『RIDE ON THE EDGE』で理解する
GRANRODEOの正確性と親しみやすさ
歌詞の独自性にロックを見る
《しょっぱい真実をせせら笑いながら/それでもallways感謝しよう》《全部偽善だよなんつって分かってんだよなんつって》(M10「RIDE ON THE EDGE」)。
《冷めた心を さらして/今を揺らめいてたい/どうぞ錆びた心見さらせ/目を閉じたままで》)(M14「mistake」)。
《吹けば飛ぶような儚い夢に/賭けた命笑わば笑え/尊く高き星に選ばれし mission/痛みだけを確かめるような/そんな弱さ 今越えてゆけ/彷徨う魂が浮かび上がる Once & Forever/抱いて貫け》(M15「Once&Forever」)。
会話のような言葉使いをする一方で、《見さらせ》や《笑わば笑え》といった、やや古風と思える言い回しもサラリと入れ込んでいる。作風の多彩さがうかがえ、やはりライターとしての確かな手腕を確認できるし、個人的にはそのフリーキーさには好感が持ったところだ。ロックなのだから自由だし、自由であるからロックである。個人的に最もおもしろく感じたのは、M7「059/21」。歌詞を書いた日が2005年9月21日で、それを“おうこくのつい”と読ませるアイディアも楽しいところだが、その内容は相当、興味深く思える。
《楽にLuckは来ない あがくにしろ/明日はUsの番だ 十人十色》《さぁ消して 自我をトレース/軽く鬱状形態 たちこめる先入観/さぁ見せて 壁にリリース/どうぜ 単調淡白 隠し得ぬ連帯感/不信を抱いても周るし回る/しょうがない 愛はある 嘘はない》《肺にHighな酸素 みんなダマす/ロクにRockをしない 君に明かす》(M7「059/21」)。
言葉遊びに目が行くけれども、果たしてそれだけだろうか? 私見では、これは彼らの所信表明として捉えることもできるし、若干の皮肉も含めて本音があるような気がするが、それは気のせいだろうか。その判断はリスナーにお任せしたい。
TEXT:帆苅智之
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