Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
コミュニケーションの場として
進化を続けるカラオケ業界

新幹線とほぼ同じ換気性能がある
そのことも伝えていきたい

岩田
2022年に入り、世の中的に感染拡大防止対策が施されたと言っても、コロナ禍の影響はまだまだありますよね。昼帯の利用客が増えたということは、これからはそれがスタンダードになる可能性もありますから。
安井
家飲み文化がこれだけ普及すれば、カラオケ店も飲食店と同じですから影響は避けられないと思います。カラオケの市場が4つあると言いましたが、TVや雑誌などの報道ではこの4つをまとめて“カラオケ”として伝えられることが多かったんですよ。クラスターが発生したというのはカラオケボックスではなく、“昼カラ”と言われるカラオケ喫茶で多く発生していました。それが世の中では“カラオケ全般が危険だ”というふうに伝わってしまったことがとても悲しかったです。それぞれの店舗で感染対策の工夫はしていただいていますが、残念ながら一部の地域でクラスターが発生してしまったことで“カラオケ=クラスター発生”のように報道されて、それが世間全般にそのまま伝わってしまっていました。
岩田
確かに安井さんにご説明いただくまでは、“カラオケ=カラオケボックス”だと思っていました。
安井
カラオケボックスは業界団体のガイドラインに則り、従業員のマスク着用、マイクやリモコンなどの除菌を徹底しています。密室で空気がこもるイメージから感染リスクが高いと思われがちですが、実はカラオケルームの換気は防音上窓やドアを開けて換気ができないぶん、建築基準法上、窓がある空間よりも厳しい換気性能を求められていて、JOYSOUND直営店では全室およそ6~9分ごとに室内の空気が入れ替わるようになっているんですよ。これをお客さまに向けていかに分かりやすく告知し、より安心してご利用いただくことができるかが課題にもなっているのですが…。例えでよく出るのは、この換気性能は新幹線とほぼ同じなんです。弊社の直営店はもちろんですが、大手のチェーン店さんも同じように優れた換気性能が整っているので、その点は伝えていきたいと思います。
石田
カラオケもですが、音楽業界でもライヴハウスでクラスターが発生して、それを機に“ライヴハウス=危険”と言われたことがあったので、カラオケも同じ時期にそのように言われていたという記憶がありますね。
安井
カラオケの全市場の全店舗が、同じような換気機能にできるかと言うと難しいのですが、業界でのガイドラインを各店舗が遵守しております。この点についてはカラオケ業界全体で発信しているのですが、なかなか報道などで大きく伝わる機会がなくて…。
千々和
TVの影響はすごく大きいと思います。クラスターが発生したあとに飲食店は店内で食べなくてもテイクアウトがあるという情報を発信していましたけど、カラオケ店でよく見かけたのは歌うこと以外の使い方を推進するということだったので、その印象が強かったです。私はコロナ禍に入ってからもカラオケを利用しているほうですが、そんなに換気が徹底されているということは知らなかったです。
安井
このようにお伝えできる場を嬉しく思います。店舗ではアルコール消毒の協力やマイクをはじめとした機器の除菌も徹底しているので、その点も伝わればと。他にも、マスクをしたままでも歌声がこもらずに歌える『マスクエフェクト』という機能を2020年7月から導入しているんです。これは“できるだけ早く、安心して気持ち良くカラオケを楽しんでもらいたい!”という開発者の強い想いから、約1カ月の開発期間でリリースされました。
千々和
すごい機能ですね。他にもJOYSOUNDの直営店にはデュアルプロジェクタールームがあり、最近知って利用させていただいたのですが、これは2018年からあったんですよね。個人的にコロナ禍の影響で友人に会う時も場所選びが慎重になっていて、映像作品が観られる個室を探していた時に2面プロジェクターが完備されているデュアルプロジェクタールームのことを知りました。
安井
ありがとうございます。先ほどは換気機能の話もしましたが、カラオケメーカーとしてカラオケ店舗で空間をどのように演出するかという点に力を入れ始めたのは、実は2019年のことでして。最新機種『JOYSOUND MAX GO』の発売と同時に、歌うのではなく、観て楽しめるコンテンツを提供する新サービス『みるハコ』の展開をスタートしました。大画面、大音量という特性を活かして、『みるハコ』では音楽ライヴや映画、アニメなどを楽しめたり、レコチョクさんと連携してアーティストのMVを3万曲以上楽しむことができます。さらに、業界初となるカラオケルームでのライヴビューイングも実現しました。コロナ禍に入って配信ライヴ市場が盛んになっていますので、身近なカラオケルームでライヴを観るという新しい音楽の楽しみ方の訴求にも引き続き力を入れていきたいと考えています。
千々和
あの大画面、大音量でライヴが観られるのは嬉しいですよね。
安井
そこも大きな強みのひとつですからね。例えば、千々和さんの家で配信ライヴを観ようという話になって友達が家に来たら、食事をどうするかだったり、片づけも大変になるじゃないですか。そんな時でもカラオケボックスだったら、食事もソフトドリンクも気軽に注文して楽しめますし、時間帯によってはアルコールも提供できるので、そんなカラオケボックスの強みについても、このような新サービスを展開することで、ようやくみなさんに伝えていけるのかなと思っています。
石田
先日、取材前に時間ギリギリまでWEB会議が何本も重なっていたので、取材場所の近くのカラオケボックス…まさにJOYSOUNDさんだったんですが、4時間ほどこもって仕事したんですけど、ルーム内はひとりだからマスクは外せるし、机も広いし、電源もあるし、ドリンクバーもあって快適でした。しかも、それだけ利用して会計は1,000円ほどという。また利用したいと思いましたよ。
安井
ありがとうございます。私も出張の際などによく利用しています(笑)。

OKMusic編集部

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