【明田川進の「音物語」】第58回 「
ジャングルの王者ターちゃん」でご一
緒した岸谷五朗さん

 僕が音響監督を担当した「ジャングルの王者ターちゃん」(1993~94)の主役・ターちゃんは、俳優の岸谷五朗さんが演じられています。
 「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」の芝居が好きでよく見ていて、以前から岸谷さんは面白い方だなと思っていました。ターちゃんのキャラクターを上手くだしてもらえるのではないかとキャスティング段階で候補にだしたところ、お忙しくてやってもらうのは難しいのではないかという声もありましたが、お話を詰めていったら出演してもらえることになりました。
 アフレコが進んだあとご本人から聞いた話ですが、声優初挑戦だった岸谷さんは初回の収録のとき、自分のなかで相当キャラクターをつくりこんで臨まれたそうです。それでいざ本番となったら、舞台と違ってアニメの絵やキャラクターの表情にあわせて芝居をしなければならない。これは事前につくりこまず、本番で相手と芝居をつくっていったほうがいいと、すぐに気づかれたそうです。
 舞台や実写の演技では自分の体で動きをつくりますが、アニメの場合はアニメーターがその部分を担っています。もともと相手の芝居をうけて演技をすることに慣れている方ですから、アニメの勘どころが分かってからは絵にあわせながらアドリブを入れたりもして、楽しみながら演じられていました。
 ターちゃんの女房役・ヂェーンのキャスティング段階で僕は、岸谷さんと一緒に「プリンセス プリンセス」の奥居香さん(現・岸谷香)はどうだろうかと提案していました。お2人が結婚する前の話です。その頃、岸谷さんと奥居さんはTBSでラジオ番組のディスクジョッキーをやっていて、共演したときのやりとりがすごく面白かったんです。「この2人で夫婦役をやってもらえたらいいな」と思いました。奥居さんは音楽活動で毎週のレギュラーは難しいとなりましたが、もし実現していたら面白かったですよね。
 その後、岸谷さんとは、ゲーム「ドクターロートレックと忘却の騎士団」(3DS/2011)の収録でもご一緒しました。「シェンムー」以来、ゲームの仕事はしないようにしていたのですが、岸谷さんが出演されるということで担当させてもらうことになりました。

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