小倉 唯

小倉 唯

【小倉 唯 インタビュー】
細部にも工夫やこだわりを
詰め込んだ一枚

“もしかして天才かも?”なんて
自画自賛したくなりました(笑)

9曲目の「Wish」付近をきっかけに、アルバムも山場を迎えます。ところで、「Destiny」から「Wish」「Clear Morning」と連続した3曲で、夜から朝への時間の経過が描かれていますね。

えっ、本当ですか!?

8曲目の「Destiny」の1番サビで《織りなす 絆は/夜を越える力となる》と歌うと、「Wish」の2番Bメロでは《独り見上げた星空じゃ願い叶わない》と続きます。「Clear Morning」は何より、タイトルに“朝”が入っていますよね。

本当だ(笑)。すごい! 偶然ですが、ラッキーでした。と言いつつ、もしかすると頭の中で無意識に楽曲のイメージをつなげ合わせていたのかも。うん、そういうことにしておきましょう!(笑) そう考えると、このあとにアフタヌーンが始まるのもまた味がありますよね。

11曲目の「CiaoCiao Afternoon」で一気にフワッとした空気になるのですが、この楽曲はどんな経緯で生まれたのでしょう?

ボカロPのJunkyさんとのコラボ曲として制作しました。以前にJunkyさんの楽曲を作品で歌わせていただく機会があって、いつかコラボの機会をいただけたら間違いなく素敵な楽曲が生まれる!と信じていたんです。そんな背景もありつつ、今回のアルバムを私がセルフプロデュースすることになり、お声がけをさせていただきました。

歌詞の中には“がんばりまめ大福”でファンにお馴染みの《まめ大福》が登場したり。

そうなんですよ。Junkyさんから作詞にあたり、とにかく可愛いワードをたくさん送ってほしいと依頼がありまして。まさか、こんな素敵な歌詞で返していただけるとは。それと、この楽曲は裏テーマに“ASMR”や“SNS映え”を掲げていて、2番Bメロの《ハニー ゼリー チョコ グミ》という部分にも、ASMR動画によく登場するグミが入っています。私の公式TikTokアカウントでも、この楽曲を使ってどんどん発信していきたいです!

そこからアルバムラストを飾る「桜色ラビネス」へも、自然とポップな流れになっていてまた見事です。小倉さんが作詞された曲ですが、これからの季節にまさに聴きたい一曲ですね。

今回の『Tarte』が2月発売ということで、春に向けて徐々に温かく、楽しいムードになっていくと想像しながら歌詞を書きました。大切な人たちと会う直前や、春に向けてワクワクしつつも、少し切なく、やさしくて温かいような…そんな想いを表現できていたら嬉しいですね。

ちなみに、作詞をする際は机に向かうなど、短時間で集中して向き合うタイプですか?

どちらかと言うと、リラックスしながら作詞をしますね。ソファに横たわったり、お風呂に入ったり、お散歩をしたり。あとは、移動中の限られた時間などにも。基本的には紙とペンを使わずに、スマホのメモで完結させています。

なるほど。今回の『Tarte』には小倉さん自らの作詞曲が過去作でもっとも多く収録されています。そうした経緯を踏まえると、今作がセルフプロデュース作になったことも頷けますね。ここまで一定の作詞経験を積んできた上で、ご自身をひとりの作詞家としてとらえた際に、どんな作風が得意だと思いますか?

やはり可愛らしい世界観の歌詞を表現するのが得意なのかなと。私自身が歌を歌う人間として、言葉の響きをとても大切にしているので、キャッチーなタイトルであったり、メロディーに対する言葉の当てはめ方などには、自分ならではの思考があるとも考えています。それに作曲家さんからもメロディーに対して言葉を当てはめるのがすごく器用だと、おっしゃっていただけることもありました。

「桜色ラビネス」でのお話にも重なる部分ですね。

そう言えば以前、作詞の講師をされている作家さんから、私の書いた歌詞を褒めていただいたことがあるんです。それこそ教材にしたいほど、作詞の基礎をマスターした人の歌詞だったと! 私の作詞は独学にもとづくものですが、自分の感性がプロにも受け入れられているんだと感じて、その出来事があってからは自信を持って歌詞を書けるようになりました。

今回のアルバムには「ta・ta・tarte♪」のMVも収録されています。こちらの撮影時に印象的だったエピソードがあれば教えてください。

“クマオーディション”を開催したことですね(笑)。冒頭から見習いパティシエの女の子を見守るテディベアが登場するのですが、その一匹を決めるオーディションをスタッフさんと一緒に開催して。私自身も本当に癒される時間になりました。あと、2番以降には私がテディベアの山に埋もれながら、自分もテディベアになりきるシーンがあるのですが、そこは観どころです。ぜひチェックしてみてください!

2022年7月でアーティスト活動10周年を迎えるわけですが、記念すべき本年の活動はどんなものになりそうですか?

こんなご時世なのでお約束はできませんが、全国のみなさんにできる限りお会いできるようにしたいですね。それと同時に、10周年よりも先の未来に向けて、さらなる期待感に満ちた挑戦をしたいと考えています。

個人的には昨年7月に開催された『小倉 唯 LIVE 2021 「#Re♥LOVEcall」』での恋愛シミュレーションゲーム風の幕間映像「ユイユイメモリアル」の続編などを期待しています。

「その場でストーリー展開が変わるやつですね(笑)。実は、2021年12月のファンクラブイベント『Yui's*Company.社員総会 2021 ~Twinkle Holy Day♪~』で披露したばかりで! それも、私がグリーンバックの前に立って映像を合成しながら、その場で決めた台詞を生朗読会のように話すかたちで行ないました。すごく好評だったので、定番コーナー化も検討しようかな?

期待しております!

あの時の「ユイユイメモリアル」の映像演出は、実は私がかねてから披露したいアイデアだったんです。たくさんの方々に喜んでいただけたことで、また新たな自信にもつながりました。これからも自分が挑戦したい表現をどんどん実現できるよう、努力を忘れずにいきたいです!

取材:一条皓太

アルバム『Tart』2022年2月16日発売 KING RECORDS
    • 【CD+BD盤】
    • KIZC-657〜9
    • ¥5,280(税込)
    • 【CD+DVD盤】
    • KIZC-660〜1
    • ¥4.070(税込)
    • 【通常盤】
    • KICS-4040
    • ¥3.080(税込)
小倉 唯 プロフィール

オグラユイ:2009年に声優デビュー。以降、多くのTVアニメやゲーム作品などで主演やメインキャストを担当。近年では、番組ナレーションなど、活躍の場を広げる。多くの話題作で活躍する声優でありつつ、2012年に「Raise」でアーティストデビュー。18年には初となる単独アリーナ公演を成功させ、19年に行なった自身3度目のライヴツアーでは6都市7公演を大成功に収め、約20,000人を動員。20年には全楽曲のサブスクを解禁した。22年にソロアーティストデビュー10周年を迎え、12月に日本コロムビアへ移籍後初のシングル「Love∞Vision」リリース。23年4月にシングル「秘密♡Melody」を発表した。同年11月にシングル「Empty//Princess.」をリリース後、同月にワンマンライヴ『小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11'Eleven~』を開催。12月には7月に開催したワンマンライヴを収めた映像作品『小倉 唯 Memorial LIVE 2023〜10th Anniversary Assemble!!〜 Blu-ray』を発売する。小倉 唯 オフィシャルHP
小倉 唯 日本コロムビア アーティストページ

「ta・ta・tarte♪」MV

「ハートフォレスト」MV(Short Ver.)

「Fightin★Pose」MV(Short Ver.)

「Clear Morning」MV(Short Ver.)

「Very Merry Happy Christmas」MV

「ハピネス*センセーション」MV

「I・LOVE・YOU!!」MV(Short Ver.)

「Destiny」MV(Short Ver.)

OKMusic編集部

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