【編集部お勧め】冬の新作アニメ「平
家物語」「明日ちゃんのセーラー服」
「地球外少年少女」など4選

 2022年1月クールの冬アニメは、配信オンリーの作品もふくめて51本(編集部調べ)。ほぼすべての作品の序盤を鑑賞したうえで、アニメハック編集部がお勧めする4作品をご紹介します。
注目スタッフが古典をアニメ化「平家物語」 人気声優陣の好演にも注目
(c)「平家物語」製作委員会 「けいおん!」「映画 聲の形」の山田尚子監督とサイエンスSARUが、古典「平家物語」(訳:古川日出男)のアニメ化に挑む注目作。キャラクター原案を「ドミトリーともきんす」で知られる漫画家の高野文子が手がけているのも注目ポイントです。
 未来が見える目をもつ琵琶法師の少女びわをとおして、栄華をきわめた平家一族が滅びていく激動の時代が描かれる本作は、平面的なキャラクターが映える凝った絵作りが大きな見どころ。実力派の人気声優陣による豊かな芝居も素晴らしく、びわ役の悠木碧をはじめ、玄田哲章、櫻井孝宏早見沙織千葉繁井上喜久子入野自由小林由美子岡本信彦花江夏樹、村瀬歩ら多くのキャストが出演しています。
 NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とほぼ同じ時代が舞台で、平清盛など両作品に共通する登場人物もあり、合わせて見ると歴史のさまざまな描かれ方を感じることができるでしょう。
フェティシズム描写を交えて女子中学生の青春の日々を描く「明日ちゃんのセーラー服」
(c)博/集英社 「となりのヤングジャンプ」で連載中の博氏による漫画を、CloverWorksと黒木美幸監督が手がける青春ストーリー。田舎の名門女子中学校を舞台に“明日(あけび)ちゃん”こと明日小路をめぐる女の子たちの学園ライフが、瑞々(みずみず)しく描かれます。
 天真爛漫な明日たちのさりげない仕草を丁寧にすくいあげながら、ときに破壊力満点のフェティシズム描写で、彼女たちの青春の日々が鮮やかに切りとられているのは圧巻です。「オッドタクシー」で三矢ユキ役を演じ、本作がテレビアニメ初主演となる村上まなつが明日役を演じています。
新海誠作品スタッフも参加する中国発のSFサスペンス「時光代理人 -LINK CLICK-」
(c) bilibili/BeDream コミックス・ウェーブ・フィルムが参加した日中合作劇場アニメ「詩季織々」(2018)の李豪凌が監督・脚本、韓国の人気イラストレーターINPLICKがキャラクターデザイン原案を手がける中国アニメ。新海誠作品の常連スタッフが参加し、美術監督を「君の名は。」の丹治匠、音楽を「秒速5センチメートル」の天門が務めているのも話題です。
 依頼人から預かった写真に“ダイブ”して任務を遂行する男性コンビの活躍が1話完結で描かれ、ダイブ中に過去の改変をしてはならないというルールが破られることで徐々に大きな物語が動いていきます。日本語版では豊永利行、櫻井孝宏、古賀葵らが吹き替えを担当し、日本アニメとほとんど変わらない感覚で楽しむことができます。スタイリッシュな日本語版オープニングも必見です。
「電脳コイル」の磯光雄監督が描く新しい宇宙像「地球外少年少女」
(c)MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会 「電脳コイル」を手がけた磯光雄監督が15年ぶりに放つオリジナルシリーズ。1月28日からNetflixにて全6話が配信中で、劇場上映版の前編も全国10館で上映されています。
 誰もが宇宙に行けるようになった2045年が舞台。月生まれの子どもたちと地球から宇宙旅行へやってきた子どもたちが、日本の民間宇宙ステーション「あんしん」でおきた事故に立ち向かいます。
 配信・上映前に、オンライン試写で拝見しました。「電脳コイル」で大きな魅力だった奇想とユーモアはそのまま、磯監督ならではの新しい宇宙像が描かれていて本当に楽しめました。上映劇場のお近くの方はぜひスクリーンで、難しい方はこのためにNetflixに加入しても損がないと言いたいぐらい、個人的に一押しの作品です。磯監督とキャラクターデザイン吉田健一さんお2人のインタビューを掲載中ですので、ぜひご一読ください。
▽磯光雄と吉田健一の宇宙の旅(前編) 魅力がないと思われているものを魅力的なものに化けさせる
https://anime.eiga.com/news/115187/

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