同作品が、オリコン・シングルウィークリーチャートで第5位を獲得した(7/14付)。「5周年記念のシングルが第5位を獲得」。つねに運命の女神の後ろ髪をつかんでいるν[NEU]に相応しい。上品な洒落心含んだ結果と言えようか。
『ひとりじゃない』を手にν[NEU]は、7月6日の渋谷REX(FC限定)より、全30本行われる全国ワンマン・ツアー「★5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014」をスタートさせた。全国ツアーに際して事前に告知していたのは、24本の日時と会場。そして、「ONEMAN TOUR 2014 FINAL 2014年12月29日(月)TOKYO XXXXX」と謎めいた形での計25本。同時に、7月7日(月)TSUTAYA O-WEST公演では「重大発表あり」と予告も行っていた。
この日が正式なツアーの幕開けであり、「重大発表」をいち早く知ろうとする人たちも多かったせいか、7月7日のTSUTAYA O-WESTの会場はフルハウス状態。この日に掛けて言うなら、織り姫たちと彦星5人の逢瀬の気持ちが昂った故の成果と言えようか。。
先に、この日発表された事柄をお伝えしよう。まず「★5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014」の一環として、「★5th Anniversary★FC ONLY ONEMAN TOUR 2014」と題し、ファンクラブ「Lily」に入会中の人たちを対象にした計5ヶ所のライブを実施。さらに、会場を伏せる形で発表していた12月29日(月)の詳細を告知。それが、渋谷公会堂を舞台に、「★5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014 FINAL「エンドロール」」と題したホール ・ライブを行うことだった。
9月29日(日)に渋谷AiiA Theater Tokyoで行うライブがν[NEU]にとって初のホール・コンサートとなるように、ホール会場では2回目の開催。とはいえ、同地はキャパシティ的に千人以下のよう、ホールならではの演出も含めたコンサートという意味では、12月29日(日)に渋谷公会堂で行うコンサートを「初のホール進出」と捉えても、あながち間違いではあるまい。
この日は、入場者全員へシングルCD『エンドロール』の無料配布も決まっている。すでに何年も前から、ライブのアンコール最後の楽曲として演奏。ファンたちと大きな合唱を作り上げてゆく、ν[NEU]のライブではお馴染みの楽曲だ。長年、音源化を待ち望まれていたライブ楽曲を渋谷公会堂で無料配布するのも、「ライブでファンたちと温め続けてきた歌だからこそ、ライブに足を運んだ人たちに届けたい」というメンバーの想いの現れか…。

ここ何年か、七夕の日にワンマン・ライブを行うことをν[NEU]は恒例にしている。しかも「織り姫と彦星が年に一度だけ出会い、愛を育める日」とあって、メンバーたちも、毎回いろんな趣向を凝らしている。
7月7日(月)TSUTAYA O-WESTで行われたワンマン・ライブは、客席の後ろのドアから姿を現し、観客たちの波を掻き分け舞台上へ上がる、俗に言う「プロレス入場方式」を取って、5人はステージ上に登場。メンバー5人が後ろの扉から姿を現したときの織り姫たちの熱狂的な声には、サプライズ的な登場による驚きはもちろん。5人が、艶やかな浴衣姿だったことも大きな要因になっていた。中には、アニメに出てくる少年勇者のような出で立ちにしか見えないメンバーも一名いたが。その遊び心も、ν[NEU]ならではのセンスと言うべきか。
ライブは、オリコン・シングルチャート第5位を獲得した5周年記念シングル『ひとりじゃない』よりスタート!!。温かさを持って響き出した演奏と歌声。改めて、支えてくれる仲間たちがいるからこそ未来へ躍進していけることを噛みしめながら、5人は舞台上から想いを届けてきた。
「本日は彦星としてみなさんを守るためにやってきました」(ヒィロ)
今回は5周年を祝うツアーということもあり、毎回メニューを変えながら、ν[NEU]5年間の歩みを届ける形で進められてゆく。この日は、『恋模様』や『スプラッシュ!』『E.Y.E』のよう、デジタルロク色を強く打ち出していた活動初~中期頃の楽曲を中心に構成。甘く危険な香り漂うジャジーな『E.Y.E』では、各自のソロ演奏も曲中に登場。
この日はあいにくの雨模様。「今日は残念ながら雨が降ってしまいました。こんな日はこの歌を」と語りながら、哀切な歌が胸に染みる『アマオト』を届けてゆくなど、その日によって巧みに選曲を変え、雰囲気を彩ってゆく手腕もさすがだ。
最近は『everlasting light』や『The 25th Century Love』のよう、熱狂描きながらも、「歌」を胸に届ける姿勢を一番に押し出した楽曲を表現の軸に据えているν[NEU]だが。この日は、哀愁味を持ったバラードの『APPOLON』なども中へ組み込んでたとはいえ、触れたとたんに感情を熱く掻き立ててゆく『desire』や『cube』、ラウドな音を通し場内をヘドバン空間に染め上げた『LAB』など、一緒に激しく騒ぎ立てる楽曲たちを中心にパーティ空間を作り上げてゆくことを彼らは心がけていた。
もちろん『妄想接吻』のような、観客たちと一緒に両手でハートを作りながらはしゃいでゆくロマンティックなポップ・チューンや、会場中の人たちが思いきり手を振り上げ「YES NO/YES NO」と唄い続けたデジタ ル系ダンスナンバー『YES≒NO』など、親しみあふれた明るく開放的な楽曲も中には組み込んでいた。そうそう、『妄想接吻』ではギターの華遊がキスを求めてきたことから、ヴォーカルのみつが頬に軽くChu!!と口づける、女性の妄想意識を思いきり掻き立ててゆく場面が登場していたこともお伝えしておこう。
他にも、夏の始まりの時期に絡め、T.M.Revolutionの『HOT LIMIT』をカヴァーしてゆく遊び心も発揮。ライブに於ける熱狂産み出すうえで定番化している『ピンクマーブル』を通し、場内中の人たちの理性の螺子を壊し熱狂の風景を描きあげれば。最後の最後に奏でた『エンドロール』では、ハートフルな演奏に身や心を預けた観客たちが、何度も何度も大きな合唱を繰り返していた。
「もっと一緒にいられるよう解けない魔法で願いを叶えて 小さくてもいい 届いてるから君がいてくれたらそれでいい」。『エンドロール』に記した想いこそ、ν [NEU]がファンたちに求めている素直な気持ち。互いに同じ意志を持っているからこそ、この歌が流れるたびに場内へ大合唱が起きるのだろう。まして今宵は、七夕の夜。「織り姫(ファン)と彦星(ν[NEU])が、互いの高まった想いを交わしあい、心一つになっていく日にピッタリの心境ではないか。
ライブ中のMCで、ヴォーカルのみつが「今までは「愛だよ」なんて恥ずかしくて言えなかった。でも今は、「愛だな」と素直に言えるようになった」と語っていた。変に肩肘張ることなく、ただただ素直な気持ちを楽曲やライブを通し告白し続けているのが、今のν[NEU]の姿。その想いを記した『ひとりじゃない』が大勢の人たちから支持を得たのも、彼らの素顔な言葉に触れ、同じよう自分もすっぴんな心で歌と握手したい人たちがたくさん居たからなんだと思う。
年内いっぱい続く今回のツアー。セットリストにも毎回いろんな変化がみられるよう、ぜひν[NEU]の5年間の歩みに触れながら、笑顔でいられる至福な2時間を楽しんでいただきたい。(TEXT/長澤智典 LIVE PHOTO/藤原悠里)

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