初進出「武蔵野の森総合スポーツプラ
ザ」2連戦 第1日=4・16はケージ使用
の「TRIGGER 3rd」

昨年、従来からのナンバーシリーズに続き配信を中心とした「LANDMARK」、そして金網を使用する「TRIGGER」を立ち上げ、攻めの姿勢を見せるRIZIN。この度初進出となる「武蔵野の森総合スポーツプラザ」において16日(土)、17日(日)と連日で大会を開催する。コロナ禍で行われた2020年8月のぴあアリーナMM2連戦(「RIZIN.22」および「RIZIN.23」)以来となるRIZIN 2 DAYS。初日の16日(土)はケージでの「SPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rd」となる。
矢地、因縁のグスタボにリベンジなるか
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
ルイス・グスタボ vs. 矢地祐介
大会ビジュアルで中央に配され、第1弾カードとしていち早く出場が発表されたのが矢地祐介。3年8ヵ月前、18年8月の対戦で破れたルイス・グスタボ(ブラジル)との再戦でリベンジを挑む。
16年末にRIZINデビューを迎えた矢地はわずか19秒で勝利を飾り、そこから五味隆典を破るなど5連勝。思い切りと勝ちっぷりのよい“お祭り男”としてRIZIN中量級のエースを期待されたが、ここで土をつけたのがグスタボだった(矢地のKO負け)。矢地はここからジョニー・ケース、朝倉未来と3連敗に沈み、復活を果たすまで時間を要した(19年末の上迫博仁戦で3R TKO勝利)。グスタボは矢地のキャリアを狂わせた張本人だとも言える。
その後の矢地は2020年も2戦2敗と苦しんだが、練習環境を変え名参謀・八隅孝平の指導を受け復活。21年には修斗王者の川名TENCHO雄生とDEEP王者の武田光司を連破した。
対戦決定を受け、矢地は「僕の泥沼はグスタボにやられてから始まったので、コロナなどでなかなか実現しなかったんですけど、やっと実現したので全局面で圧倒して、KO・一本を獲って、しっかり過去を精算して次に進みたい」と会見で意気込み。
対してはグスタボは2年以上実戦から離れているが、一度KOしている自信からか「ヤチはファイトスタイルが変わったと聞いたが、見た限り何も変わっていないし俺は自分のスタイルを貫くだけさ」と余裕の構え。
第1戦時とは格段に戦いの幅を広げている矢地だが、グスタボが以前と変わらぬ荒々しい戦いで開始からペースを握れば、再び苦汁を飲ます可能性もある。今後は海外勢との対戦を見据える矢地、ここできっちりグスタボを降し、過去の因縁を清算することはできるか。
打撃かレスリングか、金太郎vs.“投神”倉本
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
金太郎 vs. 倉本一真
2月23日、2回目となる「RIZIN TRIGGER」がエコパアリーナ(静岡アリーナ)で開催された。倉本は昨年6月、アラン“ヒロ”ヤマニハに敗れて以来のRIZIN第3戦となったが、評価を一変させる強さを発揮。加藤ケンジをテイクダウンしグラウンドに持ち込むと、加藤が立ってもすぐグラウンドへ戻し、立たせることなくパウンドと顔へのヒザを見舞ってレフェリーストップでTKO勝利した。
倉本は全日本選手権を制し世界選手権でも7位入賞を果たしたレスリングエリート。18年2月にMMAデビューを果たすと、ジャーマンスープレックスを1試合で8回決めるなどギネス認定を求めたくなるパフォーマンスを見せ、“投神”の異名を取った。
ここまで10戦8勝2敗と、岡田遼と前述のヤマニハ戦こそ落としたが、今年に入りグラウンドでの掌底打撃を認めた組み技マッチ『IRE(今成ロール・エクスタシィ)』(1月10日)に参戦すると、掌底で対戦相手の顔面を破壊しTKO。ポテンシャルをもう一段階上で花開かせた印象で、翌月の加藤戦でも圧勝に繋げてみせた。
一方で対戦相手の金太郎は全弾フルスイングというべき殺傷力ある打撃を武器に、昨年のRIZINバンタム級GPベスト4ファイターの瀧澤謙太、井上直樹とも僅差の勝負を展開して地力を見せている。
昨年、扇久保博正のGP優勝でいったん結末を見たバンタム級だが、新たなストーリーがすでに始まった。その中心人物を争う2人の対戦だ。
金原vs.摩嶋:フェザー級“裏”最強決定戦
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
金原正徳 vs. 摩嶋一整
今年GPの開催も噂され、今大会の翌日には『RIZIN.35』で王者・牛久絢太郎と挑戦者・斎藤裕によるタイトルマッチも行われるフェザー級。そんなフェザー級で「“裏”最強決定戦」とも称されるのが、この金原vs.摩嶋戦だ。
金原は山本“KID”徳郁に2009年末勝利し、14年~16年にはUFCに参戦、2020年に引退するも昨年バンタム級からフェザー級に階級を上げて復帰し、「もう一丁、格闘技を楽しみます」とモチベーションを新たにしている。
対する摩嶋はRIZIN2連敗と結果こそ出せていないが、その相手は前フェザー級王者・斎藤裕にクレベル・コイケと、海外で王座奪取(Rebel FC)をやってのけた“摩嶋幻想”はいまだ破れず保たれている。だが3連敗となってしまうと話は別で、今回は摩嶋にとってRIZINでの命運を懸けた一戦となる。
関係者や練習をともにした選手たちから“最強”の評価が伝えられる金原。会見で実力者同士の一戦についてどう思うかと質問が飛ぶと、「俺の方が全然強い。なんで“実力者同士”と言うのか」と、摩嶋と同じ括りとされることに疑問と不満を呈した。
はたして、金原が自身の見解通りに実力差を見せるのか、あるいは両者拮抗した技術戦が繰り広げられるのか。
怪物・関根“シュレック”vs.貴賢神ほか注目試合
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(無差別級)
関根“シュレック”秀樹 vs. 貴賢神
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
雑賀“ヤン坊”達也 vs. 江藤公洋
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(57.0kg)
征矢貴 vs. 中務修良
▼RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
渡部修斗 vs. 須藤拓真
その他、RIZIN TRIGGER初の無差別級マッチでは、これがデビュー戦の貴賢神を関根“シュレック”秀樹が迎え撃つ。双子の兄・スダリオ剛が高いセンスを示しただけに貴賢神も同等のものを持つことが予想されるが、シュレックは前回ヘビー級日本最強の評価があったシビサイ頌真を降しており、2戦連続で年齢差を超越した勝利を狙う。
雑賀と江藤はともにRIZIN初参戦。強打を持つ激闘派ファイター雑賀と、組み技に長けた江藤が、ホベルト・サトシ・ソウザが王者に君臨するRIZINライト級に第一歩を刻むべく争う。
征矢は国指定の難病であるクローン病と戦いながら格闘技を続けるファイター。今回は2年8ヵ月ぶりの試合となり、こちらも病と戦う家族を持つ初参戦の中務と対戦する。
マジカルチョークを武器とする渡部と5戦5勝5一本勝ちで全て足関節で勝利している須藤の一戦は注目のグラップラー対決。渡部が総合力で上回るか、あるいは須藤が得意の足関節で一点突破を果たすのか。
(文:長谷川亮)

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