【シークフェルト音楽学院
インタビュー】
ここから始まるシークフェルトの
新たな物語を楽しみにしてほしい!
小山百代や三森すずこらの出演で舞台、アニメ、ゲームとクロスメディア展開されてきた『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(以下、スタァライト)最新公演となる、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE エーデル- Delight』の主題歌などを収録したシングル「Delight to me!」。同舞台で主役の雪代 晶を演じた野本ほたるが、その魅力と楽曲に込められた想い、そして新たに発表されたシークフェルト音楽学院中等部に寄せる期待などを語った。
“これを歌いながら殺陣をする!?”と
最初はちょっとおののいた
野本さんはこれまでミュージカルや舞台などの多くの作品で活躍されてきましたが、『スタァライト』の舞台は2020年に上演された『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE 青嵐- BLUE GLITTER』が最初なんですよね。
はい。でも、実は出演が決まる前の2017年に初演『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE- #1』を観客として観ていて。女性だけのキャストであそこまで本格的な殺陣をやる舞台は他に観たことがなかったし、そういう意味では自分を高め続けられる舞台だと思ったので、いつか出てみたいと思っていました。だから、『青嵐』公演に出演が決まった時は、“あの世界に自分が入れるんだ!”というワクワクがありましたね。
それから2年、『エーデル- Delight』公演で主演を張るまでになったと。
いえ、私ひとりで主演とは思っていなくて、もともとアプリゲーム『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-』のキャラクターとしての雪代 晶役が決まった時、同じシークフェルト音楽学院のメンバーに、リュウ・メイファン役の竹内 夢ちゃんや鳳 ミチル役の尾崎由香ちゃんなど、舞台で共演した経験のある実力者が揃っていて、“このメンバーで舞台をやりたいね!”と5人で話をしていたんです。そのみんなの目標の一歩目が踏み出せた感じがあったので、自分が主役ではあったけど、シークフェルトの5人全員が主役みたいな感覚でした。
それにしても『スタァライト』の舞台はお芝居だけじゃなく、歌って踊って、さらに殺陣もあってと、単純に大変ですよね。
すごく大変です!(笑) でも、私はアドレナリンがおかしくなってしまうタイプの人間なので、稽古期間中から千秋楽までの2カ月ほどはアドレナリンが出続けた状態になるんです。身体は疲労しているけど、ステージに立つとそれを感じなくなってしまって。だから、身体を動かしすぎてトレーナーさんに怒られるという。千秋楽の翌日の朝はベッドから起き上がれなかったです(笑)。2カ月分の疲労が一気に押し寄せてきたみたいな感じでした。
それくらい命を削った舞台で歌っていた曲がCDとなってリリースされると。『スタァライト』のことは知っていても、まだシークフェルトのことを知らない人の耳に届くチャンスがあり、それをきっかけに舞台に興味を持つ人が増えるかもしれないという可能性を秘めた大きな一歩ですね。
はい。シークフェルトとしてCDを出すのは2枚目なのですが、約3年振りなので“やっと2枚目ができた!”という気持ちです。前回はゲームの楽曲だったのですが、今回は舞台で実際に歌った曲ということで、CDというかたちで私たちの公演を残せることがすごく嬉しいです。
雪代 晶の武器は特に大きくて重そうで、これを振り回しながら舞台で歌ったわけですよね。
私の武器はランスで、“軽量化されているので見た目ほどの重さではありませんが、シークフェルトの中では最重量ですね。それに長さが結構あって、形状の問題で真ん中が持てないのでバランスをとるのが難しいんです。これをずっと振り回していると疲労骨折してしまうので、稽古中は練習用の棒を使っていました。さっきもお話しましたけど、私は平気で限界突破しようとしてしまうので、本番用のランスを持って稽古するのは一日一回に止められていたんです(笑)。
そのランスを振り回す殺陣のシーンで歌ったのが表題曲の「Delight to me!」ですね。
私ひとり対8人で戦うんですけど、みんなが“エーデル(シークフェルトの中でも特に優秀な生徒)なんていない!”と言っているところに、“私がエーデルだ!”と言いながら舞台のど真ん中にせり上がってくるんです。大勢での殺陣は誰かが一歩でもずれると、ぶつかったり事故が起きたりするので、とても集中力が必要な場面でした。レコーディングは舞台が始まる前だったのですが、これが大事な場面のレヴュー(戦い)の曲になることは分かっていたので、最初は“これでレヴューするのか〜”っておののきましたよ。2020年に出させていただいた『青嵐』公演で歌ったレヴュー曲「BLUE ANTHEM」よりもテンポが速いし、歌詞も言葉が詰まっているので、“これを歌いながら、あの重いランスを振り回すんですか!?”って(笑)。そういうドキドキはありましたが、“晶としてのびのびと歌ってください!”と言っていただいたので、舞台は舞台、CDはCDとして全力を尽くそうと思って歌いました。
レコーディングスタジオで思わず身体が動いちゃいそうですね。
そうですね。最初にゲームのアフレコをやった時、私はマイク前でお芝居することが初めてで何も分からなくて、“戦っている時の声を出してください”と言われて、それこそ相手を切るような動きをつけながらやったら、“動きの音が入っちゃうので動かないでください”って怒られました(笑)。アフレコに関しては今も探り探りで、トライ&エラーを繰り返しながらやっていますけど、それは舞台のお芝居と同じで、この仕事を続けている限り一生続くものなのかなと思っています。だから、たまに最初の頃の声を聴くとちょっと違っていて恥ずかしいです。たぶん最初は二十歳くらいの時だったので。