東京女子流

東京女子流

東京女子流、“時代を経ても色褪せな
い名曲”揃いを改めて証明した12周年
ライブ 新曲『Dear mama』もライブ
初披露

4人組ダンス&ボーカルグループ・東京女子流が、12周年を記念したライブ「東京女子流 12th Anniversary Live *物語の1ページ* ~いつまでも光を放つから~」を4日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにて開催。公演内では、7年ぶりとなる6thオリジナルアルバムが8月3日に発売されることが発表された。

2010年に結成され、同年シングル『キラリ☆』でデビュー。当時は全員がローティーンだった4人も現在は20代半ばに。当時から定評があったステージパフォーマンス力はさらに磨きがかかり、キャリアを重ねるごとに進化を続けている。
そんな彼女たちにとって、大切なデビュー記念日(5月5日)の前日となる4日に12周年ライブが行われた。約1年半ぶりとなるホールコンサート。「今回自分たちにプレッシャーをかけて頑張っています」(庄司芽生)など、4人は事前にSNSやインタビューなどを通じてこのライブにかける並々ならぬ思いを語ってきた。
そんな中ついに迎えたライブ当日。冒頭ステージの緞帳を使ったスクリーンいっぱいに、女子流のこれまでのライブの歩みをその時代のメンバーの写真とともに振り返る映像が映し出された。古参ファンはメンバー5人時代の初期の写真にエモーショナルな気持ちになったり、近年からのファンにとっては初めて見るビジュアルに改めてその歴史を実感できたのかもしれない。
緞帳が上がり大きな拍手の中登場した4人。ブルー基調の12周年記念衣装に身をつつんでいる。“自分たちが夜空に瞬く星のように、物語の1ページへの道標となること”をイメージし制作された、この日のための衣装で、メディアではすでに披露されていたが、ファンの前で初披露となった。
女子流の原点であるデビュー曲『キラリ☆』のイントロのピアノの音が流れ、メンバーの姿が現れる。“ついにこの日を迎えられた”とばかりに、感慨深い様子で歌い踊る4人だった。
序盤は『鼓動の秘密』『ヒマワリと星屑』『Limited addiction』といった、“これぞ女子流”ともいうべきライブ定番曲を次々と繰り出した。これらの楽曲は近年のフェスイベントや対バンライブでもよく披露されているだけに、どの時代からのファンにとっても馴染みがあったと思われる
4曲終わったところで「ついにこの日がやってきました!」と客席に元気いっぱいに語りかける庄司さん。そしてメンバー一人ずつライブの幕が開いた今の気持ちを語っていった。
この日も新型ウィルス感染防止の観点から、声を出しての応援が禁止された公演のため、メンバーそれぞれ拍手や挙手でのコール&レスポンスを行うとともに「今日は一緒に楽しい物語の1ページを作っていきましょう」(山邊未夢)、「今日はいっぱい楽曲をつめ込んできました。最初から最後まで楽しんでいきましょう!」(新井ひとみ)、「今日は私たちの12年分の愛をみなさんに存分に届けたいと思っていますので、受け止めてくれたら嬉しいです」(中江友梨)と、メッセージを送った。
そして庄司さんは「どんな時代に、いつ私たちに出会ってくださった方にも楽しんでいただけるように、そして新たな物語の1ページをみんなと一緒に始めるために私たちのすべてをお届けしていきたいと思っています。全部受け止めて、楽しんでもらえれば嬉しいです」と語りかけた。
オープニング4曲を終え、中江さんは客席のファンの「ペンライトさばきが素早い!」と感心。そして庄司さんが「今日はたくさんの曲をつめ込んで12年分の物語を伝えていきたいなと思っていて、どうしたら多くの曲を届けられるのかなと考えて……」と紹介し、メドレーがスタートした。
このメドレーからは最新の女子流サウンドが。昨年リリースのシングルから『ストロベリーフロート』『ガールズトーク』から始まり、近年の女子流のライブ盛り上がりナンバー『ミルフィーユ』などを披露した。
そこから一転して、バラード曲『追憶』をしっとりと、情感たっぷりに歌い上げるメンバーたち。『Hello, Goodbye』(春野 Remix)では、メンバー、支えてくれたスタッフや家族、そしてファンに向けて、心の中の花束を届けるように、言葉の一つ一つを大事そうに歌う4人だった。女子流のパフォーマンスというとまず洗練されたダンスに目が行きがちだが、歌唱力も大きな魅力の一つであることを実感できるのも、曲数が多いホールコンサートならではの醍醐味だ。
ライブは後半戦へ。庄司さんが、4月を迎えて「環境の変化だとか、いろんなことが周りで起こっている時期だと思うんですけど、今日この時間だけはすべて忘れて“女子流、最高! 楽しい!”という思いだけで、このライブを観てほしいなと思います」と紹介したのは、今年発売のナンバー『夢の中に連れてって』。まるで夢の中に現れた妖精のように歌い踊るメンバーたち、場内は4人が紡ぐ世界に入り込んでいるようだった。
『月とサヨウナラ』では、大人っぽい歌詞と、椅子を使った、かなり大胆でセクシーなパフォーマンス。女子流ライブ初参戦の観客はドキッとしたかもしれない。先生を思う情熱的なラブソング『Partition love』では誘惑するような振り付け。ここではオトナな魅力の女子流を見ることができた。
ライブグッズ紹介のMCでは、メンバーたちのコミカルなトークで会場を和ませたあと、観客に手振りをレクチャーし、会場一体で盛り上がるゾーンに。『Reborn』『おんなじキモチ』『ちいさな奇跡』などをメドレーで披露。この日限定のメドレーアレンジのトラックも楽しい。盛り上がり曲『光るよ』、そして、ここで改めて初期からのライブ定番曲『Attack Hyper Beat POP』で本編の幕を下ろした。
“アンコール”を声に出して伝えられない観客は手拍子でアピール。そこへ庄司さんがステージに登場してアンコールの拍手を盛り上げるという、珍しい場面も。
そんな拍手に応えて再登場したメンバーたち。「早かったね」「あっという間だったね」と、ライブがまもなく終わろうとしている中、率直な思いを語った。
山邊未夢さんは「こうやって無事に今日を迎えることができて、嬉しい気持ちでいっぱいです」と思いを語り、「12年間大好きな歌とダンス(を届け)、大好きなメンバーと大好きなファンのみなさんと12年過ごせているのも、今ここにいるみなさんのおかげです。これからもみんなと一緒にまだまだ物語のページを作っていきたいので、私たち4人のことをよろしくお願いします」と話すと場内から大きな拍手が巻き起こった。
「たくさんリハーサルしてきたのに、ライブ本番ってなんでこんなに早いんだろう」と率直な思いを語った新井ひとみさんは、メドレーのリハーサルのエピソードを明かした。「メドレーの練習をやり始めたときは、頭が混乱してみんなで『ヤバいね、ヒーハー』って言ってたんですけど……(笑)」という状態だったそうだが、リハーサルを重ね、本番では見事なパフォーマンスを披露。「いろんなところから来てくれて、いろんなところから観てくれたみんながいるから、私たちはこのステージに立てているということで、みなさんに感謝します」と感謝のメッセージを送った。
「12年間あっという間だなと思って……」というのは中江友梨さん。「デビュー当時は“自称20歳”と言っている時代があって、当時は背伸びしたかったんですよね。それから12年が経って24歳になったんですけど、女子流の楽曲と私自身一緒に成長してきたなと感じがします。今日はいろんな時代で女子流に出会ってくれた人や、女子流のライブに初めて行ってみようと思ってくれた人、いろんな人に女子流12年分の愛を伝えられたかなと思うんですけど、伝わりましたか? でもここがゴールじゃなくて、物語をまだまだ作っていきたいと思っています。物語って私たちだけじゃ作れないものなので、ここにいるみなさん、そしてもっともっとたくさんの方も巻き込んで、女子流の物語をいっぱい作っていきたいなと思いますので、その物語を見守り続けてくれたら嬉しいです」と語りかけた。
庄司芽生さんは「この昼公演のサブタイトルが“いつまでも光を放つから”ということで、『キラリ☆』の歌詞の中の一節となっているんですけど、私たちが12年間光を放ち続けられている、ステージに立ち続けられているというのは本当に今日来てくれたみなさん、ずっと女子流を応援し続けてくれるみなさんがいるから。本当にこの12年間に出会った人、誰が欠けても今日を迎えることができなかったと思うし、どの歴史も私たちにとっては、大切な物語の1ページです」と思いを語った。
そして「今日こうしてみんなの顔を見ながら歌ってこられたことがすごく嬉しいです。私たちの曲は12年間経っても色褪せることのないものばかりで、そんな曲たちをこれからも届け続けていきたいなと思います。“最近知ったんですけどライブに行っても大丈夫?”“しばらくライブに行けてなかったんですけど、久しぶりに行くのって大丈夫ですか?”という声をいただいたりするんですけど、そういうことは関係なくて、ただただ私たちのライブで楽しんでほしいし、私たちの姿、活動を観て日々が頑張る糧になれたら嬉しい」とメッセージを送った。
そして「ここで嬉しいお知らせがあります」と告げると、ステージのスクリーンには「6th オリジナルアルバム発売決定! 2022.08.03 ON SALE」の告知が! 場内は大きな拍手につつまれた。本作は2015年リリースの『REFLECTION』からおよそ7年ぶりのオリジナルアルバムとなる。
その後ステージで最新シングル曲の『Dear mama』をファンの前で初披露。メンバーがそれぞれお母さんへの感謝の気持ちを綴った手紙をもとに作詞されたこの曲。事前のインタビューでは「ステージで涙が出てきて歌えなくなるんじゃないかと心配」と語っていたが、堂々としたステージングで、思いを込めて歌った。スタンドマイクを使って歌うパフォーマンスは、初期では『ヒマワリと星屑』などがあったが、近年では珍しいスタイルだ。“♪ラララ”と歌うラストのパートは、以前新井ひとみさんが“ライブで会場のみんなで合唱したい”と語っていたが、早くその光景が現実になることを願いたい。
最後に、今年リリースで「曲に私たちの魂が宿った感じ」と語るなど特にメンバーたちの思い入れが深い『days 〜キミだけがいない街〜』を心を込めて届け、12周年ライブ昼公演は幕を下ろした。
近年の周年ライブの中でも、特にメンバーたちの熱い思いが伝わってきた、この日のライブ。この昼公演は女子流12年間の歴史の中でも真ん中にあり続けた楽曲を網羅するとともに、最新の女子流の魅力も届けた。庄司さんが語るように、どの時代の楽曲も決して色褪せることはなく、12年前の楽曲も最新の輝きを見せていて、どの時代に女子流と出会ったかはあまり意識せず、今の女子流を楽しめるライブとなった。
毎月「新*定期ライブ」を開催している女子流だが、バラード曲をじっくりと聴かせたり、セクシーなパフォーマンスで魅せるパートなどは特にホールコンサートならでは。女子流の楽曲の多彩さを実感できるのもホールコンサートの愉しみだ。
なお、この日の夜には「東京女子流 12th Anniversary Live *物語の1ページ*~キミと きっと ずっと~」を開催。昼公演とはまったく違うセットリストで届けた。※夜公演の模様も近日公開予定。

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