【安月名莉子 インタビュー】
歌っても気持ち良いし、
聴いても気持ち良い
ニューシングル「selfish」はTVアニメ『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』(以下、『モブせか』)のエンディングテーマ。アニメの痛快さがそのまま表現された同曲の他に、ケルティックなアコーディオンが肝になったアッパーの「はいてはすう」も収録。自身の実体験も反映された両曲について語ってもらった。
我がままになれない
私にとって憧れの曲
「selfish」を最初に聴いた時は、どんなふうに感じましたか?
昨年までちょっと自信をなくしたり、悩んだりしていて、この曲を最初に聴いた時は、自分が少し前向きになりつつあった時期だっただけに運命を感じたし、“めちゃくちゃ明るく本気で歌ってやろう!”と思いました。それと同時に“何てリズムが難しい曲なんだ!?”とも思いました。すごくリズミカルなので、単に明るく歌うだけではダメだなと。
アニメ側からは何か要望があったのですか?
プロデューサーによれば、スカッと締める明るい曲にしてほしいという要望があったそうです。主人公のリオンくんが性格の悪いキャラクターたちをバッサバッサと斬っていく爽快感のある作品なので、観終わった時のすっきりした気持ちをそのまま歌にしてほしいと。なので、気持ち良く終えられるエンディングにしたいという想いで歌いました。
サビの頭で《selfish最高!》と歌うところは爽快感にあふれていて、“良い奴も悪い奴も関係なく、とにかくみんなで頑張ろうぜ!”みたいな一体感が感じられますね。
そうですね。物語的には悪役もいるんですけど、それぞれのキャラクターに個性がしっかりあって、その人たちなりの信念を持って一生懸命に生きているので、そういう人間らしさや、“私はこうしたい!”という我がままの可愛さが詰まった曲になっています。それに、おっしゃっていただいた《selfish最高!》のところは、今までで一番最高な気持ちでした。歌っても気持ち良いし、聴いても気持ち良い。きっとこれまで歌ってきたどの曲よりも一番パワフルで明るい声質になったと思います。
Bメロは早口で歌っているのも印象的で。
好き放題やっている女性陣や王子たちに対するリオンくんの気持ちを歌っている部分なのですが、《猫かぶり》とか《弱々ナルシスト》など出てくる言葉が可愛いくて。自分の中ではリオンくんをイメージしながら、ちょっと面白おかしく遊び心のある感じで歌えたらと思って、歌い方や表現をすごく練習してからレコーディングに臨んだら、一発OKをもらえて嬉しかったです。
タイトルの“selfish”は“我がまま”や“自己中心的”という意味ですが、安月名さんは我ままになったりすることはありますか?
そうできないのが私で(笑)。そんな私にとって、こんなふうになりたいという憧れの曲なんです。1番の歌詞はすごく前向きなのですが、2番になると《負けない気持ちってどこにいるんだっけ》とか《気づけば人目ばっか 飾りばっか》など、自分って本当は空っぽじゃんという気持ちが表れていて、これはこの曲を作っていただく前の私の気持ちそのままです。
作詞のタナカ零さんが安月名さんの心境を汲み取って書いてくれたということですか?
はい。私は本当に人目を気にしてばかりいて、“自分はどういう見られ方をしているんだろう?”と考えたり、全然ポジティブになれなかったんですね。でも、この歌詞を読んだ時に、“やっぱり自分らしくいたほうがいいよね”というタナカさんやスタッフからのメッセージを感じました。それに2番の歌詞のような気持ちって、きっと多くの人に共感してもらえるんじゃないかと思うので、そういう方もこの曲を聴いて明るく前向きになってもらえたら嬉しいです。
ちなみに安月名さんが人生で一番、我がままを聞いてもらったことって何ですか?
やっぱりギターですかね。オリジナルの『Cole Clark Guitar 安月名莉子シグネチャーモデル』を作っていただいた時、私が指定した色味がすごく難しいと言われたんですけど、絶対に譲りませんでした。そのメーカーでは今までなかった色だったらしいのですが、その時だけは我がままを言わせてもらいました!
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