんまり力を入れないまま、気づけば10年経っていた感じですね。逆に、力が入っていたらこんなに長続きしてないよね。
Yochi:バンドというより、プロジェクト的な感じなのかもね。
――オリジナルはいつから作っているんですか。
Yochi:当初は、各々がそれまでの活動で作ったオリジナル曲を演奏していたんです。その後、知り合いで写真家のシバノジョシアさんが、2016年に自主制作で映画(『夜汽車に乗って』)を撮りまして。そのエンディング曲を友くんが依頼されて作ったのが、つづき初のオリジナル曲「天気輪」でした。その翌年も、友くんがシバノさんから「次はドラマの曲を書いてもらえませんか」と相談を受けて、YouTube向けの短編ドラマ『東京Neighbors』のエンディング曲「逡巡歌」を作ったんです。
友:シバノさんからは「昔テレビでやっていた『やっぱり猫が好き』みたいにしたい」と言われまして。あのドラマのオープニングやエンディングは矢野顕子さんとか忌野清志郎さんが担当されているんですけど、ああいう感じをイメージしていたらしいんですよね。とりあえず曲だけ作って、誰に歌ってもらうかは後から決まったんですよ。
――楽曲を作った時点では、つづき名義ではなかった。
友:そうです。自分が曲を作り、SEKI-NEくんとYochiくんに歌をお願いして。結局関わっているのが、ほぼこのメンバーだったので、自然な流れでつづき名義の楽曲になっていました。
――それこそ、初めていろんなリスナーに認知されたのは「逡巡歌」ですよね。藤原ヒロシさんがラジオで紹介したこともありました。
Yochi:「呑者家」という居酒屋にふらっと入ったら、友達がオオスミタケシさんと飲んでいて。それが縁で僕もオオスミさんと仲良くなり、カラオケに行ったりするようになって。それで、ある日またカラオケへ行ったら、そこに藤原ヒロシさんがいらっしゃったんです。
――へえー!
Yochi:その時に「Yochiくんは『つづき』というバンドをやってるんだよ」とオオスミさんが藤原ヒロシさんに言ってくださって。そしたらヒロシさんがラジオで流してくださったんです。
まなぶ:ビックリしたよね。
Yochi:藤原ヒロシさんWorksが大好きな友人たちから「どういうこと!?」と大層驚かれました。「逡巡歌」以降は、壱タカシくんとAdipoyくん(西新宿パンティーズ)と一緒に、ドラマ『東京Appetite』のエンディング曲「邯鄲夢 -KANTANMU-」を作ったり、チャットモンチーの「染まるよ」のカバーをしたりしました。それからコロナ禍になって「久しぶりに曲を作りたいね」って話から、今回の「(what you’ ve)lost」が生まれた、という経緯があります。
■新しいつづきを感じた、新曲「(what you’ ve)lost」
つづき
――ここでゲストを紹介したいと思います。トラックメイカーであり、つづきの全楽曲のレコーディングに関わっているすさきふみおさんです。
すさきふみお(以下、すさき):私はずっと音楽業界で働いておりまして。ここ12年間くらいはスタジオ業務をしていたのもあり、レコーディングエンジニアとして「天気輪」から最新曲「(what you’ ve)lost」まで関わるようになりました。
――つづきはどんなバンドに見えていますか?
すさき:良い意味でラフなんですよね。ゆるっとしている雰囲気がそのまま音にも表れていて、そこがとても素敵だと思います。あとは、SEKI-NEくんの声が素晴らしい。高音の倍音成分がすごく複雑なんです。パッと聴くとSEKI-NEくんの声って素朴なんですよ。「(what you’ ve)lost」も最初の1サビは低域で歌っているんですけど、後半の声を張る箇所で急にパッと開ける感じが抜群。とにかくいい声をお持ちなんです。
SEKI-NE:そんなこと初めて聞いた! 嬉しすぎて、ちょっと鳥肌がヤバイ!
――「(what you’ ve)lost」は2年前から作り始めたんですよね?
SEKI-NE:ある日「DUBPOPNITE」にJYAGAくんが出演していて、ライブを観てめっちゃ感動したんですよ。それからライブの感想をやりとりしていたら、JYAGAくんが「曲を作りました」と言って送ってきてくれたんです。それがアップテンポのファンキーな曲だったんですけど、僕がめちゃくちゃ暗い歌詞をつけて返したんです(笑)。そしたら「曲と合ってないから、この歌詞に合わせて新しく曲を作ります」と言って、後日デモを送ってくれたんです。それが2年くらい前かな? そこからトラックをもらったり、歌詞とメロディをつけたり……というやり取りをしながら形になりましたね。
――ベースが出来てから完パケするまでに、色々と試行錯誤を繰り返したとか。
SEKI-NE:最初の段階から、めっちゃ良い曲が出来たと思ったんですよ。だけどJYAGAくんが「なんか違う」と言って。そこから2週間後に全然違うサビが送られてきたんです。
――2人目のゲストはシンガーソングライターであり、今作の作曲とプロデュースを担当されたJYAGAさん。サビを変更したのは、どうしてだったんですか?
JYAGA:聴けば聴くほど突き詰めたくなっちゃって。すさきさんが言ったように、(SEKI-NEくんは)声を張った時の倍音成分がすごくカッコいいので、そこを生かしたいと思ったんです。
――SEKI-NEさんは、どんな思いで歌詞を書いたんですか。
SEKI-NE:2年半くらい前、僕の両親が同じ月に死んじゃったんですよね。それが辛くて、すごく落ち込んだんです。生きていると、辛いことや悲しいことを山ほど経験するじゃないですか。今まではその度に、「この経験から何かを学んで、ひとつ大きくならなくちゃ」と思っていました。要は自分が成長するために、悲しい気持ちになっているのかなと思っていたんです。
――今日の悲しみは明日の糧になると。
SEKI-NE:だけど……両親が死んじゃった時には、そうは思えなくて。突然悲しいことが起きて、それが過ぎ去っていっただけ。そうとしか考えられなかったです。
――それで喪失感のある歌詞をつけたんですね。
SEKI-NE:JYAGAくんからデモをもらった時、今の自分の状態で書ける歌詞がそれしかなかったんですよね。最初はとにかく暗さしかない歌詞でしたね。というのも、当時は辛くて悲しくて、そういう状態の中に自分を置いておけば両親を忘れることにはならない。両親もそれを喜んでくれるんじゃないかな、と思った。あえて前向きになろうとしていなかったんですけど、2年くらい経っていろんな人と関わっていく中で、少しずつ考えが変わったんです。最後の1行は前向きな感じで終わっているんですけど、そこはまさに時間の経過で生まれた産物でした。
――どうして前を向けたんですか。
SEKI-NE:母親のことを考えたときに、天国とか地獄とか、そういう概念的なものがあるとすれば、絶対に楽しい場所に居てほしいと思ったんです。この世にはいないけど、もしもどこかにいるとすれば、辛く悲しい場所ではなくて、楽しい場所で幸せに過ごしていてほしいと強く思いました。それって逆も然りだと思ったんですよ。僕の親だったら、僕が悲しみにずっと打ちひしがれてるより、楽しく元気に過ごしてほしいと思うんだろうなって。時間が経過する中でそういう気持ちになれて、それが歌詞にも表れたのかなと思います。
まなぶ:私も早くに両親を失っていて、どちらも突然死だったんですよね。だからお別れも言うことができず、死に目にも会えなかった。「(what you’ ve)lost」のデモを聴いて、その時の経験を思い出しました。それと……当時は私もプライベートで大きな喪失感を抱えていて、余計にグサグサと心に刺さってしまって。一時はベランダで夕日を見て、涙を流しながらデモを聴くのが日課になっていました。レコーディングでも、その時の感情をちゃんと込めなきゃなと思って。すごく精神統一して演奏しました。
――友さんは「(what you’ ve)lost」を初めて聴いた時、どう思いましたか。
友:「逡巡歌」とも「邯鄲夢 -KANTANMU-」とも違う、新しいパターンの曲を出したい気持ちがあったので、まさに「(what you’ ve)lost」はピッタリだなと思いました。歌詞については、人間の死がテーマの根幹にあるけど、それだけじゃなくて。恋愛も含めて、いろんなシーンに当てはまる共感性の高い歌詞だなと感じました。
――演奏する上で大事にされたことはなんでしょう?
友:今回はピアノを弾きましたが、元のデモではウーリッツァーという、エレクトロニック・ピアノの音色で作られていて。ギリギリまでエレピかピアノかで迷っていたんですよ。だけどピアノが後ろで鳴っている曲って、つづきはなかったんですよね。やっていないからこそ、ピアノの音を入れたかったのがありました。
スヌ:私は楽曲を聴いて、色々と思うところがあって。デモをもらった時にJYAGAさんの曲だなと分かったし、自分がつづきで弾いてるギターのニュアンスも入っていたんです。当て書きしてくれたフレーバーがすごくあったので、バンドに向き合ってくれたんだなと思ったのと同時に悔しさもあって。
――悔しさですか?
スヌ:作っていただいた曲が良かった反面、これを最初にバンドのものとして出せなかった悔しさもありました。
まなぶ:うんうん。この曲が良すぎたよね。
スヌ:良かったからこそ、各々のアレンジや演奏にも身が入りました。そういうところも含めてJYAGAさんには感謝ですね。
すさき:スヌのディストーションのギターが入ってくるところは、新しいつづきを感じましたよね。あれがすごくカッコいいと思いました。急に荒っぽい音が入ってくるので、それは今までにない要素だから、また一段変わったなと。
JYAGA:あそこはかなり狙ったポイントでしたね。
――Yochiさんはどうでしょう?
Yochi:私は最初のデモ段階では、そこまで掴めなかったんです。「ああ、こういうことか!」と理解したのは、壱タカシくんがミックスした後の音源を聴かせてもらった時で。
まなぶ:そんなに後なの!?
SEKI-NE:でも、Yochiくんの気持ちもよく分かる。タカくんがミックスした音源を聴いたら、解像度がもう一段階上がったんですよ。こういうことをしたかったんだよね、というミックスになっていた。
■「つづきらしさ」を大事に。これからも自分達のペースで
つづき、JYAGA、壱タカシ、すさきふみお
――最後のゲストは、ミックスを担当されたシンガーソングライターの壱タカシさん。
壱:JYAGAくん曰く「オーガニックなサウンドになる」ということだったので、僕のミックスでやったら、まとまるんじゃないかと思いました。以前、つづきのライブにゲストで参加したことがあるんですけど、その時のリハーサルの感覚というか。つづきと一緒にスタジオに入って、ゆるくセッションをしながらドラムの前に自分が立っている感じ。それをデモを聴いた段階でも感じたので、きっとJYAGAくんがメンバーそれぞれの特性を見て、導いてくれたんだなと思いました。ちなみに、このバンドは決めとか全然ないんですよ。
メンバー 一同:(笑)。
SEKI-NE:確かにそうだね!
壱:ジャジャーン!とか、バシバーン!というのがない。僕から見て頑張ってるバンドがやりそうなことを全然やらない。そういう“つづきらしさ”を大事にして、そこまで手を加えることはせず、各々のフレーズとか個性を生かすミックスを意識しました。
――改めて、御三方が感じるつづきの魅力ってなんでしょう?
壱:ガッツリ活動していないのが、良い意味で音楽に出ていると思います。さっきも言ったんですけど、リハスタで合わせている感じというか。頑張りすぎていないところ……と言っても、もちろん本人たちは頑張ってるんですけど。
メンバー 一同:アハハハ!
壱:肩肘張ってるのを感じさせないところが、良さかなと思います。
JYAGA:余裕を感じるよね。
壱:うん。各々が自分の生活をしっかりと築きつつ、限られた時間の中で音楽をやる。そういう大人の余裕をみんなが持っているので、何をするにもちょうど良い距離感でやっている感じ。それが心地いいなと思います。
JYAGA:つづきの良さってバランス感だと思うんですよね。各々が邪魔をせずに融和している。音やキャラクターの良さも含めて、上手くまとまっている綺麗なバンドだと思っていて。今作の制作に関しても、そのバランス感を大事にしたいのが1番にあったのと、その要素を出来るだけストレートに届けるには、純朴な方がダイレクトに伝わるんだろうと思ったんですよね。出来るだけ小細工をせずに、シンプルにリスナーに届けることを意識しました。
すさき:やっぱり堅苦しさがないですよね。あとは突出したカリスマ的なリーダーがいないのが、すごく親しみやすい。誰かカリスマがいると、その人のバンドになってしまう。そうじゃなくて、それぞれが対等な関係性だからこそ、つづきは成立しているのだと思います。
――いよいよインタビューの締めに入りますけど、みなさんのアーティスト写真を初めて見た時、とっぽい方達だと思ったんですよね。武骨でちょっと怖い雰囲気というか。ただ、実際はすごく柔らかい方達で。
メンバー 一同:ヘ〜〜。
まなぶ:アー写ってそんなに怖め?
SEKI-NE:野郎感が出過ぎてるんじゃない?
まなぶ:え、自然体じゃない?
――5人が横に並んだ時の圧はありますよ(笑)。
Yochi:ハハハ。全員が前に出たくない人たちなんですよね。
壱:あ、本当にそうなんだ。1人くらい前に出たいって人はいない?
メンバー 一同:うーん…(笑)。
まなぶ:みんなもそうだと思うんですけど、私も本当に人前が苦手なんですよ。楽曲制作は好きなんですけど、ライブに出るのが苦痛で仕方なくて。それで音楽を辞めたかった時期があったんですよね。だけど、皆さんと出会ってバンドをやっていくうちに、ちょっとずつ前に出てもいいんじゃないかなって。それでも他のライブをやっている人たちと比べると、できれば奥にいたい(笑)。アー写を撮るとき、一番端でボヤッと映るくらいでいい。それくらい前へ出たくないタイプではありますね。
――5人の写真もほとんど出回ってないですよね。
友:こうやってメディアに出る場合にアー写が必要になりますけど、そういうことがない限りは撮ろうとしないんですよね(笑)。そういう必要最低限のやらなければいけない場面が目の前にきて、ようやくみんなが腰を上げる感じなんです。今公開しているアー写も2018年くらいに撮った写真なんです。
――あ、そんなに前の。
友:それもあって、昨日まで行っていた伊勢で頑張って写真を撮ってきたんです。
壱:アー写撮影のために伊勢へ行ったんですか。
友:いや、旅行のついでに(笑)。
一同:アハハハ!
――こんなにガツガツしていないバンドも珍しいですよ。
友:でも、そういう感じだから長続きできているのかなと。頑張り過ぎちゃうと息切れするタイプなので(笑)。その波長が合っていたから10年も続いたと思います。
すさき:ちょっといいですか? 前から気になっていたんですけど、バンド名の由来ってなんですか?
Yochi:自分が決めたんですけど、ダラダラとバンドを続けたいなと思いまして(笑)。「つづける」だとあまりバンドっぽくない響きなので、「つづき」かなと。50歳、60歳、70歳になってもムーンライダーズのように続けていけたら、という気持ちを込めています。あと、今回「(what you’ ve)lost 」のMVを撮ってくれたjiyoくんや、バンドロゴを作成してくださったMAGICPOCKeTさんのように才能溢れる人が周りにたくさんいるので、つづきのこれからの活動に巻き込みつつ(笑)、微力ながらその人たちの活動にプラスになったらいいなとも思っています。
まなぶ:これからも自分達のペースでやっていきたいですね。それと今後の話で言うと、色んな土地へ行ってライブツアーをやりたいです。
――先ほど「ライブが苦手」と言ってましたけど、今は意欲的に活動したいと。
まなぶ:そういう欲は出てきましたね。
SEKI-NE:ツアーがしたいと言うより、ライブに託けて色んな場所へ行って美味しいものを食べたいんでしょ?
まなぶ:バラしちゃダメだよ!
一同:アハハハ!
文=真貝聡 撮影=森好弘

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