平岡優也

平岡優也

【平岡優也 インタビュー】
桜が舞う季節、
男女の別れと旅立ちの物語

僕なりの春、
旅立ちをテーマにしました

歌詞はどんなテーマに向かって仕上げていったんですか?

僕なりの春、旅立ちをテーマにしました。春と言えば卒業や就職で人々が別れ、旅立っていくシーズンだから、歌詞を書く時に思い描いていたのはMVと同じように男女のカップルで。この春にひとりは田舎に残り、ひとりは就職で上京するっていう。その最後の日をイメージしながら書いていきました。社会人だけではなく、学生たちの別れにも当てはまるように“チャイム”や“学び舎”というワードも入れて。理由があって別れて旅立っていった人々を応援したり、誰かの背中を押してあげられるものにしたかったので、サビの歌詞もTikTokに投稿したものとは変えました。

サビの最後は《君に幸あれ》に変わっていましたもんね。

はい。“君に頑張ってほしい”という気持ちの歌詞にしました。この“君”は聴いてくださったみなさんにも向けています。日々は楽しいことばかりじゃない。つまずいた時、例え知らない人でも、心がこもっていなくても、“お疲れさま”と労いの言葉をかけられたら、人って嫌な気持ちはしないと思うんですよ。だから、“幸せになって”じゃなくて“君に幸あれ”という強いワードをここには入れました。

2番のAメロはメロディーを変えて、ここでやっと平岡さんの透明感があるファルセットを使った美しい歌声が舞い降りると。

僕はこうして2番を変えるのがわりと好きですね。しかも、この曲は弦楽器も1番の終わりからどんとん疾走感と力強さを増して進んでいくんです。

それに併せて歌では《先を歩く》や《手の伸ばしてみても》《夏を追う春》という歌詞で、側にいられない切ない気持ちが倍増していくという。この流れは切なかったです。

ありがとうございます。帰り道、手を伸ばしてもひとりは旅立つことが決まっているし、ひとりは残ることが決まっているという、その分かれ目を絶対交わらない季節に例えて表現しました。

別れが近づくのに反して、曲は転調を入れてさらに派手に盛り上がってラストを迎えるわけですが、ここにはどんな意図があったんですか?

転調のところは僕が抑えきれなかったんです(笑)。《今、》と歌ったあと、グリッサンド奏法を入れて転調するんですけど、このタイミングで桜の花吹雪がライヴ会場に舞って、ライヴがぶち上がる…そんなイメージが自分の中に出来上がっていたのでこうなっちゃいました。

曲のアウトロの最後の最後、学校のチャイム音をギターが奏でて曲がフィニッシュしていくところなど、細かいところまで工夫が凝らしてありますよね。

あそこは僕がデモの段階から入れていたチャイム音が採用されたんです。間奏にもチャイムの音階が入っているんですよ。

そうでしたか。そこもポイントですね。そして、この曲のMVはストーリー仕立ての映像にされていて。

はい。今回は登場する男女をそれぞれ俳優さんにお願いして演技をしてもらいました。監督は僕がYouTubeのほうに「お疲れさま」という楽曲のMVをあげているのですが、このMVは某配信アプリの投票でグランプリをとった時の特典で、その監督と縁があって再びつながって、今回も撮っていただいたんですよ。偶然に縁がつながったので、僕としては感慨深かったです。

この曲を配信リリースしたあとは、4月10日に渋谷gee-ge.にてアルバム『20s』(2021年10月発表)を引っ提げてのワンマンライヴを実施されます。ライヴはどんなものにしたいですか?

アルバム発売後にライヴができなかったので、ここでしっかりと『20s』を届けたいと思っています。ワンマンライヴ自体2年振りとなるので、僕としてはまたここからライヴができるようになってくれたらいいなという願いも込めて頑張りたいと思います!

取材:東條祥恵

配信シングル「春舞」2022年3月9日配信 halu records

ライヴ情報

『平岡優也 1st Album Release Memorial LIVE『20s』2022』
4/10(日) 東京・渋谷 gee-ge.

平岡優也 プロフィール

ヒラオカユウヤ:1992年10月17日、秋田県秋田市出身のシンガーソングライター。観客が撮影した路上ライヴの動画がYouTubeなどにアップされ、そのうちのひとつの動画が瞬く間に900万回再生に到達し、“通行人が足を止める歌声”と話題に。21年10月に1stアルバム『20s』をリリース。22年3月に配信シングル「春舞」を発表し、4月にワンマンライヴ、5月には東名阪での路上ライヴツアーを開催し、6月に配信シングル「ビギナーズ」を発表した。さらに8月に配信シングル「ソングレター」を発表後、10月にミニアルバム『∞ - infinity -』をリリースし、11月からは東名阪ツアー『Tour 2022「∞ - infinity -」』を開催する。平岡優也 オフィシャルHP

「春舞」MV

OKMusic編集部

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