8年ぶりの『タイバニ』新作、配信直
前!新ヒーロー3人もお披露目の『TI
GER & BUNNY 2 -Precious EVE-』レポ
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2022年3月12日(土)、幕張メッセ イベントホールにて『TIGER & BUNNY 2 -Precious EVE-』が開催された(昼の部、夜の部ともに有観客・ライブ配信あり。アーカイブ配信期間は2022年3月19日(土)12:00~4月7日(木)23:59)。
『TIGER & BUNNY』(タイバニ)は、「NEXT」という特殊能力を持つヒーローたちが、実在する企業のロゴが入ったスーツをまとって戦う新感覚ヒーローアニメとして2011年にテレビ放送された。劇場版も2012年・2014年と2本が公開され、2022年4月8日より『TIGER & BUNNY 2』がNetflixにて独占配信となる。その期待高まる最新作公開前のスペシャルイベントの模様を、今回レポートしていく。

平田「久しぶりに、ワイルドに吠えるか!」豪華ボイスアクターズに加え、新ヒーロー3名も登場
本番スタートと共に、さっそくワイルドタイガーとバーナビー・ブルックス Jr.が、新しくなったヒーロースーツで登場。プレイスメント企業のロゴはイベント内で発表のため、大きな絆創膏などを貼って隠した状態だ。
新型コロナウイルス感染防止のため、会場では声援を送ることはできなかったが、その代わりにスマホからイベント連動サイトにアクセス。画面からヒーローたちや「いいね」などのスタンプを押し、会場のスクリーンへ送ることができた。
「『いいね』ボタンじゃんじゃん押してくれ!」とワイルドタイガー。「僕のも押してください!」とバーナビーも言い、スクリーンには2人のヒーローの顔や、ハートなどのスタンプがいくつも流れていく。懐かしい2人のやりとりに早くも感動してしまう。
続いてショーの進行役として、「HERO TV」のリポーターであるマリオの役を務めた声優・太田真一郎が登場。「グーテンターク、アンニョンハシムニカ、ボンジュール」など各国の言葉で挨拶をすれば、会場のスピーカーから敏腕プロデューサーのアニエス・ジュベールも、声の出演で「ボンジュール!」と会場へ挨拶を送った。
次はボイスアクターズが登場。最初はもちろん、主役の2人だ。「久しぶりに、ワイルドに吠えるか!鏑木・T・虎徹、平田広明です!」「バーナビー・ブルックス Jr.、森田成一です!」と、肘タッチをすれば、会場からは惜しみない拍手が送られた。
さらに「私の氷はちょっぴりコールド、あなたの悪事を完全ホールド!」と、ブルーローズことカリーナ・ライル役の寿美菜子。「みんなのことをギュッ(牛)としちゃうぞ!」と、ロックバイソンことアントニオ・ロペス役の楠大典。「ありがとう、そしてありがとう!」と、スカイハイことキース・グッドマン役の井上剛。「今日もボク、がんばるよ!」と、ドラゴンキッドことホァン・パオリン役の伊瀬茉莉也。それぞれ決め台詞を言い、ステージに現れた。
また、スケジュールの都合ということで会場には現れなかったが、あとの2人のヒーローも収録映像にて出演した。「会場でも僕の生霊が見切れているかもしれない」と、折紙サイクロンことイワン・カレリン役の岡本信彦。「今回は会場に行けなくてファイヤー申し訳ない」と、ファイヤーエンブレムことネイサン・シーモア役の津田健次郎。それぞれユーモラスにメッセージを伝えてくれた。
そして、さっそく『TIGER & BUNNY 2』で新登場となるニューヒーローも発表。森田が「ドキがムネムネでございます!」と興奮する中、3人のキャラクターの映像がスクリーンに公開された。
「白き光を纏いし者」ヒーイズトーマス、「黒ずくめ男」Mr. ブラック、「魔女っ子食肉目」マジカルキャットである。そしてそれぞれのキャラクターを務めるボイスアクターズも会場に登場。ヒーイズトーマスことトーマス・トーラス役の島﨑信長は、上下ともに白のスーツで。Mr. ブラックこと仙石昴役の千葉翔也は黒いジャケットで。マジカルキャットことラーラ・チャイコスカヤ役の楠木ともりは可愛らしいライム色のドレスで。それぞれ、ヒーローのイメージに合わせた衣装で登場した。
「トーマス・トーラスです。ぜひ覚えて帰ってください」と役名を口にする島﨑。千葉は「エネルギーが伝わってきて、愛の深さを感じた」と述べ、収録に関しては「楽しくできました」と語った。また楠木は「応援していただけると嬉しいです」と明るいメッセージを送ってくれた。
新メンバーも含めた和やかなトークが繰り広げられたあとは、SNSを通じて広く募集されたプレイスメント企業が発表。全54もの企業のプレイスメントロゴがヒーロースーツや、ワイルドタイガーとバーナビーが乗るダブルチェイサーにも入るという。そして各プレイスメント企業の『タイバニ』コラボレーションも一部が発表された。
続いては、緊急サプライズとして、『タイバニ2』でエンディングテーマを歌うanoからもビデオメッセージが公開。
あの アーティスト写真
新曲について、「お互いのことを思うがゆえにすれ違ってしまったりする、もやもやした思い」から曲を作り、完成したものがその感情への答えになったと語った。
ジャケット
加瀬監督「ものすごい重圧。好きなものを作るんですから」深化する新作へ込めた、各スタッフの思いを赤裸々告白
次のスタッフトークのコーナーでは、加瀬充子(監督)、西田征史(シリーズ構成・脚本・ストーリーディレクター)、桂正和(キャラクターデザイン・ヒーローデザイン)の3名がスペシャルゲストとして登場。ボイスアクターズの代表として平田・森田の2名も再びステージに現れ、森田が司会役として3名から新作の制作エピソードを引き出していく。
まず、今作で新たに『タイバニ』の監督を引き受けた加瀬監督は、「お話を受けたときの印象や感想」について、「憧れの作品だったので。オファーをいただいた時には、ホント?って、ものすごい重圧」
そして桂は、「しんどいです。この作品は人間が多すぎ」と赤裸々すぎる内情を吐露。だが実際、タイガーとバーナビーのヒーロースーツも新しくなるだけでなく、各キャラクターの普段着も人数分描かなければいけなかったという話を聞けば、その物量たるや、計り知れない。
また、『タイバニ2』を1文字で表すと?という次の質問では、加瀬監督は「絆」という言葉をチョイス。「ヒーロースーツを脱いだときの、普段の様子のキャラクターを深掘りしている」とのことである。また西田は「生(せい)」という文字を選び、「あれから先、(各キャラクターが)どんな生き方をしてきたのか想像しながら書いた。」と、構成・脚本に込めた想いを語った。
一方、桂は、「深」という1文字をチョイス。10年を経て各々のキャラクターを理解できたことで、スーツのデザインなどもさらに「深化」させていったのだと語る。特に新スーツについては、「どこが違うんだ?と思われるのがポイント」と、細かいこだわりを明かしてくれた。そしてなんと、桂はデザインに携わっただけでなく、『タイバニ2』では声優としても出演していることを発表。どこで登場するかも見どころである。
なおこれらスタッフトークについて、今回のイベントのアーカイブ配信では、特典としてさらにディープな話も聴けるのだという。そちらもぜひ注目だ。
「『タイバニ』お帰りなさい」とユニゾン斎藤。ライブステージで新曲含む5曲を熱唱
続いて、UNISON SQUARE GARDENのライブステージへと移る前の舞台準備の時間として、ヒーロースーツのワイルドタイガーとバーナビーが再び登場。観客席へとゴンドラで進んでいく。絆創膏も外し、企業ロゴも見える状態で観客にその姿をアピールした。「合計何社か覚えてますか?54社ですよ!関係者の皆さんも来てます」とバーナビーが言えば、2階席から各企業の方々が大きく手を振った。
また、ここで今回のイベントに出られなかった岡本信彦・津田健次郎の両名からもビデオメッセージが。岡本は「ようやくか、と。長い年月の間応援してくれた皆さんに感謝です。」と述べる。また津田は、「お待たせいたしました。ファーーーイヤン!」と、ネイサン・シーモアの口調も交えて愛情いっぱいのメッセージを届けてくれた。
そしていよいよ、UNISON SQUARE GARDENのライブがスタート。「『タイバニ』お帰りなさい、UNISON SQUARE GARDENです!」と、『タイバニ』にまつわる4曲をメドレーで披露した。「harmonized finale』(『劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-』主題歌)、「リニアブルーを聴きながら」(『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』主題歌)、「I wanna believe、夜を行く」、「オリオンをなぞる」(『TIGER & BUNNY』OPテーマ)である。
特に「I wanna believe、夜を行く」はタイアップ曲ではないが、歌詞が『タイバニ』のストーリーを彷彿とさせる名曲ということで、ファンにとっては大きなサプライズとなった。
メドレーの後、拍手に包まれる会場。最後に、『TIGER & BUNNY 2』のオープニングテーマとなる新曲「kaleido proud fiesta」を力強く歌い上げた。スクリーンには歌詞と共に会場の模様もそのまま映し出されており、会場の熱気を何倍にも高めていった。
ライブの後、4月8日の『タイバニ2』配信スタートに向けて、新ヒーローを務める声優陣3名から期待のコメントが語られたあとは、来場のボイスアクターズと、ヒーロースーツのワイルドタイガーとバーナビーまで全員集合。「ワイルドに、撮られるぜー!」と観客を巻き込んだ写真撮影が行われ、いよいよショーもフィナーレを迎えた。一人ひとり、その日のショーや新作に向けてのコメントを述べていく。以下、コメントを紹介する。
新作出演者コメント
●平田広明(鏑木・T・虎徹/ワイルドタイガー役)コメント
本当にすごく久しぶりのイベントで、いい歳して緊張もしていたんだけど、みなさんのタイバニ熱、応援してくれる力が全然衰えず、あのときのまんまでいてくれたことがとても嬉しいです。コロナ禍で収録はバニーとふたりだけのことが多かったけれど、キャストのみんなとこうして会えて作品がはじまることを実感できたし、応援してくれるみなさんに会えたのも嬉しいです。
北は北海道から南は鹿児島までライブビューイングがあって、東北は仙台で見てくれているのかな? 仙台のみんな、元気かな? 昨日は3月11日。タイバニはずっと、忘れることのできない震災と付き合ってきました。11年前のあの日、僕らは1期の第6話の収録日でした。とても恐ろしい思いを東京にいる我々もしました。そして辛いことが東北でありました。しかし、東北のみなさんの、立ち上がろう立ち直ろうとする勇気とパワーから、逆に俺たちが元気をもらいながらタイバニを続けてくることができました。東北の人たちのことは忘れません。これからも一緒に歩んでいきたいと思います。
これで昼の部は終わりですけど、イベントが1個終わっただけで、『TIGER & BUNNY 2』はこれからはじまります。みなさん、一緒に盛り上がっていこうぜ! ありがとうございました!
●森田成一(バーナビー・ブルックス Jr.役)コメント
みなさん、本日はどうもありがとうございました! こういう時期ですから、客席がどうなるんだろうとドキドキしていたのですが、こんなに大勢のみなさんが来てくださいました! そしてライブビューイング、配信でご覧のみなさんもありがとうございました! さきほど、UNISON SQUARE GARDENさんのライブを会場後方から映したカメラの映像で見ていたのですが、みなさんの背中がまぁ嬉しそうで! 見ているこちらもなんとも言えない気持ちになって、涙が出てきました。みなさんのそういう姿を見ると嬉しくて…。ユニゾンさんは新曲もそうですけど、昔の曲を聴いてグッときた方もたくさんいると思います。本編を見ると、またさらに、喜びと笑いがいっぱい押し寄せると思いますので、配信までお待ちいただければと思います。本日は誠にありがとうございました!
●寿美菜子(カリーナ・ライル/ブルーローズ役)コメント
幕張メッセに起こしくださったシュテルンビルト市民のみなさま、配信でご覧になっている市民のみなさま、ありがとうございました! こうやってみなさんの熱い視線、熱い想いを感じられるのが本当に嬉しくて、Precious EVEと付いているイベントだけに、本当にPreciousな時間をありがとうございました。ぜひ、4月8日から配信、よろしくお願いいたします!
●楠大典(アントニオ・ロペス/ロックバイソン役)コメント
「木」がついてない方の楠です。可愛いのは(楠木さんと)同じです(笑)。久しぶりにみんなに会えて嬉しかったです。ドキがハラハラするくらいの緊張感ですけど……って、これはお客さんは声出せないから笑いもないんですよね(笑)? 今回の『2』でも収録するたびに毎回感動していて、でも、言えないことがいっぱいあるんです。その言えないことがいっぱいあるのが見どころですので、みんなで一緒に見ましょう。そして、またみんなでお会いしましょう。ありがとうございました。
●井上剛(キース・グッドマン/スカイハイ役)コメント
めちゃくちゃ久しぶりに喋るなぁ、ってくらい喋ってなくてすいません。井上剛、43歳です(笑)。たくさんの方に遠くまで来ていただいて、感染対策にもご協力いただいて、本当にありがとうございます。みなさんが(声を出さず)拍手をしていただいているのを見て、感動すら覚えました。新ヒーローが発表されましたけど、新ヒーロー/旧ヒーローという感じでもなく、新しいタイバニのヒーローズとして、物語全体で楽しんでいただけたらと思います。ありがとうございました!
●伊瀬茉莉也(ホァン・パオリン/ドラゴンキッド役)コメント
タイバニの1期から(続編まで)10年かかったんだなと。でも、その月日を感じさせないくらい、私たちキャストの中にはすごくキャラクターと作品が根付いていて、またこれだけたくさんの方が続編を待ってくださっていたかと思うと感無量です。会場にもたくさんの方に集まっていただき、さらに、配信でご覧になられているみなさんも、ありがとうございます! イベントははじまると、あっという間ですね。もう終わりなんだと寂しい気持ちもあるのですが、配信の『2』を楽しみに待ってくださったら嬉しいなと思います。本当にありがとうございました!
●島﨑信長(トーマス・トーラス/ヒーイズトーマス役)コメント
トーマス・トーラス役の島﨑信長です。トーマス・トーマスと覚えている人がいる気がするのですが、トーマス・トーラスです! ぜひ覚えて帰ってくださいね! 最初は「タイバニ」だって構えている僕がいたんですけど、頭からなんて愉快なイベントなんだろうと緊張が吹っ飛んじゃいました。でも!イベントはこんなに楽しくても、作品の中身はめちゃくちゃガチです。僕たちも全力でニューヒーローとして作品を背負おうとしつつ、先輩たちに助けられながら取り組んでまいりました。大変楽しんでいただける作品になりましたので、思いっきり楽しんでいただけたら嬉しいです。本日はどうもありがとうございました!
●千葉翔也(仙石昴/Mr. ブラック役)コメント
仙石昴役として舞台に立たせていただきました、千葉翔也です。本日は本当にありがとうございました! めちゃくちゃ緊張していたのですが、本当に温かい一日で、舞台袖にいても自然と笑顔になってしまうような素敵なイベントだったなと思います。ここから『2』がはじまりますし、3人の新ヒーロー、すごくがんばると思いますので、できれば応援してあげてほしいなと思います。引き続きお願いします。ありがとうございました!
●楠木ともり(ラーラ・チャイコスカヤ/マジカルキャット役)コメント
本日はみなさん、ありがとうございました! 「木」が付く方の楠木です(笑)。改めまして、本日はありがとうございました。このステージに立つまではドキドキしていて、大先輩のみなさまと一緒にタイバニファミリーとしてどう振る舞えば良いのかなと思っていたのですが、本日は楽しんでいただけましたでしょうか? お祭りのようなイベントに一員として立たせていただけること、本当に光栄に思います。配信はもうすぐはじまるので、ぜひぜひヒーローの活躍をお待ちいただければと思います。ラーラちゃんの応援もよろしくお願いいたします!

1作目のテレビアニメ放送から11年。本当に長い月日を経て、来たる4月8日に『TIGER & BUNNY 2』の配信を迎える。本当に様々な思いや、また今の新しい時代へ向けてのメッセージも込められた1作となっているはずだ。新たなヒーローの登場も気になるが、これまでと変わらないお馴染みのヒーローたちのより深い人間模様なども楽しみでしょうがない。何より「虎徹とバーナビー」の2人にまた会えるというだけで喜びがあふれだしてきそうなのも、筆者だけではないだろう。
配信まであと少し。それまで旧作はもちろん、また今回のイベントのアーカイブ配信もしっかりおさらいしつつ、公開の日を迎えたい。
取材・文:平原 学

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