変態紳士クラブのプロデューサー・G
eGがHiplinと語る、主催イベント『【
#チルフェス 】 -OPEN AIR FES-』で
叶える夢ーー「鳥肌が立つ瞬間を1日
中、味わってほしい」

変態紳士クラブのプロデューサー・GeGが設立した、音楽制作会社「Goosebumps Music」初の主催イベント『【 #チルフェス】 -OPEN AIR FES-』が、4月29日(金祝)に大阪城音楽堂で開催される。出演は、日本のレゲエ界を牽引し続けてきたPUSHIMのほか、Hiplinやkojikoji、メロメロLIVE SETで出演するGeGに加え、フィーチャリングアーティストとして、VIGORMAN、SNEEEZE、Rin音、PERSIA、19Fresh、小林柊矢に「シークレットラッパー+アーティスト」らが名を連ねる。また、当日はストリングスも含めたバンドセットで、GeGがPUSHIMのステージをプロデュースしたりシークレットゲストのラインナップなど、この日だけの特別なライブが繰り広げれる。そこで今回は、発起人であり出演者でもあるGeGと、「Goosebumps Music」にも所属しているHiplinに、2人の出会いを振り返りながら、当日に先駆けてイベントについて話を聞いた。
GeG、Hiplin
ーーまずは、おふたりの出会いについてお聞かせいただけますか?
Hiplin:さかのぼったら、けっこう前やでな。
GeG:昔、よく対バンしてたんですよね。20人ぐらいが入れるような、ちっちゃいバーで。僕の友達がHiplinのバックバンドをしていて、その時に彼が「GROW UP」という曲をライブで聴いた時にすごくよくて、感動して声をかけたのが最初のキッカケです。
Hiplin:お互い、人見知りを発揮してましたね(笑)。
GeG:その日は、もちろん仲良くなってないですね。ちょっとずつ、ちょっとずつです(笑)。その曲を僕がプロデュースしたプレイリストアルバム『Mellow Mellow~GeG’ s PLAYLIST~』にセルフリミックスして入れたくて、連絡を取り合うようになったのが2019年ぐらいですかね。
Hiplin:僕が上京する前に出会って、東京にいるときにリミックスの話をもらって。それから今は大阪にカムバックして、一緒にやっている感じです。
ーーGeGさんから改めて「GROW UP」を収録したいと話があった時は、どういった心境でしたか?
Hiplin:基本的には僕も自分の曲をアレンジしたり、人の曲をアレンジしたりとプロデュースする立場になることが多かったので、誰かにプロデュースしてもらえることがとにかく新鮮でしたね。GeGのこともずっと知っていたし、やってるバンドも好きやったので、それはもうぜひお願いしますと。
GeG
ーーお互い人見知りしていたのが、音楽を通してより密になったのですね。
Hiplin:単純に話す時間ができたり、コミュニケーションをとる時間が長くなりますからね。
GeG:それから僕が、今回の『【#チルフェス】 -OPEN AIR FES-』を主催している、「Goosebumps Music」という会社を2020年に立ち上げて、うちから1st EP「CHOKING」を​​出してもらいました。それで、うちの所属アーティストになってもらったという関係ですね。
ーー会社を立ち上げるというのは、アーティストとしてもプロデューサーとても大きな決断ですよね。
GeG:会社設立は自然な流れでしたが、会社経営は大変ですね。けどスタジオを作ったりしたことに関しては、ラッパーの人たちがみんな金のネックレスつけたりするじゃないですか? 僕は音楽家なんで、会社を作ってオフィスにスタジオも作ってみたというのが、僕なりの「すごいでしょ」というフレックスなんですよね。別にオフィスもこんなに広くなくていいし、楽器とかも山ほど置いてるんですけど、僕は触れないですからね。あとは、せっかく音楽で稼がせてもらっているから、いろいろなミュージシャンやクリエイターが使いに来てくれたらいいなという想いもあったりします。パソコンで全部できる時代ですけど、ぜんぶアナログでそろえているので。
Hiplin
ーー4階建てのビルでオフィスが2階で、スタジオもあるんですね。
GeG:そうですね。1階がガレージとレコーディングスタジオになってます。3階は、僕の研究所になっています!
ーーすでにいろいろな人が出入りしているのですか?
GeG:今はメンバーオンリーでやっていて、周りのトラックメイカーとかプロデューサーやアーティストがレコーディングや制作でも出入りしていますね。
ーー大阪のハブ的な感じになっているのですね。
GeG:そうですね。大阪の新しい拠点になったらいいなと。大阪は東京に比べたらいいレコーディングスタジオがぜんぜんないので、だからみんな東京に行って録るんですよ。僕たちも週に何回も新幹線に乗って、東京に行って制作していたのがすごく嫌で。大阪で理想のクオリティを出せる、レコーディングをしたいというのもあってスタジオも自分たちで作りました。
ーー実際に制作したり、こうしてオフィスに通われてみていかがですか? 出会った頃と、会社を始めたGeGさんとでは変化もありますか?
Hiplin:やってることもバイブスも昔と変わらないんですけど、そのままフェーズが上がって、憧れてきた環境に近づいている感じはしますね。スタジオについては、部屋も楽器やと思うので、作るサウンドもちょっとずつ変わりますから。部屋も広いし、ワイワイできるのはバンド感があっていい環境やなと。
GeG:それはあるね。早くみんなにも実際に使ってもらって、このクオリティを味わってほしいな。

『Goosebumps Music Presents 【 #チルフェス 】 -OPEN AIR FES-』

ーー『【 #チルフェス 】』はどういったキッカケで開催されることに?
GeG:会社として大阪を盛り上げようと、さまざまな取り組みを考えていた一環でイベントを開催することになり、最初はバンドセットでライブをするところから肉付けしてました。僕、バンドじゃないと絶対にライブをしたくなくて。変態紳士クラブもバンドでしかライブをしない。それだけはずっと心がけてるんです。だから、まずはG.B.'s BANDのバンドメンバーを集めるところから始めました。
ーー出演者よりも先に、バンドセットから決まったのですね。
GeG:それから、僕がPUSHIMさんの大ファンということもあり、出ていただきたいなと。でもそもそも知り合いじゃなくて、今まで共演したこともなかったんですね。昔、レゲエのバックバンドをずっとしていたんですけど、PUSHIMさんにはバンドがついてますから、僕らには無理で共演も今までなくて。いちファンとしてチケットを買って、ワンマンライブを観に行ってるぐらい好きなんです。それがある日、真夜中にふらっと立ち行った地下のクラブで、PUSHIMさんがいて。「え! PUSHIMさんやん!」とびっくりしながらも、僕、お酒が入ると人見知りじゃなくなるので、めちゃくちゃ話しかけて熱い気持ちを伝えて、気づいたらLINEを交換してたということがあって。
Hiplin:その時の記憶は、あんまないやろ(笑)。
GeG:はっきりとはない(笑)。それで、今回のイベントが決まった時に、PUSHIMさんと一緒にライブをするのが夢やったから、この日しかないと思って連絡してみたら出てもらえることになったんですよ。
ーーこの日に夢が叶うと!
GeG:そうなんです! 僕は今までも全部夢を叶えてるだけなんですよね。音楽もそうやし、スタジオを作るとかもそう。これからはライブハウスを作りたいとか、楽器屋をつくりたいとかいろいろあるんですけど、今回のイベントにPUSHIMさんに出てもらうのも夢のひとつを叶えたかったんです。
ーーその上、今回はPUSHIMさんのステージをGeGさんが30分プロデュースされるのですよね。
GeG:セットリストも選ばせてもらっていて、この前に話したら「その曲、ライブで歌ったことない! 練習しとくね」と言ってました。あと僕のバンドはレゲエバンドではないのと、PUSHIMさんはR&Bをしてたりいろんな名曲があるので、いろいろやっていただけたらなと思っています。なので、普段のライブでは絶対に観られない、PUSHIMさんのライブを観ていただけると思います。イメージは、ゴスペルセットみたいな感じですかね。
GeG、Hiplin
ーーお話を聞いているだけで胸が高鳴ります……。
GeG:バンドもバイオリンとかストリングスも入ってるので豪華ですから。僕たちが主催するからには、生音にとことんこだわったイベントになってるんでぜひ体感してほしいです。PUSHIMさんのほかには、僕の中でアコギの弾き語りをしているアーティストの中で最強やと思っている、Hiplinとkojikojiにも出てもらおうと。なので基本的には、僕が観てほしい、聴いてほしい人たちに集まってもらったイベントになっています。
ーー最強のひとりだと。
Hiplin:嬉しいですね。出演自体は、事後報告ではあったんですけどね(笑)。
GeG:「Goosebumps Music」の所属アーティストなんで、僕が出てほしいからそこは出てよと決めました(笑)。kojikojiもいて、フィーチャリングアーティストで、VIGORMAN、SNEEEZE、Rin音、PERSIA、19Fresh、小林柊矢の名前が並んでるんですけど、好きな人たちなら想像できるかなと(笑)。すごいの見れるよと伝えたいですね。名前が載ってないだけで(笑)。
ーーイベントを通してのグルーヴが他のフェスとは全く異なりますね。ちなみに、野外でのライブは久しぶりですか?
GeG:めちゃくちゃ久しぶりですね。
Hiplin:僕は、大阪城野外音楽堂が初めてなんですよ。
GeG:僕もライブするのは初めてかも。観に来る人たちも野外ライブが久しぶりな人も多いやろうし、今のところフードもお酒も出せるんで、野外で音楽聴きながらワイワイする感じを味わってもらえたら嬉しいな。ライブは『【 #チルフェス 】』というぐらいなんで、基本的にはみんなミディアムセットで攻めてくると思うから、ハンカチを持ってきておいてもらえたらなと。それからDJで出ていただく☆Taku Takahash(m-flo/block.fm)さんには踊らしてもらって、転換中はライブとは違う雰囲気で踊りながらお酒を飲んで、野外のライブを楽しんでほしいです。

『Goosebumps Music Presents 【 #チルフェス 】 -OPEN AIR FES-』

ーー想像するだけで開放的な1日に。
GeG:僕、音楽を聴いていて鳥肌が立つ瞬間が大好きなんですよ。「Goosebumps Music」も「鳥肌音楽」という意味なんですけど、その鳥肌を立つ瞬間をこの日はめちゃくちゃ味わってほしいなと思います。帰る時には、「気持ちよかったなぁ」と思ってもらえたらなと。
ーー天気がよかったらもう、いうことないですね。
GeG:必ず晴れると思います。僕、60年の統計データを見て、4月29日に2年連続、雨が降ったことないということを調べたんですね。で、去年が大雨なんですよ。
ーーということは?
GeG:これはもう絶対、晴れやん。僕はもう確信を持ってます(笑)。
ーー説得力がすごい!(笑)。久しぶりの野外で、開放的な雰囲気で、それにスペシャルなバンドセットでとなると観客にとっても出演するアーティストにとっても格別な1日になりますね。
Hiplin:もう熱唱するしかないですね。さっきたまたま、ハナレグミの野音ライブの映像を観てたけど、気持ちよさそうやなと。僕にとって憧れのステージでもあるので、とにかく熱唱したいですね。メンツを見ても話を聞いていても、個人的に聴きたいし楽しみたいなと思うフェスなんで、自分のステージ以外は僕も思いっきり楽しみたいなと思います。
GeG:いつか大阪で3万人ぐらいのフェスをしたいと思っていて、この日はそれに向けた最初の一歩やと思っています。このラインナップを、カルテットまではいっているバンドセットで、野音で見られることはめったにないと思うので、踊って、笑って泣いて、飲んで楽しんでほしいですね。
Hiplin、GeG
取材・文=大西健斗 撮影=ハヤシマコ

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