フィービー役のマッケナ・グレイスの日本語版吹き替えを担当した上白石萌歌

フィービー役のマッケナ・グレイスの日本語版吹き替えを担当した上白石萌歌

【インタビュー】映画『ゴーストバス
ターズ/アフターライフ』フィービー
役日本語版吹き替え 上白石萌歌「一
推しのキャラはミニ・マシュマロマン
。特にスーパーのシーンはワクワクし
て『ゴーストバスターズだ!』という
気になります」

 ゴースト退治に挑む科学者たちの奮闘をユーモラスに描き、1980年代にブームを巻き起こした『ゴーストバスターズ』(84)と『ゴーストバスターズ2』(89)の続編となる『ゴーストバスターズ/アフターライフ』が全国公開中。前2作の監督アイバン・ライトマンの息子のジェイソン・ライトマンがメガホンを執った本作は、ゴーストバスターズのメンバーの孫娘フィービーの活躍を中心に描く。フィービー役のマッケナ・グレイスの日本語版吹き替えを担当した上白石萌歌に、映画の印象や、姉の萌音との関係などについて聞いた。
-今回、声を務めたフィービーは、最初は「ゴーストなんか信じない」と言っていましたが、上白石さん自身はいかがでしょうか。
 私自身は、全く霊感はないのですが、母がすごく霊感が強くて、私たちを産む前がピークで、いろんなものが見えたり、新婚旅行でエジプトに行ったときには、何かに取りつかれたそうです(笑)。そういう逸話をたくさん聞いたので、幽霊というより、人の魂がさまよったりすることは信じています。自分の体験としてはほとんどありませんが、小学生ぐらいのときに、実家の鹿児島で、夏にドライヤーを当てていたら、ズボンの裾をぐっと引っ張られたことはあります。とても驚きました。
-『未来のミライ』など、アニメの吹き替えは経験済みですが、映画の吹き替えは今回が初めてでしたね。どんな感じでしたか。
 今まで、キャラクターに声を吹き込むことはありましたが、人に声を吹き込むというのは初めてだったので、アニメ以上に繊細な感じがしました。例えば、ちょっとした息遣いや、何かを飲み込んだ音とか、リップ音なども、細かく入れていくのがすごく新鮮だったので、事前に頂いた映像を何度も見て、ある程度は同じ動きができるようにしました。あとは、「この子は眼鏡をぐっと上げたり、舌をかみがちなところがある」など、癖をメモして、自分と同期できるように、つなげられるようにということを意識しました。
-昔の『ゴーストバスターズ』を見ているそうですが、今回とのつながりや比較も含めてどんな印象ですか。
 もちろん、私は前作の公開当時にはまだ生まれていませんが、両親がファンだったので、後から私も一緒に見たことがありました。自分にとっては、80年代の街並みやファッションがとても刺激的でした。今回の映画も、ユニフォーム姿などは昔のものを引き継いで、前作を意識した箇所もたくさんあったのですが、逆にそれが新鮮でした。今回、私たち世代の人は、これを見る前に、絶対に前作も見てほしいと思います。何だか不思議ですが、私も懐かしい気持ちに包まれました。人を驚かせるという意味では、当時も今も変わらないのではないかと思いました。
-この映画は家族の物語で、しかも妹の役でした。そこに、実姉の萌音さんとの関係を反映させたところはありましたか、それとも自分たちとは全然似ていないと感じましたか。
 この映画のフィービーと兄のトレヴァー(フィン・ウルフハード)は、年の差はあるけど、友だちのようなところがあって、お互いを対等に見ているような感じがしました。そこは、ちょっと私と姉との関係性にも似ていると思いました。私たちは2歳差なので、本当に友だちだと思って接しています。なので、何か、雑に扱っても許してもらえるような、きょうだいの強い結びつきを感じながら演じました。
-もし、自分がゴーストバスターズだったとして、家族でやっていくとなったらどんな感じになると思いますか。
 すごいポンコツだと思います(笑)。お互いにやる気がなさそうだし、退治とかには向いていないと思います。
-フィービーとクラスメートのポッドキャスト(ローガン・キム)との関係についてはどう思いましたか。
 かわいいですよね。小学生同士なので、まだ恋とかはあまり知らずに、お互いの好奇心の向かう方向が一緒なことに喜びを感じるような2人だったので。同性の友だちでも、あの距離感はなかなかないと思うので、あの年の、あの2人の友情は、とても尊いと思いました。一番フィービーの味方になってくれるのがポッドキャストだったので、すごくいとおしい感じがしました。
-この映画は、父のアイバン・ライトマンが昔撮った映画を、息子のジェイソンが改めて撮ったわけです。ジェイソンも「家族のレガシーを大事にした」とコメントしています。そのことについてどう思いますか。
 この映画のメイキングを見たときに、撮影現場にお父さま(アイバン)がいらっしゃって、お父さまの横で指揮を執るというのは、プレッシャーもあるだろうし、結構異常な状況だなと思いました。でも前作を作った方が横にいるというのは、心強いところもあったのかなと。そうした親子の絆も、ちゃんとこの映画ににじみ出ている気がしたので、親子愛を感じました。
-では、上白石家のレガシーは?
 何だろう。すごく仲はいいです(笑)。四人家族で、今はなかなか一緒には過ごせていませんが、一緒に住んでいたときは、四季のイベントなどはとても大事にしていましたし、なるべく時間を共有するようにしていました。母が音楽の先生だったので、日常の中に、当たり前のように音楽があって、歌っていたら伴奏を付けてくれたりして、音楽やエンタメを愛している家族だったので、いろんなことが今のお仕事に影響していると思います。
-今回、声を務めたフィービーと、演じたマッケナ・グレイスと同じ年頃には、上白石さんは、もうデビューしていましたね。
 あの頃は、お仕事という認識よりも、自分が楽しくてやっていたり、ちょっと放課後に習い事に行くようなところがありました。お仕事だと、ちゃんと自覚してきたのは、ここ4、5年のことです。でも、当時の「好きだからお芝居をしている。好きだから表現したい」という気持ちは、絶対に大事だと思います。それは、これからも失わずにいたいと思います。
-最後に、観客に向けて一言お願いします。
 これまでの「ゴーストバスターズ」シリーズからさらにブラッシュアップされて、コメディー要素も残しつつ、すごくハートフルな仕上がりになったので、皆さんが、とても温かい気持ちになれると思います。この映画を見た後には、家族に連絡したくなったり、顔を見たくなると思います。ぜひ、心を温めに映画館に足を運んでいただきたいと思います。一推しのキャラはミニ・マシュマロマンです(笑)。特にスーパーのシーンはワクワクして「ゴーストバスターズだ!」という気になります。
(取材/丸山有咲、文/田中雄二)

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