新国立劇場バレエ団、エンタメと芸術
性を兼ね備えたカラフルな魔法の世界
『不思議の国のアリス』を上演

2022年6月3日(金)~6月12日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、2021/2022 シーズン新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』が上演されることがわかった。
本作は、世界で最も多忙なコレオグラファーの一人であるクリストファー・ウィールドンが手掛けた初めての物語バレエ。2020年6月に再演を予定されていが、新型コロナウイルスの影響で公演中止となり、満を持してこの度上演される。
撮影:鹿摩隆司 /Alice’s Adventures in Wonderland(c) by Christopher Wheeldon
『不思議の国のアリス』は、音楽には映画やテレビ番組での音楽を手がけるジョビー・タルボット、美術には数々の作品でトニー賞を受賞しているボブ・クロウリーという錚々たるアーティスト達が集結して、英国ロイヤルバレエで2011年に初演された。世界を席巻したこのプロダクションは世界有数のバレエカンパニーがレパートリー化しており、アジアでは唯一新国立劇場バレエ団だけが上演を許可され、2018/2019 シーズンの開幕公演として上演した。
ウィールドンはインタビューで「この作品は伝統的なクラシック・バレエではなく、ミュージカル・シアターとバレエの融合、ハイブリットだ」と答えている。そして原作の世界を見事に視覚化したカラフルでポップな美術、最新の照明・映像技術で構成された舞台は、観客を惹きつけてやまない魅力に溢れている。プロジェクション・マッピングなど現代アートが織り込まれつつも、生身の人間によるパフォーマンスの素晴らしさを存分に堪能できる、極上のライブ・エンターテインメントとなっている。
撮影:鹿摩隆司 /Alice’s Adventures in Wonderland(c) by Christopher Wheeldon
オープニングはアリス一家の自宅で開かれたティーパーティー。ここでこの作品に登場する主要メンバーが揃い、主役のアリス、彼女の母と父、家族の友人であるルイス・キャロル、そしてアリスがほのかな恋心を抱く庭師のジャックが登場する。メインキャラクターは現実の関係性を維持したまま、不思議の国の住人たちに変身。アリスの母は強烈なハートの女王、父は気弱なハートの王、ルイス・キャロルはいつも忙しない白ウサギ、庭師ジャックはハートのジャックとなり、それぞれ同じダンサーによって演じらている。本作は、こうした二重構造で、アリスとジャックの恋物語が現実と夢、そして時空を超えて展開していく。
さらに、映画界でも大活躍のジョビー・タルボットの音楽も本作品の大きな魅力となっており、彼の音楽はキャロルの登場人物たちのように生き生きとそれぞれのキャラクターを描く。不思議でおかしなおとぎ話の「アリス」にはぴったりの、リズミカルにゆらめくオーケストラの音色を創り出していく。また、オーケストラの約三分の一を打楽器が占め、不思議な登場人物たちや情景に合わせて、フロッグギロ、サンダーシート、ウィンドマシーンなど沢山の特殊な楽器も使用している。
撮影:鹿摩隆司 /Alice’s Adventures in Wonderland(c) by Christopher Wheeldon, Designs by Bob Crowley, Puppetry Designs by Toby Olié
本作のエンターテインメント性と芸術性を兼ね備えたカラフルな魔法の世界を堪能してみてはいかがだろうか。

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着