【INTERVIEW:Kawaguchi Yurina】
なにか動かなきゃ、
なにか変えなきゃいけない
っていう気持ち
「幼いころから家でずっと音楽が流れていたんです。母がいつもJ-POPやディズニーの曲など色んなジャンルの音楽を流していて、当たり前に存在するものでした。不思議といつのまにか音楽が無い生活があり得ないという感じになっていました」
――その音楽に合わせて家で歌ったりとか?
「そうですね。ホームビデオを見るのがすごく好きなんですけど、3歳くらいの私が4つ上の姉と一緒にリビングで歌って踊り回っているビデオが何本も存在していて(笑)。その時の記憶はあんまり無いんですけど、歌うこととか音楽が好きだったんだなって思います」
――その幼少期を経て、歌手や芸能界を夢見るようになったのはいつ頃ですか?
「芸能界で何かがしたいとか、歌手になるのが夢だったり、目標ということではなかったんです。中学3年生で受けたコンテストも、受かるわけないだろうって軽い気持ちだったのが、アイドル(X21:全日本国民的美少女コンテストのファイナリストで構成されたグループ)として活動させていただくことになり、その時初めてステージに立つことってこんなに楽しいんだっていうことを感じました。その後、残念ながらグループは解散してしまったけど、お芝居をやりながらもどこかで音楽をやりたい、諦めたくないなって気持ちがありました」
「ガルプラを終えて帰国してからも、やっぱり音楽を諦めたくないっていう気持ちが強かったのと、私のことを応援してくださっている方からの“アーティストとして活動する私を見たい”っていう声も多くあって。なにか動かなきゃ、なにか変えなきゃいけないっていう気持ちでしたね」
――焦る気持ちがあったということですか?
「はい。ソロデビューのお話をいただけたときは、正直「ソロとして活躍することが果たして私にできるのだろうか!?」って(笑)。不安だったり怖い気持ちが大きくて最初はすごく悩んだんです。だけど、周りのスタッフがサポートしていくからと言ってくださって、そこで私も“前に進まなきゃ、何か動かなきゃいけない”って思って決めました」
――どんなアーティストになっていきたいですか?
「日本だけじゃなく、海外のファンの方へ向けてアーティスト名を英語表記にしたのもありますが、世界を飛び回れるようなアーティストになれたらいいなと思います」
「候補の曲をいくつか頂いて聞いてる時に、“この曲が好きだな!”って直感的に思ったのがこの曲です。強さの中に切なさとか儚さがあるメロディーラインが私は大好きで、デビュー曲として歌いたいなって思いました。曲に合わせた雰囲気とか私の伝えたいものを何度か打ち合わせして、歌詞とかも細かく話し合ってこの形で完成しました」
――作詞に挑戦されたということですが、どういった点を意識されましたか?
「私がガルプラで経験してきたもの、感情とか、それを経てファンの人に伝えたいことを歌詞に込められたら良いなと思って。曲の雰囲気と照らし合わせながらこの言葉はしっくりくるかな、この言葉は聴く人が共感しやすいかな、とか色々と考えながら作詞に参加させて頂きました」
――透明感がある中でも力強く、惹きつけられる歌声が楽曲にマッチしているように感じました。歌う時に意識していることはありますか?
「まず、他の声質でも歌えるようにスキルを練習しました。あと声量を上げる方法を教えてもらったりして声に力強さを出せるように鍛えました」
――かなり研究されたんですね。
「そうですね。あとはレコーディングでディレクターの方が私の引き出しをたくさん作ってくださって。自分でも、“あ! 私こういう声出せるんだ!”って、学ぶことがすごく多かった。本当にいろんな方のサポートがあって、曲にマッチした歌声になったと思います」
「一番はMVの撮影の時に思ったんですけど、スタッフの方々が本当に暖かくて(笑)。どんなに時間が押してたとしてもすごくアットホームな雰囲気で、それがすごくありがたいなと思いました。その雰囲気作りがあるからこそ、良い作品が生み出せるんじゃないかなと感じました」
――今後、自身の楽曲が聴く人にどのように届いて欲しいですか?
「私自身、悩みが多い時期とか苦しい時とかって自信を無くしたり、人と比べて自分を下げてしまうというかマイナスな気持ちになることが多いんですけど、同じような思いを持つ人が、前を向けるようになったり、ちょっとでも背中を押せるような音楽を届けていきたいなと思います」
――ライブ活動にも期待が高まりますが、目標とする会場とかありますか?
「すごく大きな夢になってしまうんですけど、国内だとアリーナとか東京ドーム、武道館とか、そういう大きなステージに立てるように頑張りたい。あとは海外での公演もしたいですね」
「アーティストの時に心掛けているのは、自分らしさとか自分のカラーを出せるようにということ。音楽以外のモデルやお芝居の活動だと、お芝居では役をいかに観ている人に認識してもらえるかとか、モデルとしてはファッションとか衣装の良い部分を読者の人にきちんと伝えられているかどうか。それは自分主体じゃない感じですね。その分アーティスト活動の時には自分らしさをバーン!って出せるから(笑)、カラーの違いを見せていけたらいいなと思っています」
――記念すべきデビューの年となる2022年はどのような年にしたいですか?
「まず2021年は私にとってすごく“変化の年”だったので、2022年は“進化の年”にしたいです。今回のデビュー曲でも進化した私を見て欲しいですし、次の作品でも更に進化した私を見て欲しいです。2022年、どんどん自分自身をレベルアップしていけたらなと思っています」
――今後の活躍も期待しております。では最後の質問になりますが、あなたにとって音楽とは?
「生活の一部ですね。音楽を聴いてない時間が無いぐらい私のそばにはずっと音楽がありますし。私は辛い時や苦しい時に人に話したり、吐き出すことがあまり得意ではないんです。その分自分の中で消化するときに音楽に頼って支えてもらって、自分を奮い立たせるというか。そういう私の日常であり、大きな支えです」
(日本工学院専門学校 蒲田校コンサート・イベント科)
撮影:石原汰一